私はかなり頻繁に引越しを繰り返す生活をしてきましたが、たまたま東京、大阪などの大都市中心部に近い場所に住まいすることが多く、長年当然のようにその便利さを享受してきました。

しかし数年前から生活を始めた場所は、都市部から一歩離れた郊外に位置しています。
郊外といっても、農村地帯、僻地というわけではないので、コンビにもスーパーもドラッグストアも病院も、一応徒歩圏内にあります。
が、公共交通機関があまり発達しておらず、大抵の家庭には二台以上の車があり、通勤に車を使う人も多い、そんな土地柄です。

ここに引っ越してきて最初に直面した都市部との違いは、ホームヘルパーさんがガイドヘルパーを兼任しているということ。
都市部ではガイドヘルパーはガイドヘルパーとしてのみ活動している人が多く、仕事を引退された年配の女性が、有償ボランティアとして活動されていることがほとんどでした。

事業所もガイドヘルパーのみを扱っているところがあったので、そういう事業所には多くのガイドヘルパーさんが所属していて、急な以来にも対応してもらいやすく、愛称のいいヘルパーさんに直接連絡をとり、繰り返しガイドをおねがいすることもできました。

一方人口の少ない郊外では、当然視覚障害者の人数も少なく、ガイドヘルパーの需要も低くなってしまいます。
そういった地域では、ガイド専門のヘルパーさんの仕事が成立しないので、畢竟ホームヘルパーさんが本業の合間にガイドの仕事も受ける、という形にならざるをえません。

きちんとシフトを組んで入れられている訪問介護の仕事の空き時間を使って、ガイドへるぱーの依頼を受けてもらうことになるので、できれば一ヶ月、遅くても二週間前ぐらいには連絡を入れるようにしています。

希望日まで一週間をきっていたりすると、ヘルパーさんの手配がつかないこともあります。

ただ、郊外にもいい面があって。
それはヘルパーさんたちの年齢が全般に若いこと。
今住んでいる街と東京を比べると、ヘルパーさんの平均年齢が20歳近く違うように思います。
都市部には若い人の働き口がたくさんあるせいでしょうか。

私はここに越して来てから、今まさに子育て中の同世代のヘルパーさんから、小学校や保育園、地域の活動などの役に立つ情報をたくさん教えてもらいました。
縁もゆかりもない土地で子育てする障害者にとっては、本当にありがたいことです。

ヘルパーとは話がずれますが、郊外に住んでいると視覚障害者団体が主催している各種イベントや講座に参加しにくい、あるいは実質参加不可能だったりしますね。

料理教室、点字講習会、福祉機器の展示会や講習会など、都市部に住んでいたときには気軽にいつでも参加できたのに、今は会場までの往復に時間がかかりすぎてとても通いきれません。

障碍者の生活支援に関してどうしても地域間の格差が生まれてしまうことを考えると、我々にとって住む場所は大きな選択ですね。
老後はやっぱり都市部に住みたいなあ、私は。