facedownanotherstory…32 | ちゃけ*のブログ 春風駘蕩な青さん

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初めまして!!魔王落ち、成瀬さんだい好きから始まった智くんライフ!!智くんゴトや自分ゴト&お絵描きなどをのんびり書いていきたいなと思います!!殆ど独り言のようなものですが、宜しくお願いしますね(*^-^*)

6月です………
雨好きなんです………成瀬さんの季節です………
百合の季節になりましたね
さて…………成瀬さんの運命は…




facedown anotherstory…………



辺りは暗闇と静けさが支配していた…工場の中だけ灯りが付いて、2人を照らしだしている………

成瀬はジッと熊田を見つめていた…

相変わらず熊田は手に拳銃を持ち自分の頬にペタペタつけながら楽しげに話し掛ける

『先生さ~覚えてる?初めて会ったとき…
父上はお気の毒でした…って、涼しげな顔して言ってさ…自分で何もかも仕組んどいて……凄いよね………あんたの頭の中は復讐しかなかったんだろ?』

『……………』

『親父は殺されたんだぜ?なのに何?刺したあいつが正当防衛で無罪って!
お陰で親父が犯人扱いだ!
先に手を出したのは親父ってことになってるけどさ
もとはといえばあんただろ!』

『…………』

『気にいらねーなその目……あん時とおんなじ目しやがって…ムカつくんだよ!』






『…………』

『何?言いたいことあんだろ?言って見ろよ!』


今まで黙っていた成瀬が口を開いた


『あなたは何もかも僕のせいだと言ってるが、言い掛かりもいいとこです』

熊田の顔が一瞬にして怒りに満ちた


『何だと…………』

『事件をおこしたのはあなたの父親だ。僕は自分の仕事をしたまで。熊田弁護士は恨みを買うような事をしていたから、あのような事件が起きたんです』

『おまえがあいつの弁護なんかするからだろ!俺は何もかも失ったんだ!解るか!どいつもこいつも手のひら返すように態度変えやがって……お前さえ……お前さえ余計なことしなければ…お前さえ居なければ…』

『だから僕つきまとって、このチャンスを待っていた……』

『ああ…ずーっと見てたよ!でもあの榎本がまさか邪魔するとはな…ま、今頃はもう山野が上手くやってるだろ……』

『なぜあの病院に…』

ふふふっと得意気に笑う…

『あんたが山野の兄貴に刺されたあの場所に、もう一人あんたに似た奴居たろ?知ってる?あいつに聴いたらさ、あんた歩いて行ったって言ったんだ。
警察は車であんたは移動したと言ってだけどね……
すげーよな!警察も法曹界も事実を言わなかったけどね………
あんたが生きてあの病院に運ばれた時はチャンスだと思ったよ』

『…なる程上手く潜り込んで僕に近づいたわけだ……』

『まあね……まさか記憶無くしてるとは思わなかったけど、こちらとしては好都合だったよ………なんせ僕を信じてくれたし…嬉しかったよ!信じさせて突き落とせば君はどんどん傷付く…』

『……悪趣味だな…………』

『井ノ原先生なんか凄く君の事を可愛がって、その分君に裏切られた気持ちが大きかったんだろうね~可哀想に……
スッゴい落ち込んでたよ~』

『………井ノ原先生を何故巻き込んだ』


『あんたが一番気を許してただろ?先生もあんたの事気にかけてたからね…
それにあの人の弟があの事件の刑事だったなんて知ったらさ~もう復讐させるしかないでしょ?あの時のあんたみたいに………
うまくあおれば俺じゃなくても先生や、山野があんたに復讐してくれるかなとおもったんだけど…フフ………以外と簡単だね~
人の気持ちって操るのは簡単だったよ』


『先生と榎本さんはどうした…』

『うーん……凄い悩んだよ!どうやって榎本を陥れるか…相当邪魔してくれたからね…お仕置きが必要だろ?
あの病院には隠し財産とも言える訳あり資産があるからね…榎本が狙ったと考えても可笑しくないだろ?』

『……どう言うことです』

『あいつの裏の事なんて調べはついてるんだ…こっちには警察内部に親父のお得意様がいるんでね…
例えば…そう…井ノ原は榎本と鉢合わせて
榎本はとっさに井ノ原を刺してしまう……
当然榎本は傷害と窃盗かな…?間違いなく刑務所だよね』

『そう上手くいきますか?』

『心配しなくて大丈夫!もう今頃は…フフ………井ノ原も騙されてるとも知らずにね………』

『………………』







井ノ原達は大隅の車でスクラップ工場のすぐそばまで来ていた

近くに来ると車のライトを消し、エンジンを止めた…

『大隅さん、ありがとうございました!榎本さんここで待っててください!すぐ戻ります!』

そう言ってドアを開けようとすると、大隅は焦ることも無く井ノ原に声をかけた



『先生…少し待っててもらえませんか』

『え!?そんなことしてる間にも成瀬が!』

すると大隅はどこかへ電話をかけ始めた

『………大隅です。今つきました。引き取りに来てもらえますか……』

そう言って電話を切ると、闇の中から車が一台来て隣に止まった
すると中から一人の男が降りてくると、大隅の車の窓をコンコンと叩いた

大隅は窓を開ける……

『相変わらず忙しそうだな大隅…まさかあんたと手を組む事になろうとはね……』

『それはこちらも同じですよ…あの方の頼みでしたからね……断れないのはあなたも同じでしょ?』

『フフ……まあね……それより山野は?』

『後ろの車です…』

『解った。後は任せておけ……ん?ああ…この人が医者さんか…そして………
そっちの人は怪我してるのか?』

『はい!あの、どなたか知りませんが、早く成瀬を……あ、いや……その……』


『まあまあ……慌てるな、あの白い車あんたのだろ?その人中にのせときな…あんたも出てくるんじゃないぞ!特にそこの………怪我してる方はね………』

榎本は下を向いて黙っていた……

『さて………そろそろだな…』

男はそう言うと袖口から出た何かに話しかけた


『大隅到着…実行してくれ…』

大隅や謎の男も何かピリッとした雰囲気になった……静けさが漂う……





成瀬はフッと笑うと一歩前へ歩き出した


『オイ!!何が可笑しい!!止まれ!!』

思わず拳銃を成瀬に向ける熊田

『あなたの計画通りにいきますか?それに僕はあなたに恨まれる言われはありません…』

熊田の顔が見る見る怒りに満ちてくる

『うるさい!!黙れ!』

そう言うと成瀬の足元に向かって拳銃を撃った

辺りに一発の銃声が響く



大隅は手下の男に合図すると携帯を出し電話をする

『もしもし…今近くの建物から銃声がしました…ええ……争う声もしてます!すぐ来てください…場所は○○○…』


井ノ原は一体何が行われているのか見当もつかなかったが、銃声に成瀬の安否が気掛かりでならなかった


すると隣に止まっていた車からけたたましく無線の声が聞こえだした

「○○○にて銃声の通報、捜査員は直ちに○○○へ向かえ…」

男はドアを開け無線機に応答し出した…

『こちら××今○○○の近くを通行中…直ちに現場へ向かいます…』

「了解!拳銃を所持している模様…十分注意願います…」

『了解!』

プツンと無線を切るとニヤリとしながら大隅に声を掛ける


『もう着いてるけどな…フッ……
さて、大隅後ろの男預かるわ…』


『では、後はよろしく…井ノ原先生、私は此処までです…』


そう言って井ノ原達と山野をおろすと二台の車は闇に消えて行った


『さて、先生…あなたは速やかにこの場から去るか、私が指示するまでその人とあなたの車の中でおとなしくしていて下さい…』

『あの!あなたはもしかして刑事ですか?』

『………まあね…』

そう言うと山野を連れて建物に向かって歩いて行った…

井ノ原は右手を怪我した榎本を気遣いながら車に向かった

『榎本さん!大丈夫ですか?もう少しだけ我慢してて下さい!僕の車に入って!』

しかし榎本は額に汗を滲ませながらも首を横に振る

『先生…僕も行きます…』

『しかし……!?』

『大丈夫!早く助けないと……』

そう言うと井ノ原の腕をぎゅっと掴んだ

『…解った……行こう!』


そう言うと、刑事とは別の方向へ向かった
工場のそばまで行くと成瀬と熊田が相対しているのが見えた


『良かった!無事だ!…』

そう言うと榎本をそっと大きなスクラップの影に座らせた

そして井ノ原はもう少し声が聞こえる所まで隠れながら近づいて行った


……それにしても一体何故大隅さんや刑事まで………
しかもあの刑事…大隅さんとも繋がってると言うことは明らかに闇の世界にも……

何故此処にいたんだ……何故……

考えれば考えるほど余計に混乱してくる……


『黙れ!!』

突然聞こえた怒りに満ちた熊田の声ではっと我に返った

熊田はかなり興奮状態になっていた…

一体あの刑事は何してるんだ!
何故早く助けてくれないのか?


『お前誰に向かって言ってる…!』

『あなたがどんな人生を送ろうと僕には関係無い…あなたの勝手な妄想につき合わされるのはごめんです……』


『……何だと……………』


ゆっくりと銃口が成瀬に向けられた




『……謝れ………土下座して謝れ……』


『………断る』


……え?おい………成瀬止めろ…
何でそんな言い方……?


『死にたいのか?……そうだな…でもその前に謝れ!平伏せ!』

『断ると言ってる。あなたはどうせすぐ捕まる…僕を撃っても僕がこの世には存在しない成瀬領だから、闇に葬れる…そう思ってるんでしょう?でも……それは有り得ない』

『何だと!黙れ!お前は俺が消してやる!』

すると成瀬は一歩一歩熊田に向かって近づいて行く


…!!おい!成瀬止めろ!あの刑事止めろよ!………


『おい!止まれ……撃つぞ…』

『撃てばいい……どうしました?今しかありませんよ……それとも撃てませんか?』

『なに……………お前許さねえ……』

すると成瀬はまるで指示する仕草をする

『此処です……さあ……』

そう言って左胸に手を当てる…
その目は真っ直ぐ熊田を見据えていた


………やめろ!………成瀬!あおるな!……


『くそ………馬鹿にしやがって!!その目が気にくわないんだよ!!』

……やめろ!……



『撃て!!』





成瀬の声と共に、一発の銃声が建物内を響き渡った…



……あ…………
井ノ原は目の前に崩れ落ちていく成瀬を見つめた…



『領ーーっ!!!』


思わず地面に倒れる成瀬に井ノ原は駆け寄った


『バカな!!!お前なんで!……しっかりしろ!!!』


ふふふっと笑いながら興奮状態にあった熊田は井ノ原に驚く


『……何でお前此処にいる……今頃は確か榎本と……』

井ノ原は倒れた成瀬を抱きしめながら涙を流した…

『すまない………許してくれ……俺のせいだ……許してくれ…領……』


『おい……何であんたがここにいるんだ!』

慌てて熊田は山野に電話をする……

プルルルル………

ピピピピピ……………

プルルルル……………


ピピピピピピ………

携帯の中の呼び出し音に合わせて
暗闇から同じ携帯の音がなる………


『………!!』


続く……