長らく放置中のブログなのに、まだ記事を上げると読んでくださる方がいることに驚きました。
ありがとうございます。
勢いに乗らないとまた放置しそうなので、書き切ります。
負傷兵みやみさんと会い、歩く予定を先に持ち越して走り続ける私。
すごいなあ、あの人。
どんだけ走るの好きなんだよ。
スタート地点から20km走った後のようだった脚は、不幸中の幸いというべきか20kmスタートで加算されていくわけではなく、ハーフを過ぎてからは純粋な疲労に変わりました。
まあ、練習でも21km以上走ってない脚なので、どちらであろうとこの先も楽じゃないことは間違いありません。(自業自得)
ところで金沢マラソンは5年ぶり2回目の私ですが、1回目はmaruちゃんとrunデブーで浮かれていたせいか、まったくコースの記憶がありません。
覚えていることといえば、スタート直後に鼓門が見れたことと、沿道の応援がとても温かくて大好きな愛媛に似てると思ったこと、30km過ぎてコケたこと、その先の金沢カレー。
あとは断片的な記憶がわずかに残っているのみ。
なので、アップダウンが多いことを初めて(のように)知りました。
基本、平坦より多少のアップダウンがある方が好きなので、この日の脚の重さのせいかもしれませんが、一つ一つはたいした勾配じゃなくても(主に精神に)堪えます。
それに気付いたのも、アンダーパスの勾配にとりかかっていた時。
ガーミンが震えたので、1km走ったかと横目で確認すると…
…
……
………
止まってる…![]()
フルを走っている時にガーミンを止めることはないので、今日も自分で押した記憶はないんですけど、どっかで当たったんでしょうね…
直後のコース表示で確認すると、2.5kmほど止まってたっぽい。
これでスタートからどれくらいの時間が経過しているかすら判断できなくなった時計ですが、まあ…いいか…どうせペースの確認もとっくにやめてる。
ショックを受けたのは一瞬で、アッサリ諦めてリスタート。
この頃、降ったり止んだりだった雨はすっかり上がって太陽が出ていました。
曇り予報だったから日焼け止めも少なめにしか塗ってない、けどサングラスはしてて良かった。
あと5年前にかぶったオバケも被っといて良かった、おかげで頭頂部の日焼けが避けられる…
とかどうでもいいことを考えながら真っ青な空を見上げたりして気を紛らわす。
街中から田園、集落、バイパスの上(ここはコース変更したところらしい)など、変化に富んだコースは楽しかったです。
しかし今日は1km1kmが鬼のように長いな…。
練習だったらとっくにやめてる。(そう、最初の200mで)
こんな中、私を走らせてくれるみやみさんには感謝しないといけない。
てか私、なんだかんだ歩かずに走ってるの、なにげにすごいな。(普段自分を卑下して生きてる分、マラソン中はやたらと自画自賛する傾向)
どうにか32kmまで到達した私の目に入ったのは、立派なスタンド席を備えた施設。
あれ、ここがゴールの競技場?
まだ32kmなんだけど。
もしやここから周辺を10kmグルグルさせるつもりか…ドSにもほどがある。
たまらずボランティアの女の子に「ここゴール?」と尋ねたら「いえ、まだ32kmですー」と当然のような答え。
そうだよね、まだ10kmあるもんね…知ってた。
しかしこの建物、途中で通るには立派すぎる。
美人局みたいな罠だぜ…。(何それ)
そんな立派な建物、金沢市民野球場(後でコース図見た)を往復するスライドゾーンの途中、みやみさん発見!
まんまと罠に嵌ってゲンナリしてたところなので嬉しくて「みやみさーん!
」と声をかけたら
「ぜってー捕まえるからな!」
と、ビシィッと指さし呼称で捕獲予告。
「い、いやだあ……
」
ひぃ〜〜〜〜![]()
何あの人!
何あの人!!
何あの人!!!
マジ超人。
いえ、ここまでも何度か短いスライドゾーンがあって、そのたび気にして探してたんですよ。
でも毎回いなくて、やっぱり痛いのかなー遅れてるのかなー大丈夫かなーって、けっこう心配してたんですけどね、え、もしやペース上げてる?
…
……
………すごい…いや、ていうか怖いwww
逃げねば。
どうやら本当に私を追っかけてきてくれたみたいだし、ここは敬意をもって最後まで全力で逃げねば。
私にとっては本気の鬼ごっこです。
ギアを入れて…と言ってももうペースはたいして変わらないんですが、気持ちの問題。マラソン中、強い気持ちは最大の武器。
33kmだったか34kmだったかのお待ちかね金沢カレーエイドも、こんなん食ってたらとっ捕まるので、心を無にして通過!
…
……
………
カレーエイドぉぉぉぉおぉおぉぉぉ〜〜……
(無はどこへ)
クッ…!
カレーのカタキは勝ちでとる…ッ!!
とあこ、涙を拭いて。
走れ、進め、そのまま行くんだゴールまで!
(誰だよ)
などとカレーへの未練を相手にひとしきり闘ったりしながらごまかしごまかし進んできましたが、鍛錬が足らない脚はここまでくると容易には上がらず。
前回のように転ぶのは絶対避けたいので、常に「足上げて、つま先上げて」と呟いていたけど、靴先は何度も道路を擦るし、30km超えたあたりからずっと右足の中指と薬指が攣ってるし、35kmくらいからは両ふくらはぎが攣ってる。
これまであまりレース中に脚が攣ったことはなかったんですが、2月の愛媛で転んだ拍子に盛大に攣ったことでクセがついたんだろうか。
止まっても痛いし、走っても痛いなら走るしかない。
じゃないとみやみさんに追いつかれる。←必死
幸い走れないほど酷い攣り方ではない。
金沢駅西口から伸びる道路は、金沢入りした時も思ったけど、イチョウが全盛期で眩しいくらい黄金色に輝いていて、とてもきれいでした。(同時に銀杏のニオイも漂ってたけど)
景色や沿道に助けられながらも何度も何度も自分に負けそうになり、「もう歩いちゃおう、みやみさんを待って一緒にゴールしよう、そんなチャンスきっとこれから先もないし!」とか都合のいい言い訳を並べていた時、またも救世主再来。
4:30集団です。
14.5kmのビーバーエイドで4:15集団とはぐれてから、ここ37kmまで15分しか遅れてないことを意外に感じつつ、一縷の希望を持って連結。
しかもなんとペーサーの1人に、以前日本代表選手だったゲストペーサーの大南博美さんが。
こんな機会ないと、すかさずぴったり真後ろをマーク。
1人で走っているよりは楽になりましたが、現実的に脚が限界を迎えつつあるので、もうほんと1kmが長くて仕方ない。
しかもこの集団、ペーサー同士「6:20で間に合います」とか言葉では言いながら、地味にペースが上がっていく。
大南さんも、現役を離れたとてキロ6超なんてジョグ以下でしょうし、どんどんペースアップ。
残り1kmまでは大袈裟じゃなく死ぬ気で付きましたが、キロ6を切ったところで、とあこ力尽きる、そしてついに歩く。
ヨチヨチ歩いていると、沿道から「4時間半切れるよー!」とか「4.5ワンチャンいけるよ!」って声がすごく飛んできます。
そういえばだいぶ前だけど、誰かが3.5狙いで撃沈したレースで「サブ4いける」って声に「私が獲りたいのはそこじゃないんだよ💢」って書いてたレポあったな。あれ、こういう気持ちだったのかな…
って、違う。
私はタイム狙って走ったわけじゃない。
沿道の声に反発できる立場じゃない。
ありがとう、4.5上等。
「どんなコンディションでも4時間半超えることはそうないですね(ドヤァ)」って、いくつになっても言えてたらいいじゃないか。
泣いても笑っても1km切ってるんだ、走ろう。
競技場に入ると、その入り口に大南さんとペーサーの男性がいて最後の声をかけてくれます。
どこからか「あと30秒ー!」と聞こえ、やべ、とラストスパートをかけようとしたら両足ふくらはぎに緊張が走る。
あダメだ、力入れると致命的に攣る。
そんなわけで最後まで淡々ペースでしたが、グロスで4.5に間に合いました。
ゴールしてみれば低めながらそれなりに一定巡航だったらしい。
しかも前半と後半が10秒しか変わらない謎の安定感。
ゴール後、すぐに振り返ってみやみさんを探していたら、強面のスキンヘッド(というには髪が残ってるが)のおじさんに先へ進めと言いながら手で追い払われる。
はいはい、わかってますわかってます。
何分もいるつもりないからちょっと見逃して。
「先に進んでください!先に進んでください!」
了解、了解。
「ここは待ち合わせ場所ではありません!先に進んでください!」
もーわかったよ…(と後ろ向きで進む)
「先に進んでください!先に進んでください!」
気付けば完全にロックオンされており、付いて回ってくる。
「待ち合わせ場所ではありません!!」
…うるせえな、ハゲ!後ろ向きだけどちゃんと進んでんだろ!
無言の攻防を繰り広げているうちにゴールするみやみさんの姿が見えたので、メダルとタオルを貰った先で待ち構え。
すごいなーあの人、ほんとすごいわ。
と、もはや感動してちょっとうるっときてる私を見つけたみやみさんの第一声は
「カレー食べなかったでしょ!」でした。笑
しばらくはちゃんとおとなしくしてください。
そして更衣室に向かう動線の途中で、みやみさんが声をかけたのはアンコさん。
ブログでのやりとりはありながら、直接お会いしたのは多分一度しかないので、アンコさんは私が誰かわからなかったようですが、「とあこです」と名乗るとハグしてくれました。
実はゴールでアンコさんらしき人を見かけて、アンコさんに似てると思いつつ、ゼッケンの名前が違うから声かけなかったんです。
会えて嬉しかったです。
最初から最後まで長い42kmだったけど、私を走らせてくれたボランティアおよびスタッフの皆さん、金沢の沿道の皆さん、4:15と4:30の集団の皆さん、そしてみやみさん、ありがとう。
終わってしまえばとても楽しい、楽しい金沢マラソン2023でした。

