不動産の総量規制かと思うくらい、不動産への融資がストップしています。サブプライムローンの影響で、CMBS等の不動産証券化商品の市場が機能停止状態に陥り、外資系金融機関が不動産向けのノンリコース・ローンをストップしたのと、国内金融機関も金融庁の検査が厳しくなっていること、REIT市場で投資口価格が下落してEXITがみえずらくなったことが大きな主因ですが、不動産賃貸市場は多少翳りがでているものの、オフィスを中心に需要は堅調でそれほど稼働率が大きく落ちているわけでもないのに、資金がでないため買い手は買えないし、一方でローンの返済のために売らざるを得ないForce sellerがたくさん存在します。

折角不動産に資金が流れて経済の活性化に寄与したのに、またバブル崩壊のきっかけになった不動産総量規制という環境です。少なくとも景気の減速は避けられないでしょうし、ハードランディングにならなければいいのですが。


昨日よりスイスチューリッヒに着ております。気温は一桁台で東京だと12月下旬くらいの感じです。

流石に雪はまだでしたが、冬は50センチくらいは積もるようです。

スイスに来ていつも思うことは町並みの古さ、古い建物をずっと使っていることです。オフィスにしても平気で100年くらい前のものをリノベートして使っています。日本のように40年くらいたって古くなったビルを取り壊して建て直すということはしていません。ビルの建築は多くの資源を使って作り、壊すと大量の廃棄物を出します。これまで日本は火災、地震、戦争等のたびに新しく建物を建て復興してきましたが、そろそろ建物のエコ意識を持つべきでしょう。

本日ユーロマネーが主催するセミナーに行ってきました。基調講演は竹中平蔵元金融財政担当大臣でした。

今回の政権へのコメントですが、①政府重視でなく、党重視→これは、参議院で民主党が第一党になっていることからも、政策決定は内閣でなく実質的に党で決まることから当然の布陣である。②財務省優位。これは、党三役の2役が財務省派(大蔵官僚と元財務大臣)→財政再建が進む?その場合増税でいくのか、とりあえず歳出削減を進めるのか。③無難な政策運営→小泉さんの郵政民営化みたいな新たな軸は出さないが、構造改革ですでに既定路線になっているものは、着実にこなしていく。ということでした。

また、退任するときに安部さんの取り巻きには、小泉さんの郵政民営化ように世論を二分するような機軸をたてないと、もたないとアドバイスしたようです。つまり、そのような機軸を出すことで反対派もいるが、逆に賛成派がいてそれが国民の支持を得られれば政権が持続すると言ったようです。ただし、とりまきは長期政権を狙うので、そのような2分するような政策は出さないほうが得策だと答えたようです。長期政権を目指して結果1年しかもたなかったのは、皮肉だといっていました。

今回は緊急避難的に安定感がある福田さんになりましたが、やはり国を導く信念が見えないと、長続きはしないでしょうから今後福田さんが自分の色をどのように出すかが注目ですね。