年末のはなし、娘が熱性けいれんで入院をして、看病し病院を出たのが夜10時だった…お腹も空いたので入りやすそうな居酒屋に入った。テーブル席にはサラリーマンの方が宴を開かれていた。一人だったのでカウンターを案内され、お店の美味しそうなお番菜を見てどれにしようか思案してると、わたしの横におじさんひとりご来店。せっかくはぐれ刑事純情派気分だったのに…何て思っていると。

おじさん「うわー有名人や!有名人の方や!こんなところでお会いできるなんて、びっくりやわ!」


店主、バイト、お客ざわめく。


私「…(か細い声で)違います」


おじ「いやテレビで見たことあるもん!有名人の人や!絶対そうや!!!名前知らんけど!」


一同(ズコッ!)


私「名前知らん有名人っていますか???(店の人たちの手前恥ずかしいので)僕!井之上チャル言います…たまにそんなメディアの仕事してます」



おじ「井之上チャル!…いのうえチャル…いやそんな名前じゃなかった!



私「いやいやいや!本人がいうてんのに!」



店の人たち、お客様が何気なく私の顔を見て首を傾げる事態になり、とんだ有名人になった。




はぐれ刑事ならぬ、はぐれ有名人になったそんな夜だった。もちろん深く酔ったことはいうまでもない。