本日も一日一歩

本日も一日一歩

仕事の合間に、街歩きや読書をしています。見たこと、感じたこと、考えたことを少しづつでも綴っていきたいと思います。

 巻機山(まきはたやま)は、新潟県と群馬県の県境に位置する山です。

 標高の1,967mの巻機本峰、前巻機(ニセ巻機)、割引岳(われめきだけ)、牛ヶ岳といった4つの峰で構成される総称が巻機山です。

 

 

 前日、浅草岳を下りた後、長岡市内のネットカフェで夜を過ごし、2024年6月22日(土)早朝、巻機山登山口の桜沢第2駐車場(有料500円)に着きました。

 5時21分、出発しました。

 

 

 雪渓を抱える鋭く切り立った天狗岩と、その後ろに割引岳が見えます。

 

 

 巻機山の登山コースのうち、米子沢とヌクビ沢コース・割引沢コースは遭難事故が多発しており、警告の看板があります。

 安全な井戸尾根コースで登りました。

 

 

誰の作品なのか何も書いてありませんが、星野富弘さんの詩画ではないか、と勝手に思っています。

違っていたらごめんなさい。

 越後巻機山

 その穏やかな山頂へ

 あなたのやさしい心と足で

 ゆっくりゆっくりと

 登ってみてください。

 

 

 登山案内図もあります。

 

 

 雪渓の残るヌクビ沢と、天狗岩から割引岳の尾根筋。

 なかなかの迫力です。

 

 

 7時5分、7合目を通過しました。

 樹林帯を抜け、展望が広がります。

 

 

 谷川岳方面。

 

 

 アカモノ(赤物)

 

 

 8合目からは、階段の急登になります。

 

 

 山頂のように見えるのは、前巻機のピークです。

 

 

 タテヤマリンドウ(立山竜胆)

 

 

 9合目の前巻機(ニセ巻機山)のピークに着きました。

 

 

 白い残雪をまとった巻機山(本峰)の優美な姿が正面に見えます。

 

 

 一旦下って、本峰を目指しました。

 

 

 稜線の風に揺れるワタスゲ(綿菅)。

 

 

 ミツガシワ(三柏)

 

 

 巻機山避難小屋がありました。

 裏にトイレがあります。

 

 

 だいぶ大きくなったミズバショウ。

 

 

 8時20分、休憩用ベンチのある「御機屋(おはたや)」に着きました。

 ここには機織りの女神が住んで、機を織っていた、という伝説があるそうです。

 

 

 「御機屋」には、「巻機山頂」の山頂標識があります。

 ここが女神の住む信仰上の山頂なのだからでしょう。

 

 

 牛ヶ岳に向けて、なだらかな山上の湿田を歩きました。

 標高が高いので、尾瀬よりも爽快な気分です。

 

 

 本当の巻機山(1,967m)山頂です。

 

 

 石を積んだケルンに質素な標識です。

 

 

 谷川連峰方面の展望

 

 

 ナエバキスミレ (苗場黄菫)

 

 

 ニッコウキスゲ、正式名はゼンテイカ(禅庭花)。

 

 

 8時51分、牛ヶ岳山頂に着きました。

 

 

 この後、戻ってから進む巻機山から割引山への稜線。

 

 

 北側に、八海山(左)、越後駒ヶ岳(中央奥)、中ノ岳(右)の越後三山が見えました。

 

 

牛ヶ岳山頂に、慰霊碑がありました。

裏巻機の沢登りで遭難死した学生を悼む碑のようです。

 山に憧れ 自然を

 愛した ひとりの若者

 杉岡 悟君は ここ

 巻機山 下ノ滝沢の

 清浄な滝に眠る

  昭和六十年六月三十日

  没一周忌

  東京農工大学探検部

 

 

 東側の展望は、利根川源流部の峰々。

 巻機山から下津川山(しもつごうやま)、写真の切れた左にある大水上山(おおみなかみやま)、そして奥に見える平ヶ岳へと続く長い稜線は、群馬・新潟の県境です。

 尾瀬ヶ原の半分と至仏山は全部、群馬県域ですから、群馬県は広いです

 

 

 御機屋まで戻り、前方に見える端正な三角形、割引岳(われめきだけ)を目指しました。

 

 

 斜面には、ハクサンコザクラ(白山小桜)が咲いていました。

 

 

 雪に閉じ込められた長い冬が終わり、精一杯花を広げています。

 

 

 形が不揃いでちょっといびつな花弁が、個性的です。

 花弁は5枚ですが、ハート型に深く切れ込んでいるので、10弁花のように見えます

 

 

 まだまだハクサンコザクラロードが続きます。

 

 

 少し、紫がかった色合いのものです。

 

 

 ハクサンコザクラの花言葉は、物思い。

 

 

 残雪を2度渡りました。

 

 

 ピラミダルな山容の割引岳。

 

 

 9時52分、静かな割引岳山頂に着きました。

 ここで昼食休憩としました。

 

 

 北側には、越後三山が見えます。

 

 

 今、歩いてきた道を振り返りました。

 

 

 谷川連峰方面。

 

 

 眼下には、南魚沼市の田園地帯が広がっています。

 

 

 残雪の先端、登山道に下るほんの数メートルの急斜面で尻もちをついてしまいました。

 雪上では、念のためにチェーンスパイクを履いて、ストックも出したのですが、草付きの部分をおそるおそる歩いたため、後傾になってスリップしたものと思います。

 歩く場所も姿勢も反省点です。

 

 

 この日のハクサンコザクラも見納めです。

 

 

 御機屋から登ってきた道をピストンで戻りました。

 

 

 ワタスゲの群落、残雪の白、山肌の緑・茶色の美しいコントラストが、この一週間のあれこれで澱んだ心を浄化してくれました。

 

 

 振り返ってみた巻機山。

 この優美な山容だからこそ、女神の機織り伝説が生まれたのでしょう。

 崇高さを感じる尊い美しさです。

 

 

 13時27分、桜沢第2駐車場に下山しました。

 

 

 麓の清水集落から見た巻機山。

 割引岳の鋭鋒は見えますが、優美な御機屋・本峰の姿は隠れて見えません。

 

 

合計時間 8 時間 4 分  休憩時間 1 時間 23 分
距離 14.1 km  のぼり / くだり  1626 / 1621 m