2021年の1月も早々終わろうとしている頃、この1年でガラリと変わってしまった世界、果たしてこの世界は、どこに向かうのでしょうか?

お待たせいたしました。お久しぶりの更新です。

画像は、2021年描き初めの「天翔」かわいい猫沢さん達が、天を翔ます。今年もよろしくお願いいたします。

では、続きをお楽しみください。

《大肉球曼荼羅 第2章⑩ロドニアからの伝言》

翌日、三毛野くんが朝イチで、血相を変え出勤してきました。

「おはようございます!所長!!所長はどこですか!?」
「おはよう。私は、ここだよ、一体全体どうしたんです?」
「ロドニアが!!!」
「ロドニアがどうしたんです?」
「ダーニャの日に、旧カルカナル緑地公園でコンサートを開きます!」
「なんだって!?」

猫沢さんは、ギョッとした表情で、三毛野くんを見つめます。

「それだけではありません!!昨日、彼女が…アーリスが、突然「イクサフィーゴは排除する」「猫沢博士に制裁を下す」と言ったんです!」

三毛野くんは、尻尾を丸めフルフルと震えていました。
彼女を送り届けた帰り道、奇妙な老猫が恐ろしい目付きで、こちらを睨み付けていた。と…

「宣戦布告…?…純粋なファンの心を操るとは…卑怯な…」
「所長…彼女を助けて下さい…いえ、ロドニアを崇拝する猫達を救って下さい!」
「もちろんだ。ところで、何故、名指しなんだ??」
「分かりません。面識でもあるんですか?」
「接点は一切ない!面識も全くない!」

猫沢さんは、困惑しました。
本当に、あの子猫とは、1度も会ったこともないのですから…
なのに、同じ日に屋外コンサートをぶつけられたり、一方的に敵意を見せつけられたり…

雲行きが、怪しくなっていきます。

「三毛野くん、引き続き彼女を守ってやってくれ」

猫沢さんは、そう言うと、出掛ける支度をはじめました。

「所長、どこへ?何が起こる分かりません。気を付けてください」
「ああ、大丈夫さ」

猫沢さんは、Σ達を呼びつけ、玄関を開けると、そこには猫谷エンジニアが立っていました。

「おはようございます、猫沢博士」
「お、おはよう。どうしたんです?」
「猫居博士から頼まれて迎えにきました」
「ちょうど良かったー!今、行こうとしてたんですよ」

猫沢さんは、偶然に驚きながら、猫谷エンジニアのマシンに乗り込みます。

「研究所の回りに警備を配置した、しばらくの間、外出時は私達が付いていくから、そのつもりで」
「え?」
「風向きがヤバくなってきたようだ。念のため、テラ派遣メンバー達にもボディーガードを付けたよ」
「アクアさんは、大丈夫か?彼女はロドニアケーキで頭がイカれかけてる…」
「時々、おかしな行動を取るようになったが想定内だ…花音さんの料理で正気を保っている。最近、疲れが取れないと悩んでいるよ」
「ウトゥサの影響だよ。ウトゥサが切れると、酷い倦怠感に襲われるのが特徴だ…操縦に支障が出そうな時は休ませてやって欲しい…」
「分かった、幸い、今、彼女の担当している船は、自動操縦の大型船で操縦士も複数いる。大丈夫だろう」

猫谷エンジニアは、マシンを飛ばします。

「猫沢、妙な噂が拡がっているのを知っているか?」
「噂?どんな?」
「テラ派遣クルーの…」
「!?知ってるよ。これだろ?『任務失敗!!無惨!星を救えなかった猫達』最近、これのせいで変なイタズラが多くてな…」

猫沢さんは、苦笑いしながら、小型端末に映したゴシップ記事を見せました。

「随分と酷い事書かれてるなぁ…袋叩きだ『役立たずの研究者、星の恥』だってさ」
「あぁ、可哀想にな、私なんざ『テラでエンジョイ無責任エンジニア』とか、ある事ない事好き放題に書いて幼稚にも程がある。だがな、そのフェイク記事の発信元を追跡したら、おもしろいもんを見つけたんだよ」
「何だって?」
「着いたら話すよ」

二人は、猫居博士のいる建物に到着間近、

「猫沢博士、猫谷さん、後方に不安定な正体不明の「波」を感知しました。気を付けてください」

後部座席にすわるΣ-41のセンサーが反応する先をモニターに映すと、モヤっとする黒い何かが蠢いていました。
猫沢さんは、何かを感じたのか、とっさに手を叩くと、肉球から不思議な音色が放たれたのです。すると、不気味な黒いモヤは微かな悲鳴をあげながら消えていきました。

「消えた…!?一体どうやったんだ?」
「ふふふ、詳しくは後で!」

猫沢さんは、不敵な笑みを浮かべ再び手を叩くと、空間に流れていた音は消えてしまいました。

[つづく]


  (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】SF物語を展開中です。
そんな楽しい猫の星の世界観第6弾を2019年、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました。2020年は、同会場にて、木元慶子さんとの二人展「出会いと旅立ち」を開催しました。2021年も開催決定です。よろしくお願いいたします。
猫沢さん作品の挿絵のポストカード&原画は[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^) 茨城県大洗の「動物雑貨専門店only-shop」さんでもミニ原画等を展示発売中です。
※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)
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