小売業の経営者からよく聞くのが、
「売上は伸びているのに、利益が出ない…」という悩みです。

原因の多くは、仕入原価の高騰に対して売価を据え置いていることです。
結果として売上高が上がっても、利益率が低下し、場合によっては赤字販売になってしまうのです。

ただし、いきなり売価を上げるのは難しいと感じる方も多いでしょう。そこで活用したいのが POSデータ です。売れ筋商品を数値で把握すれば、利益率改善の糸口が見えてきます。

1.POSデータから人気商品を抽出

POSデータを分析すると、勘や経験では見えなかった「本当の売れ筋」が浮かび上がります。

  • 売上高・販売数量・利益率を軸にトップ10を抽出

  • 数量は少ないが単価が高い商品

  • 数量は多いが利益率が低い商品

  • 数量・売上・利益率すべて高い「優等生商品」

この優等生商品を見つけ出し、仕入条件や販売戦略の中心に据えることが重要です。

2.POSデータを在庫・仕入計画に活かす

売れ筋商品が分かれば、次は仕入と在庫の最適化です。

  • 仕入量をまとめることで原価を下げられないか

  • 在庫が過剰になっていないか

  • **仕入債務回転率(売上原価 ÷ 仕入債務)**を確認し、資金繰りに無理がないか

さらに 在庫回転率(販売数量 ÷ 平均在庫数) を算出することで、商品ごとの効率性が見えてきます。

3.販促や商品開発のヒントにする

データから見えてきた「利益率が高い商品」「売れ行き好調な商品」は、販促の重点対象にしましょう。

  • POPやSNSで商品の魅力を訴求し、販売数量を増やす

  • 数量が伸びれば仕入条件交渉が有利になり、さらに利益率改善につながる

  • 利益率は高いが販売数が少ない商品は、販売強化のきっかけにする

売価変更が難しい場合でも、データに基づいた在庫・仕入・販促の工夫で利益率を改善することができます。

まとめ

POSデータを活用すれば、

  • 売れ筋商品の正体が明らかになる

  • 仕入・在庫計画の改善につながる

  • 販促や新商品の開発にも活かせる

数字に基づいた判断は「売価を変えられない」という思い込みを突破するヒントになります。
ぜひデータを活用し、利益体質の強化に取り組んでみてください。

本日もありがとうございました。