久しぶりに経営的なテーマを書きますね。市場取引は、もともと物々交換から始まったそうです。たとえば、古代では海で獲れたホタテが余ると、日数が経つと腐ってしまう。一方、山に住む部族が収穫したリンゴも、これまた長くは持たない。そこで、ホタテとリンゴを交換し合う「物々交換」が生まれ、市場が形成されていったわけです。
物々交換が広がることで、さまざまなものの取引が活性化し、経済圏が成長しました。さらに遠隔地との取引が増えると仲介者が登場し、Win-Win-Winの形で利益を分け合う仕組みが出来上がります。そこに物々交換の代わりとして、価値を担保する「貨幣」が加わり、貨幣市場が形成されたのです。つまり、世の中が成長するには、公平で健全な「Win-Win」の市場が必要不可欠なのです。
ところが、今の日本はどうでしょう?企業数の99.7%を占める中小企業と、わずか0.3%の大企業。この0.3%の大企業が得をする一方、中小企業が「Lose」の傾向に陥っているように感じませんか?
では、なぜ中小企業は苦しい状況にあるのでしょうか?さまざまな原因が考えられますが、私が企業支援を通じて特に感じるのは「社長の意識の低さ」です。特に、先代のやり方をそのまま受け継いだ2代目や3代目にこの傾向が強いです。
自社の未来を真剣に考えず、前例をそのまま踏襲し、利益が上がらないからといって「売上を上げろ!」と従業員に厳しく当たる。あるいは、従業員に辞められるのが怖くて、利益率の低下を放置してしまう。このような状況の企業が本当に多いのです。
企業の最大の目的は「永続」です。しかし、永続には成長が必要で、成長を目指さなければ衰退するのみ。下請け気質から抜け出すためには、まず社長自身が会社をどうしたいのかを真剣に考えることが大切です。そのうえで、取引先と交渉し、利益率を少しでも改善する努力をしつつ、新しい分野への挑戦も模索するべきだと私は考えます。
例えるなら、戦国時代の武将たちです。多くの大名は自国を守る「戦術」に終始していましたが、織田信長は「天下統一」という大きな戦略を掲げ、結果として世の中を変えました。企業経営も同じで、目先の戦術だけに頼るのではなく、将来を見据えた戦略を立て、それを日々の戦術に落とし込む必要があります。
日本に本当の資本市場を形成したいですね。中小企業が元気になれば、日本全体の活力も高まるはずです。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!また次回お会いしましょう!