夜の虹
草原到着時は曇りだった。
空一面の、重~い感じの雲。
昼食後、外に出れない位の強風だった。
しまいには、雨降り出した。
草原の満天の星、絶望的・・・。
それが、
晴れた。
あんなにあった雲は、強風で全て流された。
誰もいない、大草原に向かって、
ライトの明かりで、丘を登っていく。
登っていく途中で、思わず歓喜の雄叫び。
一歩進むたびに、足元から星が生まれる感じ。
満天の星。
しかもこの日、新月。
大きな大きなプラネタリウムにいるような。
夜空が大きすぎて、視界に入りきらない。
ずっと遠くまで、何もないから、
地上に近い所からも、星が見えている。
頭上には、天の川。
でも、それは「川」の範囲じゃおさまらない。
あっちの下から、頭上を通って、こっちの下まで。
そう、半円を描く、虹みたいな・・・。
「モンゴルの夜空が一番きれいだった」
旅で出会った友人の言葉だった。
ほんとだね、一番キレイだ。
遠くから聞こえる、カラオケと化した宴の歌を聴きながら、
大地の広さを、地球の丸さを、そして自然の美しさを、
身体の隅々にまで焼きつけて、もう一度ぐるっと見まわした。
いつまでも消えない、その夜の虹を。