子育て中の視覚障碍者、きの子です。
ちょっと間があいてしまいました。
前の記事では、もし自分がいま小中学生だったら、こんなこともあんなこともできるかも!と妄想してみました。
30年前に比べると、今は誰もが情報にアクセスしやすくなりテクノロジーも発達して、明らかにいい環境で学習できそうですよね。
一方で、授業方針が改善されたりテクノロジーが発達したからこそのバリアもあるのかなと感じています。
例えば…、
30年前と現在では、中学校の試験の傾向がずいぶん違うということ、ご存じでしょうか?
昔の学校の試験って、どちらかというと暗記一辺倒、一問一答に近かったですよね。
それが、もっと子供に考えさせなければという方針に転換したようで。もちろんそれはいいことだとは思いますが。
とにかく試験問題に図や表、地図などが多いのです。特に社会や理科。
これ、すごく視覚障害児には不利だなあと思いました。
語句を覚えるだけなら目が見えても見えなくても大したハンデはありませんが、地図を見て表を読んで問題文を確認して、となるとだいぶしんどい。時間もかかりそうです。
この当たり、現代の弱視の子たちは無事に乗り越えているのかな。ちょっと心配になりました。
あと、授業内で栄造を活用することがすごく増えているようです。
参観日でたまたま見かけただけでも、家庭科の授業ではボタンつけの動画を流していましたし、英語の授業内のフォニックスやアクセントの練習でもネイティブの人が話す動画を流していました。
ボタンつけ動画は、見える子にはすごくいいですよね。一目瞭然で。でもその分見えない子との差が開いちゃうな、って感じてしまいました。
英語の動画は、ネイティブの発音が聞けるというのはいいことだと思うのですが、普通の小学生には難しい単語、astronaut(宇宙飛行士)とかが無造作にじゃんじゃん出てくるんですよね。
これ、画面に出ているイラストを見て理解しながら聞くのが前提だと思います。
見えてないとポカン状態で置いていかれそう。
ま、見えてる我が子も、ポカンだったみたいですが(笑)。
学習塾でも、黒板の代わりにタッチパネルの画面で、動画やイラストをふんだんに使って授業を進めるところもあります。
こういう画面って、黒板に白チョークに比べると、コントラストがすごく低いです。
ティック特区、インスタグラム、ショート動画など、世の中全体がより視覚中心の情報発信になってきているようですし。
今の見えない・見えにくい子供たちには、昔とはまた違う苦労があるかもしれないですね。