私は2019年2月からアートの世界に足を踏み入れたアート初心者です
そして、スポーツとアートに共通点があることに気付き、
トレーニングの一貫としても美術館に通うことが楽しみになってきた今日この頃です
今回行ったのは「ブダペスト展」
初心者の私はもちろん、まったくどんな展覧会か想像つきません。
ブダペストってどこだっけから始まりました笑(ハンガリー)
そんな中で、ブダペスト展を全部見終わったあとに、感じた想いは。。。
「いまの自分ってなにも主張できてない、、、いまの自分じゃ、なんもおもしろくない!もっと頑張ろう」
です。
絵を見に行ったのに、、こんな想いが残るってのが、アート鑑賞の面白さな気がします!
こんな思いになった理由は、、、
シニェイ・メルシェ・パール作『紫のドレスの婦人』を見たからなんです
この作品は、展覧会のパンフレットの表紙になっていますので、メインとも言えるでしょう。
ハンガリーでは国民に最も愛されている名画と言われています。
日本で言うところの、葛飾北斎の『冨嶽三十六景』「神奈川沖浪裏」的な存在の絵だと思われます
この絵を、最初にパンフレットでみたとき純粋に
「きれいだなーかわいい女性を描いてるなー。紫が印象に残るなー。」
と思ったんです。
でも、なんでハンガリーで最も愛される作品なんだろうって疑問に思ってたんですよ。
女性を描いた絵っていくらでもありますからね。
実際に美術館にいったらなにか掴めるかなと、これこそアートトレだ!とワクワクしながら歩みをすすめました
そして、この作品の作者パールさんの作品が置かれた部屋へ
まず目に入ったのはパールさんの「ヒバリ」という作品。
春の草原に寝転ぶ女性が空に舞うヒバリを眺めています。空のいろ、草が風にそよぐ感じが、ほんとうに美しくて、自分も春になった気分
そして、次に『紫のドレスの婦人』を見ました。
近くでみてみると、色がすごくきれいに感じるんです。紫に目が行くかと思ったら意外と黄色がきれいなんだと気づいたり。緑が明るかったり。
女性はとてもかわいいんですけど、なんで上向いてるのかなとか疑問に思ったり。
春の草原で、女性がこんなに濃い紫色のドレスを着るって、なにか意志を持っているよなと思ったり。
立ち止まって隅々まで見たくなる絵です。
でも絵の説明書きを読んだらびっくり、
実は、この絵もさっき見た「ビバリ」も当時の絵画の批評家たちから酷評されていたらしいんです
「紫のドレスの夫人」は、色使いがよろしくないと言われたそうです。当時としては奇抜だったのかもしれません。
「ヒバリ」は、寝転んでいる女性は後ろを向いていますが、裸体だったからのようです。
パールさんは相当な意志を込めて、これらの作品を描いたんだなと思いました。
それが紫に表れている気がします。
貫きたいものを表現して、主張したんだなと感じました
そして、専門家からの評価とは反対に、民衆からは愛され、評価される作品になっているところがやはりおもしろいなと
今までにないものは瞬間的に批判の対象になることがあると思いますが、
自分の主張したいことを、まっすぐに表現したときに
理屈抜きで、人が「これ良いな」と感じる領域に届くんだろうと。
人の心が動くってこれだなと改めて思いました
これって、スポーツにも繋がりますね
守・破・離ですよね
後世に名を残すアーティストたちは学校や師についたり、独学で修行を重ねた上で、この領域にたどりついています。パールも美術大学院で学んだ後、これらの作品を描いています。
その「守」があった上で、本当の価値は「離」にいったときに、表れるのかなと思いました。
つまりそこからが本当の勝負
「守」と「破」でも大変な努力が必要ですが、一流の世界は「離」に行って初めて土俵に上がるってことになるんだと思います。
そんなこんなで、「自分、足りてねーぞ」と作品に言われたような、喝を入れられた展覧会でした
そしてもっと大切な課題。「離」で勝負していける選手をどう育成していくのかということ
また燃えてきました
いま行って良かった!ブダペスト展!ありがとうハンガリー!