停止原発の再運転を断念させよう

脱原発一〇〇万人アクションに

全国で六万七千人参加


推進勢力の巻き返し許さず運動の強化を 一四〇カ所で多彩な行動  

六月一一日、東日本大震災と福島第一原発災害からまる三カ月後に

全国で行われた「脱原発一〇〇万人アクション」は

被災地の福島・宮城をはじめ、北は北海道・旭川の「なのはなウォーク」から、

南は沖縄・与那国島で開催されたサウンドデモまで、

ほぼすべての都道府県を網羅する一四〇カ所で開催された。


暫定集約では

デモ、パレード、集会をはじめとするこの日の行動の参加者は約六万七〇〇〇人に達した。


「フクシマ」に突き動かされた世界的な脱原発の流れを示すように、

この日、台湾、フランスをはじめ世界一一カ国でも

日本の原発災害被災者に連帯する行動が行われた。


反原発運動を何十年もねばり強く担ってきた人びと、労働運動、反戦・平和運動や

グローバル・ジャスティス運動、環境運動の活動家、地域の市民運動・住民運動やNGOの担い手に加えて、

放射能汚染を日々の生活・子どもたちの生命と健康への深刻な脅威として捉える親子づれ、

デモ初参加の若者、そして「全共闘世代」の人びとなど、

実に多様な年齢、階層の参加者が政府・東電などの無責任・ウソに心底からの怒りをもって行動した。 


今回の「脱原発一〇〇万人アクション」の広がりと、

一九八六年のチェルノブイリ原発爆発事故を契機にした

一九八六~八八年の反原発運動の高揚を対比した時、

明らかに日本で起こった未曾有のレベルの地震・津波災害と原発事故の複合という被害の深刻さ、

住み慣れた故郷を放棄せざるをえなかった住民の訴えに心を揺さぶられ、

労働者・農漁民・小商工業者に襲いかかる失業と生業の破壊、「国策」としてカネや脅し、そしてデマゴギーで原発を推進してきた政府・財界・マスメディアへの批判が際立ったものになっている。


被災者に心を寄せ、放射能汚染を自らの問題として捉え返し、

そしてこれまでの無関心を反省しようとする思いが多くの人びとから語られた。 


それはまた、

新自由主義の二〇年間がもたらした貧困と格差、差別、環境破壊が、

生存そのものへの不安と絶望の中から、政治と社会を根本から変革しようとする意識を、

より広範に生み出す契機ともなった。


大量の「棄民」を生み出した大震災の実態、

なすすべもない政府・官僚のあり方や与野党間、与党内の政権抗争、

震災被害を「新しい経済成長戦略」と利潤獲得の好機にしようと色めき立つ

大資本のための「復興プラン」が、

まさに「反面教師」となって人びとの前に立ち現われている。 


「脱原発」の訴えは、

大企業の成長と利潤のための政治・社会・経済システムに疑問を投げかけ、

人びとの生活と環境を労働者・民衆自身の力で作り替えようとする運動の根幹に位置する課題となった。


原発の廃止・再生可能エネルギーを軸にしたエネルギー政策の転換

エネルギー多消費の経済と社会からの脱却というテーマは、

まさにグローバルな資本主義の危機の中で、

労働者民衆の共通のものになりつつある。