今日はちょっと、私の仕事についてお話しようと思います![]()
以前お伝えした通り、私は難関である日本映像翻訳アカデミーのトライアルテスト(プロ化テスト)に合格し、プロの映像翻訳者としての1歩を踏み出しました。
SNSでその旨を投稿したら、色んな方から、映像翻訳者って実際はどんなことをするの
ってご質問をいただいたので、簡単に説明してみようと思います![]()
まず映像翻訳とは何ぞや?というところですが、下記がそれにあたります。
①字幕翻訳:これは説明不要ですよね。映画やドラマに、翻訳した字幕をつけます。
②吹き替え(リップシンク):原音を残さずに、まるでその人が喋っているかのように、翻訳した音声のみを残す手法です。
③ボイスオーバー:これは、原音を小さい音で残しつつ、その上に翻訳した音声を重ねるもので、実際に話している人の感情や臨場感が伝わります。ニュースやドキュメンタリーなどでよく見られる手法です。
私はスクールで上記3種類とも学びましたが、今日は①字幕翻訳についてお話しようと思います。
みなさん、義務教育で英語を学ばれたと思うので、もしかしたらちょっと英語が得意な方なら、英語の映画やドラマを見ていて
「あれ
今、英語で話している内容と字幕が微妙に違うな…
」
と感じたことはありませんか?![]()
私は何度もそう感じたことがあります。
家族に、
「今、英語で●●って言ってたのに、字幕が●●ってなってる
」
な~んて、イキッて言ってました![]()
あれにはワケがあるんです。
まず、字幕翻訳には数多くのルールがあります。
全てはお伝えしませんが、代表的な基本ルールとして真っ先にあがるのが
「1秒4文字ルール」です。
まずはそこから。
字幕翻訳者はまず、ハコ切り(スポッティング)という作業をします。(ハコは1枚、2枚と数えます)
これは、音声の切れ目やシーンの変わり目などでセリフの初めと終わりを決めて、そこで映像を切っていく作業です。
そして、その1枚1枚に字幕をつけていくのです。
その1枚に表示できる文字数というのが決まっていて、ここで出てくるのが「1秒4文字ルール」です。
例えば、ハコ1枚の映像が2秒だとします。
すると、2秒×4文字で8文字。
この8文字以内で字幕を作る必要があるのです。
しかも、登場人物のキャラクターによっては、字幕は表情を変えます。
例文を見てみましょう。
(全く良い例文が思いつかなかったので分かりにくいかもしれませんが…
)
原文:
You’ve got to be kidding me.
直訳:
冗談を言っているに違いない(12.5文字/小さい“つ”は0.5文字カウント)←4.5文字オーバー
字幕訳例:
①うそでしょ(4.5文字)
②ふざけんなよ(6文字)
③信じられない(6文字)
こんな感じです。
さて、文字数を理解したところで、次は原文と字幕との相違(冒頭で伝えた違和感)についてです。
字幕は、通常の英語の授業で「この英文を日本語に訳しなさい」という、「直訳」とは違うのです。
直訳で良ければ、英語ができる人や優れた翻訳アプリでも済む話になってきます。
(※翻訳アプリの性能は凄く上がっていますが完全ではなく、変な翻訳をすることも結構あります。参考にするのは良いですが、信用し過ぎるのは危険ですよ
)
字幕の場合、ストーリーの展開やシチュエーションなどによって、言葉が変わることがあります。(またもや例文が微妙ですみません…
)
原文:
I love you.
直訳:
私はあなたを愛しています
シチュエーション:友達同士で別れ際にI love you.
字幕訳例:またね
シチュエーション:誰かが何か凄いことをやってくれて喜ぶシーンのI love you.
字幕訳例:あなた最高
シチュエーション:死にゆく友達に向かってI love you.
字幕訳例:ありがとう
なんとなく、どういうことか雰囲気つかめましたか?
また、1つのハコの中で早口でたくさんのことを喋るシーンがあったとして、それらを全て字幕として詰め込むと、とてつもなく長くて読みにくい字幕になってしまいますよね。
そこで、字幕の表示は2行までで、1行は何文字まで。というルールもあります。
その制限の中で、入れるべき情報を取捨選択したり、表現方法を変化させる必要があります。
こんな感じで、字幕翻訳のルールは、まだまだたくさんあります。
私たち字幕翻訳者は、それらのルールを守りつつ、この作品の視聴者ターゲットは誰なのか、この作品で伝えるべきテーマは何なのかなどなど、細部まで考えをめぐらして字幕を作るのです![]()
原文を理解できない視聴者にとっては、私たちが作る字幕がその作品を理解する手段となるので、字幕は作品の一部であり、字幕翻訳者は重要な役割を担っていると思っています![]()
最近ではAIの技術がかなり向上していて、実際、AIで作った字幕、作った字幕をAIがチェックする…なども行われているようです。
でも、まだAIには微妙なニュアンスや細部のこだわりが表現しきれなかったり、不自然な翻訳や音声と字幕のズレなど、質の低い字幕も見られます。
サブスクでお金を支払って視聴した作品に、AIが作った字幕が使われていたとして炎上したケースもあります![]()
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このようなことからも、人間による字幕翻訳の重要性、需要はまだまだあると思っています。
海外の映画やドラマが好き!という方は、是非今日お伝えしたことを意識して字幕を見てみてください![]()
こんな字幕が素敵だったよ!などあれば教えてくださいね~![]()
因みに、もし字幕翻訳に興味が沸いて、第2のキャリアや副業として考えてみたいという方がいらっしゃったら、私が映像翻訳を学んだスクールではリモート説明会を実施しているので参加してみてはいかがでしょうか?
今なら4月期の入学に間に合います![]()
時間的に受講できるか心配な方でも、タイムシフト受講制度(録画受講)やWeb講座もありますよ!