もう1月も後半、時が経つのが速すぎて、様々な出来事が駆け抜けていきます。
 
では、続とをお楽しみ下さい。
 
画像は、かつて、猫の星を苦しめた、支配者カルカナル組織の中心人物ウィラード博士と、子猫時代の猫沢博士達です。
 
《第10章② サンプル1号観察記録2016 荒れ地の壁》
 
あれから1号は、食生活を、更に試行錯誤した。
 
医師からのアドバイスなどなく、曖昧にされた診断結果、激しい貧血を起こす原因を知りたいと、片っ端から探し回る。ただ、安易に、鉄分豊富な食品や、サプリ等を摂取しただけでは解決しない[何か]を見つけ出したようだ。
 
そう、それが、ストーンブロックを増殖させる物質達の氷山の一角だ。よく見つけた。
 
私は、1号に、次の段階のヒントを与えた。
 
根本原因となる事柄に蓋をして、見なかったフリをしていたもの達を、しっかりと見つめるのだ。
 
ストーンブロックの種は、血管を乗り物にし、拡散される。
 
それらが、たどり着く前に、阻止するのだ。
 
それには、様々な食品に使われている、増殖を促す化学物質を、完全排除が必須であるが、ほぼ不可能な状態であり、逃れられない事を、重々承知である事を念頭に置いておこう。
 
逆手に取って、それらの物質達を摂取してしまっても、体内に吸収させない、排出させる機能回復からスタートである。
 
1号の、体内で起きている事は、今まで取り込んでいた食品達に潜む[何か]が、機能を衰えさせ劣化させている状態である。
いわば、荒れた畑のような状態だ。
いくら、体に良い食品等を、闇雲に摂取しても、単なる刺激物としかならず、栄養も取り込めないまま素通りし排出されるだけである。壊れて識別不能となった腸壁から、ザルのように、通過し、悪影響を与える物質をも、取り込まれてしまえば、カルカナルの思う壺なのだ。
 
長年、意図的に吸収された、微量の化学物質達は、体内で、融合し巨大化しストーンブロックが作られ、大暴れする。テラビトの中枢神経や脳神経を、狂わせる事など朝飯前だ。ここを破壊し、撹乱させてしまえば、自分で自分の体を壊すように、選択させ行動させる事も可能。
 
思考すらも、乗っ取る事も出来る。
 
カルカナルトラップ起動スイッチは、各所に仕掛けられている。
最終的に、ミトコンドリアに傷を付け、壊し、壊されてもなお、生かされ続け、その苦しみや痛み、断末魔は、最高の珍味と喜ばれ、奇々怪々と魑魅魍魎達のエネルギーとなるのだ。
 
悪趣味も、いいところである…。
 
カルカナルユートピアと言う、巨大な仕組み、かつて、私達の星も、この仕組みに支配され、猫達は、身も心もボロボロにされてしまった。私達は、テラに同じ道を歩んでほしくないのだ…。
 
完全回復には、ほど遠いであろうが、荒れ地(腸壁)を、1から作り直し、耕す事から始めようと、
身をもって、ようやく気づいた1号。
 
遅すぎたのかもしれない…いや、カルカナルの手中に居れば、気づかないのは、当然である。
 
だが、諦めてはいけない。
 
テラに造られた、カルカナルユートピアは、逆さま世界、気づいたとしても、あらゆる手段で忘れさせようと巧妙に仕組まれている。
 
1号よ。カルカナル達に阻害されぬよう、軽やかに、反対方向へ、駆け抜けていきなさい。
 
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これにて、猫沢博士の公開観察記録を終わります。
 
猫沢博士からの、「皆とは反対方向に進みなさい」と言う、メッセージと、ナタトリアを通じて、伝えられた、地球のコアからの謎のメッセージは、接点がないように思えるのは、作者の脳には、理解不能の範囲なのかもしれないと、それを知りたいと思う心と裏腹に、頭の中に靄がかかっていて、探ろうと掻き分けても、靄は、行く先を拒むように、深くなっていくのを感じていました。
 
何故、この先に行けないのだろう?と、作者は、そんな他愛もない事を考えながら、時折襲う、目眩と背中痛に悩みながら過ごすのでした。
 
[つづく]
 (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。
 
物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。
 
そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)
 
2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。
 
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※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)
 
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