「プレッシャー」「びびる」「不安」。スポーツ選手の90%以上が体験したことがあることが研究結果で明らかにされています。だから当たり前のことなんですけどね
私は選手の時、プレッシャー・不安で試合でまったく力を発揮できない地獄を這いつくばっていました
でも選手を終えてからスポーツ心理学を学んだら、不安やプレッシャーへの対処法がいろいろあることに愕然としました。。。だから、ぜひ現役のみなさんに知ってほしいと思うのです
対処する手法はいろいろあります。大きく分けると「心・思考からのアプローチ」と「身体からのアプローチ」に分けられます。リラックスする呼吸法やイメージ、ルーティンを使うことなどはかなり知られていると思いますし、全部知ってそこから自分に合うものを選択できるといいです!
が!
この投稿では私が最も「現役の時にやっていたらもっと強くなれてたわ!」と思う、心・思考からのアプローチ、「不安・ネガティブ・プレッシャーを良いパフォーマンスに繋げる方法」について紹介していきます。
■私の現役時代の地獄のネガティブスパイラル
①大事な試合が近づいてくると、「負ける気がする」「調子が悪くうまくいかなそう」「負けたらどうしよう」って思い始める。
②⇒挙句の果てには、なんで私こんな「ネガティブなの?」「こんな弱気じゃ勝てない」って、ネガティブに輪がかかる。
③⇒試合当日を迎え、周りの人に「大丈夫だよ!」「リラックス」って言われても、プレッシャーは変わらず。
④⇒試合に入ったらガチガチ過ぎて、いつものプレーができない。
⑤⇒いつものプレーができないから、「こんなんじゃ勝てない」とイライラする。
⑥⇒試合後「こんなプレーしてたら強くなれない」、「練習と全く結びついていない」落ち込む。
⑦⇒でも頑張ろうって言い聞かせて練習するが、また①になる。
これが私の現役時代のネガティブスパイラルです
地獄なんです。笑
周りから「みんなそうだよ」「大丈夫だよ」とたくさん励ましてもらっていたのに。。。そんなこと耳を貸さない、励ましはいらないというか、大丈夫じゃないし、どうしたらいいんやと、かなりやさぐれていました
パフォーマンスって、EhLenz博士(1985)も示すように、技術・体力・心理・戦術・外的条件(周囲との関係性)・基礎的条件(体質・道具・施設)など多数の要因で構成されている、掛け算!
だからどれだけ練習してすごく高い技術が身について、どれだけトレーニングして数値が上がっても、良い戦略考えていても、こういうプレッシャーからのネガティブスパイラルに陥ってたら、良いパフォーマンス発揮できない。
私は「練プロ」つまり、練習ではプロだね。と皮肉を言われていたくらい痛い選手だったわけです。笑
①知る
こんな地獄絵図は置いといて、さっさとどうしたら不安がいいパフォーマンスに結びつくのかかを説明します。
大事なのはこの二つ「①知る」「②書く」。シンプルです。
何を知るといいのか?まずはノレム博士の実験結果を紹介させてください。
<実験>
不安になりやすい、ビビりやすい、プレッシャーを感じやすい人を集め、Aグループ、Bグループ、Cグループにわけてダーツをさせます。
■Aグループ
投げる前に、リラックスできるような音楽を聴かせた。
■Bグループ
投げる前に、ど真ん中にあたるイメージを思い浮かべさせた。
■Cグループ
投げた矢がどこかに飛んでしまったイメージを思い浮かべさせた。
<結果>
Cグループは、A・Bグループよりも30%も良い結果が出た。(゚д゚)!
ノレム博士は、プレッシャーから不安になったり、ビビりやすい人は実はビビった方がパフォーマンスを上がることを明らかにしました。
つまり、不安やプレッシャーを感じて、良くないことばかり考えてしまうことは実は悪いことではない。むしろ、それがモチベーションに繋がり集中力を上げ、パフォーマンスを上がる人がいるのです。
えーびっくり。(゚д゚)!(゚д゚)!(゚д゚)!
私は不安になったりプレッシャー感じたり、ビビったらだめだと思い込んでました。ポジティブに思わなきゃいけないとか、普通の状態にならないと勝てないとか、思い込んでました。
だからまず、これ知ってほしいんです。私のネガティブスパイラル②は、正しくない決めつけ思い込みだったんです。
知ると、まず捉え方変わりますよね。
自分が「負けるかも・・・」「うまくいく気がしない・・・」と思い始めたら、
「おー!パフォーマンスが上がるスイッチ入り始めたなと」認識していいんです。
②書く
そして、知ったあとに大事なことは、とにかく全部書き出すこと。これしないと、せっかく不安になって集中力高まっているのに、具体的な行動に繋がらないのでもったいない。
書くことはこの2つ ※試合前日か二日前くらいがおすすめ
①不安なこと、失敗しそうなこと、起こりうるネガティブなこと全部
② ①で書き出したことに対する、解決策
これだけ。
ちなみに、②は<自分でコントロールできる>解決策を書くことが大事。
結局、不安やプレッシャーがパフォーマンスに悪い影響を与えるとしたらこれが発生するからなわけで、
・何をしたらいいかわからなくなる
・自暴自棄になって、考えなくなる
・イライラして、適当なプレーをし始める
だから、起こりうる最悪な状態に対してそのとき何をしたらいいのかが明らかにするために、書き出せば対処できるんです。
頭の中で考えているとごちゃごちゃするので、書いて整理するのがおすすめ。
書き終わった後、試合直前に見返したりできるし、私の実感として、その一覧を見ると「あーなんでこんなことで悩んでたんだろ」ってビビりのピークを越えたすっきり感が出てきます笑
よく「準備すべて」と言われますが、不安・プレッシャーに対するこのような心理的な「準備」は、試合当日にベストパフォーマンスを引き出すために、必要な準備の一つだと思っています。
身体の準備、戦略の準備と同様、試合前日までに実施することをおすすめします!
ということで、数ある不安・プレッシャーへの対処法の中から、地獄を見てきた私が現役のときに知っておきたかったことをまとめさせていただきました。
不安・プレッシャーを感じたら、集中のスイッチが入ってきたと認識し、起こりうるネガティブなこととその対処を書き出す。
誰でもできるシンプルなことですね!こういうことって、合う合わないあるかもしれませんがやってみないとわからない。
スポーツの成長のチャンスって練習や試合だけではない。準備にもチャンスが隠れていたんだなと、選手生活を終えてから知った私は悔しさに溢れています!
が!今はお伝えすることで、みなさんの成長のきっかけになれたら、嬉しいです!
ガツガツ書くぞ!燃えてきました
<参考>
Julie Norem(2002)The Positive Power Of Negative Thinking
Julie Norem,Edward Chang (2002)The Positive Psychology of Negative Thinking
Julie Norem, Nancy Cantor(1986)Defensive pessimism: Harnessing anxiety as motivation.
Adam Grant(2013)The Positive Power of Negative Thinking https://www.lifehacker.jp/2013/12/131208negative.html
日本コーチング学会(2017)コーチング学への招待
スポーツ心理学会第三版(2016)スポーツメンタルトレーニング教本
ロビン・ビーリー(2009)実力発揮のメンタルトレーニング
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