普段父は朝9時半に店に行き、24時過ぎに帰宅する
店に休日は無い
父に用事がある時だけ休む
その日、父は早朝からゴルフに行っていた
いつもならゴルフに行こうが何だろうが帰宅し着替えたら明日の仕込みのために店に行く
ところがその日はどういう気まぐれか
家族で外食に行こうと言い出した…らしい
だけど待てど暮らせど私は帰って来ない
継母は私の居所を知っている
でも父には違うことを言った
「あの子は私が叱ったら窓から裸足で出て行った」
父は私の捜索願いを警察に出し、車で私の行きそうな所を探し回る
そんな事とは露知らず、私はいつもの様に最終バスを自宅前で降りた
時刻は22時を回った頃だったと思う
お風呂に入ろうと脱衣所に居た私は
一旦帰宅した父から張ったかれた
ついでにグーパンも喰らった
私は意味が分からず、ただただ痛みに耐える
その後はご自慢の掃除機の柄で打ちのめされる
近所迷惑だから声は出さない
背中を叩かれながら
ゴルフクラブじゃなくて良かったと思った
その翌日、プールは辞めさせられた
折角バタフライまで行けたのに
あと少しでクラスメイトと同じ選手コースに入れたかもしれないのに
でも悔しがったら継母の思うツボ
悲しんだら負けだ
継母は私を高みに上げてどん底に突き落とす
そんな事を幾度となくされれば
私の心の針は振り切れて止められずやがて壊れる
泣いたら負けなんだ
平気なフリをしてまた新たな場所を探せばいいだけ
だけど、プールがあまりにも居心地が良すぎたから、そんな気力は失せていた
張ったかれた頬が
グーパン喰らった腹が
気の済むまで叩かれた背中が
ものすごく痛かったけど
あの場所で出会った人達にはもう会えない、あの場所で過ごした時間にはもう戻れないんだと思ったら、そんな痛みはどーでも良く思えた
あっという間の1年半だった
これから夏休みなのにどうしよう
きっと継母は家には居させてくれない
プールに行く前はどうしてたんだっけ?
朝起きたら自分で朝ごはん作ってお腹いっぱいにして、洗濯して、それから…
思い出せない
取り敢えず、涼しくて清潔なトイレと水飲み場のある図書館に行ってみることにした