前回の更新から随分と経ってしまいました。
更新していない間に、今年の展示の準備を進めておりました。

2024年6月21日㈮〜7月3日㈬
東京高円寺「猫の額」さんにて、星猫堂の木元慶子さんと二人展「猫刊ニャー〜猫の都市伝説」を開催致します。
楽しい都市伝説をテーマに猫達が大はしゃぎです。
画像はDM案内ハガキ、月刊ムーを超意識したデザインになっております。
ちなみに、猫沢さんが持っているのは「五億年スィッチ」

では、物語の続きをお楽しみくださいませ。

《大肉球曼荼羅 第3章⑦寅次郎博士の最終任務》

数時間後[橋渡しの民]のメンバーのサリーと門田さんがやってきました。

「寅次郎博士!猫の星に行くんですって!?」
沢山のお土産を手にしたサリー

「あ、あぁ、ちょっと行ってくるよ」
猫達へのお土産を受け取り、あまりの重さにヨロケます。

「出発はいつだい?年令も年令だからな無理するなよ」
門田さんは、彼の地球対応ホログラムボディーの耐性を心配し、湿布やら梅干しやら醤油やら味噌やらを手渡しました。

「わーありがとう!こんなにいいの!?出発は1週間後位かな?銀河鉄道に乗っていくよ」

寅次郎博士は目をキラキラさせ、上等の保存食を見つめています。

「列車の旅か、いいねー、狭いボットの中より快適じゃないか」

「銀河鉄道!?いいなー!私も乗りたいなー!」
サリーが目を輝かせました。

「本来なら生身の私が乗る事は出来ないんだがね」

先程、猫沢さんからのメッセージと同時くらいに銀河鉄道局から届いた特別な切符を見せました。

「!?」
門田さんは、一瞬、宇宙にある巨大な光の渦のような光景と真っ赤な車両が浮かびました。

「フェニックス号が迎えに来るよ」
「またエライものが迎えに来るんだな」
「地球まで来てくれるそうだ」
「わざわざ!?」
「うん」
寅次郎博士は、そう答えるとアルハンゲルをチラリと見ました。それに気づいた門田さんは、

「そうか!アルのお迎えがくるのか」
合点がいきました。

「ああ、彼は元々、この列車に乗って地球にやってきたからな」
「アルちゃん、、還っちゃうの??」
サリーは察しました。

寅次郎博士は、静かにうなずくと、アルハンゲルは窓の外を眺めながら、

(私はフェニックス号の車掌に[時が来た]ら迎えに来てほしいと約束しました)

アルハンゲルは、あの時[虹の星]に行く事をやめ、寅次郎博士の居る時代に子猫の姿になって地球にやってきたのです。

「私は彼と一緒に猫の星に行くよ。これが私の、あの星での最後の任務さ」

「アルちゃん、本来の姿に戻るのね、、、今度は本当の地球の猫ちゃんとして生まれてきてね」
 
(はい)

「今、猫の星は大きな黒いエネルギーに包み込まれている。それを救えるのはアル、、、いやケイオス君だ、私はただの助っ人さ」
「過酷な星での任務を経験してきた、あんたなら朝飯前だろ」
門田さんはニヤリとすると、
「そうだな」
寅次郎博士は、フフと微笑みました。
どこか楽しそうです。

「博士、猫達とイクサフィーゴ達の世話は任せておいて!」

「あぁ、頼んだよ、なんなら私の留守中ここに寝泊まりしてもいいよ、来客用の部屋を整えておくよ」

「本当ですかー!私、ここのアンティークなインテリア大好きなんです!」

サリーは、寅次郎博士の住む洋風の建物に憧れていたのです。ここは、昔、日本に来た外国の大富豪が別荘として建てたもので、彼等が去ったあと村が管理していたのを買い取り住んでいるのです。

「台所にここの庭で採れた茶葉で作った紅茶や緑茶がある、アフタヌーンティーでも楽しんでくれ、それに、ある程度は片付けておくけど、いつ帰れるか分からないから冷蔵庫の中の食品も適当に使ってくれて構わないよ」

「わーい!!スコーン焼いちゃお!」
「すまんな、今オーブンは故障中だ」
「修理しておきますよ!」

なんだか、深刻な最終決戦に挑む雰囲気とは、とてもかけ離れていますが[橋渡しの民]達と、現代の地球人とは随分と感覚が異なるようです。

まるで、楽しんでいるよう

アルハンゲルは、残りの地球滞在日数を大切に過ごそうと思いました。

(父上、今度こそ一緒に[虹の星]に行きましょう、、、、)


[第3章 おわり]

※このブログ小説[大肉球曼荼羅]では、猫の星カンタスカラーナで繰り広げられる創作物語を展開しております。

次回の猫の額さんでの展示は、2024年6月に開催いたします。

この作品は、とある音楽家の楽曲をBGMにし、浮かんできたイメージを融合させて制作する、実験的な物語です。


この作品の挿絵のポストカードや原画等、高円寺の猫ギャラリー&猫雑貨[猫の額]さん、茨城県大洗町シーサイドステーション動物雑貨専門店Only-shopでも、購入出来ます(^O^)


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