ルノワールはその前々年1879年、それまで仲間うちでも最も意欲的に

印象派展に出品をつづけていた彼が、この年からそこを離れてサロンに出品する。

このことはルノワールの内部に印象派展に対する何らかの疑問がきざしていたのであろう。

 

彼は決して印象派を否定はしなかったし、印象派に属していたことを悔いてもいない。

それどころか、晩年に至っても印象派の中に身を置きそれに共鳴した。

1881年のイタリア旅行が、その後の彼の独自の芸術形成のための大きな基礎となった。

 

彼はイタリア各地で、古典芸術のもつ形体の堅固さ、人物構成の意味をじかに学び

とったのである。

 

ムーラン・ド・ラ・ギャレット 1876 ルーブル美術館蔵

ブラウン社プリント(米) イメージサイズ64.2×48cm

アザン社プリント(仏) イメージサイズ26.8×20cm

 

舟遊びの人々の昼食 1881 ワシントン、フィリップス・コレクション

ブルースマクゴー社プリント(米) イメージサイズ75×52.5cm

アザン社プリント(仏) イメージサイズ26.8×20cm

 

読書 1916-1970 ルーブル美術館蔵

プリント(仏) イメージサイズ70×50cm

 

エスタック 1882 ボストン美術館蔵

ショアウッド社プリント(米) イメージサイズ60×49cm

 

野原の下り道 1875 ルーブル美術館蔵

アザン社プリント(仏) イメージサイズ64×52cm

 

モネと画架を並べてほぼ同じモチーフを描いたルノワールの作品。

坂を下る二組の親子がなんとも微笑ましい情景となっている。

 

西洋梨と葡萄 1880

アザン社プリント(仏) イメージサイズ50×40cm

 

シャトーのオールを漕ぐ人 1875 ワシントン美術館蔵

アザン社プリント(仏) イメージサイズ61.8×50・3cm

 

アルジャントュイユのヨット 1873-1874 ポートランド美術館蔵(米)

プリント(米) イメージサイズ60.8×4

アザン社プリント(仏) イメージサイズ26×21cm

 

読書する女 1875-1876 ルーブル美術館蔵

アザン社プリント(仏) イメージサイズ21.5×27cm

 

二人の水浴者 1896 

アザン社プリント イメージサイズ25×20cm

 

立ち姿の裸像

アザン社プリント(仏) イメージサイズ20×26.5cm

 

カーニュの風景

アザン社プリント イメージサイズ26.5×19.8cm

 

花咲くマロニエの木 1881 ベルリン・スタットリッヒ美術館蔵

アザン社プリント イメージサイズ25.3×20cm

 

サンジャン岬 1914

アザン社プリント イメージサイズ26.3×22cm

 

ルノワールは晩年リューマチのため手が利かなくなり、絵筆を手に縛り付けてもらって描いた。

制作の情熱は衰えをみせず、ますます輝きをみせた。

マチス、ピカソにしても晩年の輝きはお見事と言わざるを得ない。

人生百年の時代、軽々に引退ではなく、輝ける晩年でありたいと、私達も志したいものだ。 

 

参考図書 ジャン・ルノワール「わが父 ルノワール」 著者は映画監督として大ものだった。

         作品に「フレンチ・カンカン」1954年、「恋多き女」1955年、「草上の昼食」

         1956年など。年配の方々、特に映画ファンならよくご存知でしょうが。

参考資料 「ルノワール展」毎日新聞社1967年、「モネ・ルノアール・ボナール展」主催・産経新聞社1979年、「ルーブルを中心とするフランス美術展」主催・朝日新聞社、国立西洋美術館、東京国立博物館 1961年。