母乳神話という言葉をよく耳にします。
特に否定的な意味で。 


私はこの言葉が嫌いです。




母乳神話とは
はっきりとした定義はないのですが



赤ちゃんは母乳で育てるのが一番良い
ということをさすのでしょうか。




かくいう私自身は 


完全ミルク育ちですが
おかげさまで
元気に健康に育っていますデレデレ




はじめに私の考えを
述べさせてもらうと


ママになる人がつらくなく


楽しく育児をできれば
本当にどちらでもよい
と思っています。





でも、医学的にどうとかの
問題とは別に
  



動物的に、直感的に
人間という種族の赤ちゃんは 




人間の乳を飲むのが

ナチュラルなのではないか


という思いが

私にはあります。




だからこそ
助産師である私は


母乳育児がスムーズにいくよう
サポートしたいなぁ
と思っているのですが。






なかには

母乳がなかなか出ない方もいるし
なかなか吸わせづらい乳首の方や

赤ちゃんが
うまく吸えないこともあります。 




母乳神話に
追いつめられていってしまうママたちは


本能的に
母乳で育てるのがいいと気づいていて

だからこそ
それが上手くいかないことから 



自分自身を
追いつめていってしまうのかなぁ
と思います。




特に自分のことでなく
可愛い我が子のことだからこそ
うさぎのぬいぐるみ




たとえば

毎日快便な人と
便秘気味の人がいても

便秘なあなたは
人間として失格とはならないし



出ないなら
出ないなりの対処をするまでです。



それと同じことだと思います。




快便の人が
優れているわけでもありません。





背が低い人と
高い人がいて

どちらが優れている
とかがないのと同じです。




背が低くて 

物がとりにくい
ということがあるかもしれないけれど



それなら
脚立を使ってとればいいまでです。





だから、母乳育児が
スムーズにいかなくても

自分を責めないでほしいし

そういう時はミルクをあげたらいい。





とはいえ
たくさんのママたちをみていると

やはり母乳育児が
スムーズにいかないと



追いつめられることが
多いような気がします。






赤ちゃんが泣いて
おっぱいを吸ってくれないと


否定されたような気持ちになり




自分が母親失格のような
気持ちに
なりやすいようです。




さらに
母乳しかあげていなくて
まだ分泌が軌道に乗らないと




赤ちゃんは
なかなか寝てくれませんから


疲労は
たまっていくばかりです。



精神的にも
体力的にも
精一杯の状況で

母乳で育てるのがいいよ
って言われたら

うるさ〜い!
ってなったり


落ち込んで
はいあがれなくなるのは
当然です。



だからこそ
"母乳神話"って言葉に
なるのかなと思います。





助産師たちの中でも
母乳育児に関する見解は
本当にさまざまです。


専門職としては
母乳の利点を
学んできているので
その良さをお伝えしたいところですが




言いすぎると
ママたちを追いつめるので

あまり言うなという空気が
助産師たちの間にもあります。 





でもでも、言わなかったらさ
そりゃミルクに流れていくよ。





だって

目でみて飲んだ量もわかって
慣れない育児をする場合には
安心だし



長い間寝てくれるし。




でも、本当に
動物として
それでいいのかな?





身体のメカニズムって
私たちの想像を
超えていると

私は思っています。





私が確実に知っている
産後にママが母乳をあげる利点は


赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激で
脳から指令がでて
母乳を出すホルモンがでます。

これはオキシトシン
というホルモンで

子宮を収縮させる作用もあります。 




つまり 


赤ちゃんがおっぱいを飲むことで
子宮が収縮して


剥がれた胎盤のところから
出てくる出血を止めるのです。



身体ってすごくないですか!?



もうひとつ


赤ちゃんは
ママの産道を通ってくるときに

まだ柔らかい頭蓋骨を
重なり合わせて出てきます。




そして狭い産道を通るということは
先進する頭に

かなりのストレスが
かかっています。



ですから
生まれたての赤ちゃんは

頭の形がいびつなことがあります。




頭が歪んでいる
ということは

脳に不必要なテンションが
かかっている状態です。



たいていは
自然に丸い形に戻っていきますが


おっぱいを吸って
あごを動かすことで



その戻りはよりスムーズになります。





他にも
根拠のある利点があると思いますが

きっと
私の知り得ないところでも


絶対に
身体はうまいことやってくれている
と思います。



生物として、動物として考えたら
母乳で育てた方がいいに
決まっていると

私は思います。




でも、それを素直にいうと


ママたちが追いつめられることになる
っていうのも
すごくわかるから


言うことを躊躇してしまう自分もいて
その事実に悲しくなります。


問題なのは
母乳育児がよいということを
言うことではなく


ワンオペ育児という言葉に
代表されるような

ママたちが育児を

ひとりきりで
しなければいけないような

不安の中
サポートがないような

環境なんじゃないかなぁ
と思います。



そんな状況を
どうにかできたらいいなと 

良いものをいいと



気を使わなくても
言えるような環境に
なったらいいなと

試行錯誤しながら日々は続きます。