久々の更新です。
 
先月4月作者と、猫沢さん達がお世話になっている、猫ギャラリー&猫雑貨 猫の額さんの看板猫、チャット君(14歳)で、虹の橋を渡りました。毎年、在廊の時に元気な姿を見せてくれたチャット君の訃報に、しばらく筆が止まってしまいました…。いつも元気をくれてありがとう。そして、創作のヒントや、物語の中で遊んでくれてありがとう…。
 
この物語に出てくる片目の茶トラの、チャット博士は、彼がモデルです。
描かせてくれてありがとう。
 
7月の個展の時に、また、会いに行きますからね。
 
画像は、お馴染みの、チャット博士です。本猫よりもスリム過ぎると突っ込まれた作品です。
 
では、物語の続きをお楽しみください。
 
《第11章③ 生きたかった星達》
 
遥か昔の星の記憶を思い出した寅次郎博士と、猫沢さん。
 
過去に、同じ船に乗り込んだ仲間だったとは…
 
2019年の作者は、2016年の記録を文章に起こしながら、次々と明らかになっていく謎に、余計と頭が付いてこなくなってきました。
 
寅次郎博士の言った「また繰り返すのか?」の言葉に、余計と混乱しているのです。
 
「猫沢さん、あなたの言っている意味が、未だに理解できません…入れ子状態で訳が分かりません、難しすぎます。それでも問います。過去に滅んだ星を救う為に、現代の地球で、私達が生きる意味を教えてください」
 
作者は、必死です。何か見つかるような気がしたのす…
 
「…分かりました。これから話す事は、あり得ない事と思うでしょう…フィクションにしか思えないでしょうが、聞いてくれますか?」
 
猫沢さんは、真面目な表情で作者の顔を覗き込みます。
 
「猫沢さん達が、ここに居ること事態が、フィクションにしか見えないじゃないですか?もう、何を聞いても驚きませんよ」
 
「それもそうですね。では、私が、カンタスカラーナに生まれる以前のお話をしましょう。遥か昔、リラにいた頃…外見は…限りなくテラビトに近い姿をしていました。私は、あの星で科学者として生きていました。高度な文明と科学技術をもち、人々は、幸せに暮らしていましたが、ある物質が元で、奪い合い悪用する民に渡ってしまい、大きな戦争が起きたのです…その時、リラのコアが、私達を星から切り離すと…」
 
「切り離す…?」
 
「リラには意思があります。争いで生じた衝撃が元で、コアに亀裂が走ったのです…彼女は「間もなくワタシは消えてしまいます…ワタシに似た星達を別の宇宙空間に創りました。そこへ行きなさい」と言って、大きな宇宙船が、地下から出現したのです…」
 
「宇宙船…?」
 
「はい、複数の宇宙船に分かれ、方々に散らばるように脱出しました。そして、私達は、古代のテラにたどり着きました。これが、1回目の文明グランティオスです。僅か1000年も経たずに滅びてしまいましたがね…」
 
「1回目と言うことは、2回目や3回目もあるのですか?船に乗れなかった人達もいると…」
 
「残された者達は、肉体を抜け出し脱出の道を選びました。テラで言う「肉体の死」を選び、別の星で生を受けた者や別次元に飛び立った者、様々です。そして、テラには、あなた達の歴史の教科書には載っていない文明が、いくつもありました。私達は、築いた文明を創っては壊し創っては壊し…」
 
猫沢さんは、とても悲しげです。
 
「猫沢さんが居るカンタスカラーナは、成功した星と言っていましたよね。成功と言うのは、どういう意味ですか?」
 
「リラが選択出来なかった分岐を越えたのですよ」
 
「選択出来なかった分岐…??」
 
「カンタスカラーナ以外にも、リラのコアを受け継いだ星は、いくつもあります。分岐を越えた星、越えられなかった星、様々です。分岐を越えた星の智恵達が、テラを越えさせる為に、テラビトの何分の1の確率で生まれてきてるのですよ。それが…」
 
「橋渡しの民、ですか?」
 
「そうです。彼等の星も、私達の星と同様、分岐を越えています。彼等以外にも沢山いますよ。もしかしたら、あなたの近くにいるテラビトの中にもね」
 
「それは、つまり、地球人の中に宇宙人と言うか、リラの意思を持った人間がいる…?と言うことはでしょうか?特徴とかありますか?」
 
「特徴?普通のテラビト達と変わりませんよ」
 
「じゃ、私もだったりして!」
 
作者は、目を輝かせました。猫沢さんは、呆れた表情で、
 
「…あなた自身の事は「あなた」に聞いてください。私では答えかねます」
 
「猫沢さんは、何でも知ってるのに、教えてはくれないのですか?」
 
「教えるもなにも、私は、あなたの事を知りません。もし、私達のような地球外生命体なり、神と称するモノが[あなたは、テラを救う為に選ばれた救世主]とか[あなたには使命がある]とか言ってきたら、真っ先に疑いなさい」
 
「どういう意味ですか?世間では、そう言う話を聞きますよ。神様が体に降りてきたー。とか、神様や宇宙人と会話した人の話とか…」
 
作者は、作品の性質上、そのような事を言う人物と接する事もあり、何となく、距離を置いているのです。
 
「外側から聞こえる声の中には、希に信頼性のある存在も居るでしょうが、好ましくない輩もいるんですよ。何かしらのエネルギーの低い塊かもしれません、彼等はテラビトを操り人形のようにして、からかって遊ぶんです」
 
「からかって遊ぶ!?ひどいじゃないですか?」
 
「当のテラビトには、自覚がありません。神、宇宙生命体に選ばれ有頂天ですからね。マインドとボディを引き換えに、僅かな力を受け取り、巧みに支配したり、依存させ、テラビト達を翻弄させます」
 
「え、それじゃまるで……なんか、あれに似てます…あれに…」
 
「あれ…そうですね」
 
猫沢さんは、不思議な笑みを浮かべました。
 
「私には、猫沢さん達の声が、自分の体内から響くように聞こえていますが…これは、どういう現象ですか?」
 
「私達は、あなたの心臓の周波数にコンタクトを取り交信しています。そのせいでしょう」
 
「脳ではなく?」
 
「はい、私達は、あなたの中にいる「あなた」に許可を得て、交信しています」
 
「私の中の私?」
 
「そうです。そのあなたに、ご自分の事を問いかけなさい」
 
猫沢さんは、小さな鉄のスティックを取り出し、ポーンと鳴らしました。心に染み入るような、安心感が広がります。
 
「この周波数は、これから迎えるテラの分岐に重要な役割をします。時間は迫っています。急いでください」
 
猫沢さんは、真面目な表情で言いました。
 
作者は、心地よい周波数の中で、何となくボンヤリと浮かぶ、宇宙に散らばる想い、リラとテラとカンタスカラーナの関係性を眺めていました。
 
猫沢さんは、話を続けます。
 
「私達は、あの時(2016年)に、全てのイクサフィーゴ達とキーパーツを見つけ出し「風穴」を開け、前回の分岐に、なんとか間に合いました。もう、テラは、カルカナルに支配された牢獄や、ディストピアではないのだと…今現在、目に映る燦々たる情報コンテンツの波は、カルカナルの残像に過ぎません。残像の恐怖に踊らされる事なく、自らの手で変えられる事に気づくのですよ」
 
「猫沢さん達の星は…?あれから、どうなったのですか?カルカナルからの再課題をクリアー出来たのですか?」
 
「心配には及びません」
 
猫沢さんは、ニコリと微笑みました。
 
猫沢さん達は、あの当時、さ迷うループ次元に、置いてけぼりされた作者の2016年の個展後に、一旦、任務を終え帰還、新たな星の課題に取り組んでいたのです。彼等がいない間、猫の星の情報が入ってきていません。再び、寅次郎博士の手伝いで地球に滞在中の彼等と、再コンタクトが取れたのは、2018年辺りなのですから…
 
さぁ、与太話は、これ位にして、2016年の物語に戻りましょう。
 
[つづく]
 
 (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。
 
物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。
 
そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、昨年、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)
 
今年、2019年の7月19日(金)~7月31日(水)、幻想の魚の秘密.第6弾《森羅万象のにゃー》を開催します!お楽しみです。
 
猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)
 
※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)
 
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