私はもともと「おうち大好き人間」なの

人の家に遊びに行っても、だいたい間取りまで覚えちゃうんだけど

興味がそがれるのが、すごく立派な家だけれど

お金がかかっているだけで、趣味が何もない家ね

ほんとに悲しくなってしまう。

きっと趣味がないから大金持ちになるんだ。

趣味がある人ってお金がたまる前につかってしまうから

なんて思わずかんがえてしまったり……

 

そういう家に住む人って洋服のセンスもショーウインドーの見本

をそっくりそのまま着ているって感じでしょう。

自分のおしゃれが上手にできるってことは、自分のことを正確に

知っていて,その上で個性を確立していくことだと思うの。

だから、おしゃれが上手な人って家もたいてい、いかにもその人

らしい個性的な家を作れるものね。

 

結局その人が生活すること

生きるってことを本当に愛しているかどうかだと思うの。

人生を心から楽しんでいれば

日頃目にするものに積極的な関心をもつでしょう。

そおすると自ずと好き嫌いがはっきりしてきて

高いお金を出して買わなくても

自分の気に入ったものを自信をもって使える。

 

そうやって、スタイルが確立されていくんだから

好き嫌いっていうのはとても大切ね。

だから、ちょっとでも気に入らないものは絶対に家の中へ入れない、

という毅然とした態度が必要ね。

日本では、人から物を頂くことが何かと多いけど

そんなときでも自分の方針を貫くこと。

それが自分が安らげるスペースを

作るための第一条件だと思います。

 

犬養智子(1931-2016年) 評論家

夫は犬養康彦1895生まれ、父は犬養健 法務大臣

犬養道子は犬養健の長女

犬養毅 首相は祖父に当たり、1932年死去(五一五事件)