トランプ大統領の関税政策が二転三転するたびに、株式市場やFX市場が大きく揺れ動いています。
なぜか私とは相性が悪いのか、彼が大統領になると株やFXで大損してしまうことが多くて…涙。
とはいえ、今回はそのことが本題ではありません。
そもそも日本企業をはじめ、多くの企業が**カントリーリスク(国の政治・経済リスク)**をどれほど真剣に考えてきたのか、改めて見直す必要があると強く感じています。
私は以前から、「あらゆる部品の生産拠点は、原則として自国に持つべきだ」という立場です。
その理由は以下の3点に集約されます。
【1. カントリーリスクの軽視】
中国、ロシア、韓国といった国々だけでなく、大統領の権限が強いアメリカも今やカントリーリスクを抱える国のひとつです。
政府の方針が変われば、一瞬で企業活動が振り回されてしまう。これはどんなに“友好国”であっても起こり得る現実です。
「信用できる国かどうか」「民主主義が安定しているか」は、投資や生産の判断において非常に重要な基準だと思います。
【2. 技術流出リスク】
日本はかつて、半導体分野で世界をリードしていました。
しかし、海外工場に頼った結果、技術が流出し、その後の産業競争力に大きなダメージを受けてしまいました。
もし日本国内で一貫して生産していたら、こうした流出は防げたはずです。
【3. 価格決定権を失うリスク】
日本の白物家電も、一時は“価格競争”に巻き込まれ大きな打撃を受けました。
でも最近は、**「中古でも日本製が欲しい」という声が海外でも多く聞かれます。
これは日本製品の品質が高く評価されている証拠です。
だったら最初から高付加価値商品として価格を維持して販売していれば良かったのでは?**と、悔しい思いがこみ上げてきます。
もちろん、「自国生産はコストが高い」と考える企業も多いでしょう。
でも、それは売価に反映して販売すればよいのです。
安価な人件費を求めて海外へ進出する企業も多いですが、その背後にはカントリーリスク・技術流出・価格競争などのリスクが潜んでいることを忘れてはいけません。
さらに、賃金の安い国もいずれは日本と同水準に近づいていくでしょう。
ちなみに、アメリカの大手企業が中国に工場を建てる場合、トップ管理はすべてアメリカ人が行い、重要技術の部分は徹底して社外に出さない仕組みを構築しています。
日本企業でここまで徹底できている会社は、正直ほとんど見たことがありません。
“安さ”ではなく、“価値”で勝負する時代。
そして、自国でのものづくりをもう一度、真剣に見直す時期に来ているのではないでしょうか?