こうして私は職を失った ~リストラ宣告~
いつも通り仕事をしていると
突然上司(取締役)から呼び出されました。
「業績が悪いため、人員削減をすることになりました。
残念ですがその対象にあなたが選ばれました。
この厳しい状況の中、
全員が一致団結しなければなりませんが、
あなたは私(取締役)と意見が異なりますので、
一緒に頑張っていくことは難しいと判断しました。
それがあなたの選ばれた理由です。」
確かにわたしは取締役である上司に
意見を言うことも多かったんです。
だけどそれにはちゃんとした理由があるんです。
わたしと同じ役職(マネージャー)に就いている
他のマネージャーたちはみんなYesマン。
いつでも取締役の言うことを聞くばかりだったんです。
だからこそ、あえてわたしは「会社の業績を伸ばしたい」
「もっと会社を大きくしたい」という思いから
苦言を呈していました。
もちろん取締役もそれを理解していた・・・はずでした。
これまで何年も会社のために尽くしてきたんです。
朝から終電まで働く日もザラ。
日々、目標数字に追われ精神的に病んだこともありました。
それでも頑張ってきたのに・・・。
自分が全否定されたような気持ちになりましたよ。
それでも、弱いところは見せたくないという思いから
気丈に振る舞いました。
それがせめてものプライドと意地。
そしてわたしがこれまでどんな思いで
苦言を呈してきたのかをもう一度伝えましたが
残念ながら思いは伝わりませんでした。
退職日についてはあと数日引継ぎで出社し、
その後は有給消化して退職という段取りにして欲しいと
上司から言われました。
でもわたしは受け入れられませんでした。
たとえ法的には解雇予告が1ヶ月前だとしても、
リストラされる理由を含め納得できません。
ここは毅然とした態度で臨まなければ
なめられると思いました。
だから今後の生活のこともあるので
せめてあと1ヶ月出勤してから
有給消化に入りたいと要望を出しました。
しかし上司は「検討するので明日回答します」
とだけ言って首を縦には振りませんでした。
あまりに悔しくてその日は何も手につきませんでしたが
それでも絶対に泣くまいと心に誓ったのです。