続きです。
外出以外のことについては基本的には夫にお願いし、それでもまかないきれない部分をホームヘルパーに頼もう、という方針でやっていた我々夫婦。
しかししばらくするとなんだか徐々に私の気持ちが削られて行きました。
そしてあるとき方針を転換しました。
できる限りのことをヘルパーさんにお願いし、まかない切れなかった部分だけを夫に頼もう、と。
この方針転換のおかげで夫の負担が軽くなったのはもちろん、私の気持ちもずいぶん楽になりました。
夫中心に頼みごとをしていた頃、夫は時折不機嫌になっていました。本人は自覚していなかったようですが。
家には専業主婦の妻がいるはずなのに、仕事で疲れ果てて帰ってきた自分がこんなことまでしないといけないのか。頼まれればそりゃやるけどさー。
という小さな不満が少しずつたまっていたのだと思います。
私の方はと言うと、夫が余裕のありそうな時、疲れてなさそうなタイミングを見計らって、気を使って低姿勢でお願いをし、大げさに感謝し、とやりながら。
夫が少しでも不機嫌な様子を見せれば、こんなことぐらいニコニコ引き受け手よ!と不満に感じるのと同時に委縮もし。夫に頼みごとをするのが億劫になったりしていました。
なんだかすごくしんどかったのです。
忙しい人に頼みごとをする気づかれのせいかとも思いましたが、それだけじゃない。
これはたぶん自尊心の問題でした。
夫に頭を下げて何かをお願いするたび、不満そうな顔をされるたび、自分の無力さ無能さをつきつけられているようで、ガリガリと自尊心がけずられていっていました。
本当なら専業主婦の私がやるべきことなのに、こんなこともできない。普通の人なら簡単にできることなのに、あんなこともできない…、と。
こういうことが積み重なると、対等であるはずの夫婦関係のバランスもおかしくなりますよね。
友人同士でも親子でも、大人同士の台頭な関係なら、やっぱり一方的に負担を担わせる関係はいずれお互いにしんどくなってくると思います。
そのために私はホームヘルパーの利用時間を増やしました。今考えても大正解だったと思います。
金銭的負担がまったく気にならないぐらい、気分よく生活できるようになりました。
他にも活用できる社会的リソースはたくさんあります。
ファミリーサポートだったり、保育園の一時預かりだったり、産褥ヘルパーだったり、朗読ボランティアだったり。正解は人それぞれでしょう。
外出の支援、買い物代行など、家の中に他人を入れなくても頼めることもあります。
家族のことは家族が、という考えの方も大井かもしれません。
でも人はみんな年をとるし、障害によっては症状が進行したり、体力がなくなったりして、状況は徐々に変化していきます。
ちょっと気づまりになってきたな、最近ちょっと負担かけすぎかなと思ったら、気軽に、色々なサービスを利用してみることをおすすめします。
景色が変わるかもしれませんよ。