父と彼の初対面４

彼「さなさんからお伝えいただいているかと思いますが、
さなさんと結婚させていただきたいと思って、
今日はお願いに来ました」


父「ええ聞いてますよ。

どうぞ差し上げますって言うと物みたいだけど、
さなは私に似て筋が通った子でね、
手がかからないと思いますしね。

さなから聞いていると思いますけど、
私はこの子の母親と別れてしまったのでね、
娘の結婚については正直心配だったんですよ。
だから本当に良かったなぁと思ってね。」

彼は頷きながら聞いていました。

「まあ、よろしくお願いします。
この子は美人だしラッキーだと思うよ」

最後は照れたのか冗談を言って笑いました。

父が私のことを人前で褒めるのは初めてでした。
というか、私のことをどう見ているのか聞いたこともありませんでした。

私が避けてあまり会話をしてこなかったけれど、
父は温かく見守っていてくれたのだと思うと、
涙が出そうでした。


彼と私は「ありがとうございます」と言って頭を下げました。


その後はリラックスした空気になりました。

父はしゃぶしゃぶを食べに行こうと言い、
娘の私が聞いたことのない、若い頃の話を楽しそうに話していました。

男の子がいなかったので嬉しかったのもあると思います。
とても上機嫌でした。