住民参加のまちづくり 総括討論 | 輝きをなくすことなく( `ー´)ノ おおむら文俊

輝きをなくすことなく( `ー´)ノ おおむら文俊

日々学び!日々努力!!日々奔走する「おおむら文俊」の心の叫び!!

まちづくりは住民参加か行政参加か


                 阿久比町議会議員 おおむら文俊


◆さまざまなまちづくり

「まちづくり」が平仮名で書かれるのは、「人を中心に考える地域づくり」を指すという暗黙のルールがあるそうです。その手法としては、職員が町民の中に入って行くことが大切だと考えている町や、議員13名のうち5名が女性議員で工業のまちから観光のへ転換を図っている町、合併協議会を離脱して自立に向けた将来ビジョンを発表した町など、全国には多様な事例があります。

ゴミを出さないように意識改革を促し、循環型社会の構築をめざす町民運動を実施している町、海洋深層水を冷房や米飯工場の冷却媒体として利用している町、地球温暖化防止を主要施策として二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいる町、資源物ステーションを常設しリサイクルや太陽光発電・風力発電などを進めている町など、環境面から住みやすさを追求している自治体もあります。

阿久比町など知多半島の市町では、まだこうした目標が明確な自治体は見当たりませんので、みんなで目標を作ること課題だと思っています。



◆住民参加か行政参加か

 こうした地域づくりは従来「総合計画」という形で立案されてきましたが、その作業は大半が行政自体の仕事で、住民は「選ばれた人が意見を言う」程度にとどまってきました。私が参加している勉強会では、「まちづくりは、よそもの、若もの、ばか

もの(変わりもの)が主役になるとうまくいく」と言われます。住民は参加するのではなく、自ら主役になっていく。それが本当の「まちづくり」ではないでしょうか。

行政の現状は、とかく「やれない理由や、やらない言い訳」をしがちです。難しいことは多いでしょうが、「どうしたらできるのか」「何からできるのか」を考え、できることから取り組むことが大切でしょう。まわり(住民)を変えるためには、まず自分(役職者・職員・議員)が変わらなくてはいけません。まず、職員が地域活動に参加することから始められないでしょうか。住民と一緒に汗を流す中で、本当の住民の声が届くようになると思います。

 住民一人ひとりが自覚することも大切です。近年半田市内では住民の手による活動が盛んになってきています。阿久比町でも蛍や菊作りなどが住民の手で行われていますが、こうした活動をもっと広げ、もっといろいろと始めるような施策が必要なのではないでしょうか。行政がお金を出すことも一つの方法ですが、それ以外の方法が色々と考えられます。予算がなければ住民の皆さんの知恵や手間を借りて工夫する。それがほんとの住民自治だし、地域を活き活きさせる守秘王でもあると考えています。つまり、協働型のまちづくりです。


◆動かなければ実現しない

 住民が行政を傍観している間は、行政ががんばっても地域は変わらないと思います。行政が住民を動かすのか、住民の要請に行政が動き出すのか、地域によって成功例はいろいろあるようですが、少なくとも双方が動き出さなければ地域は変わりません。それが先例の示す鉄則のように思います。

 まず始めるべきは、自分たちのまちが今どうなっているのか、何に満足して何に満足していないのかを検証します。それをベースに、3年・5年・10年先を見据えて計画化します。行政(役職者・職員)や議員はもちろんですが、住民も自らが考え行動に移して行くことが大切です。「良い住民は良い職員を育てる。良い職員は良い住民を育てる」という言葉があるそうですが、住民も職員も一緒に汗を流して取り組まねばだめだということなのでしょう。

そのためには、機関としての行政は、住民に広く情報を公開し、行政と住民が同じ資料で考え、同じ条件で協議し合える条件が欠かせません。だからこそ情報公開が強く求められます。



◆住民参加ではなく、行政参加への転換

「住民参加」ということはずいぶん前から言われ、行政もそれなりに努力してきたはずです。しかし今までは、とかく「行政に住民を参加させる」方法が検討されがちでした。そうではなく、もともと「自治体」なのですから、住民自身の活動を行政が支援していく。住民では対応しきれない部分を中心に行政が主体的に動く、という方針に転換するべきではないかと思います。

住民参加は、住民自体の課題であると同時に、行政機関で働く職員も一住民として考え、行動するところから始まるのではないでしょうか。そのためには、行政職員がもっと地域に入って住民の実態を把握したり、ナマの声を聞くことが求められているように思います。