大寒をむかえ、寒さが増す今日この頃、インフルエンザ大流行ながら、まだ、感染していない奇跡の中にいます。いかが、お過ごしでしょうか?
 
おまちかねの新しい章の始まりです。
お楽しみ下さい。
 
画像は、2019年度7月個展のメインビジュアル作品です。タイトルは「森羅万象のニャー」メインの猫沢博士に加え、猫沢博士のお兄さんと親友の猫庭博士も描いています。
 
画材、顔彩絵の具
 
《第10章① サンプル1号観察記録2016生活編》
 
お待たせいたしました。前回、好評頂きました。猫沢博士の、サンプル1号観察記録の公開です。
 
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2016年始め、サンプル1号の体に変化が起き始めた。この異変を記録したのは、2回目だ。
 
1回目は、2013年の秋口、記憶力低下、思考能力低下、凡ミス多発、意識が朦朧とする事が増えた事により、今まで1度も起こさなかった、大きなミスを起こし、自身の異変に気づいた1号。
 
私達が、体をスキャンすると、大量のストーンブロック蓄積により、あらゆる機能が衰え始めていた。
 
緊急事態である。蓄積が進行すると、私達とのコンタクトが不可能となる。本人の了解を得た私達は、ストーンブロック除去ナノマシン[カルカン]を、1号の体内に放った。同時に、除去を促す食生活に変更したのだ。
 
すると、どうだろう。ブロックは徐々に減っていき、体調も良くなった。
 
それまでの1号の食生活は、冷凍食品、レトルト、インスタントがメインであり、野菜も少ない。いわゆるジャンクだ。これでは、ストーンブロックの蓄積を促す物質の割合が多く、排出する事も出来ないままであった。
 
以来、野菜を多目、減塩を意識し塩分少量、インスタントではあるが、味噌汁を摂取するようになり、除去スピードが上がった。体調も良くなり、喜んでいた矢先、ある日を境にピタリと止まってしまった。
 
2016年になり、1号は、再び、意識が朦朧とし始めたのだ。
 
私達は、注意深く観察をしていた、自力で、何が原因か、気づく事を期待して…
 
ところが、全く気づかない…。
気づく様子がない…
 
日に日に、1号は、顔色が悪く、歩けないほどの激しい目眩を起こす回数が増えていった。
 
 
おまけに、勤めている。飲食店での、ストレスがピークに達しているようだ。訳の解らぬ自己啓発ビジネスセミナーに3日連続朝から晩まで、参加させられ疲労困憊し、体内エネルギー消耗しているのだ。
 
セミナー受講し終えた1号は、形だけ、「セミナーは、とても役に立った」等と嘘の感想文を提出し、仕事の前にセミナーで習った、変な文章も読み上げた。仲間達から「セミナーで洗脳された、かわいそう…」と、ヒソヒソと噂されていたが、マインドはいたって、正常である。
 
あれから、1ヶ月ほど経った頃だろうか?
 
数日前から、どうも調子が悪いと、フラフラしながら出勤していった。出勤2時間後…激しい目眩と腹痛がピークに達し、意識を失った。行列をなしていた客達から「店員が倒れた!!」と、騒ぎになり、救急車で搬送された。
 
周りの話を聞くと、3分ほど意識が戻らなかったと…
 
診断は、極度の貧血とストレスによる腹痛。
 
ヘモグロビン数値が、基準値以下、赤血球がピンク色で薄く痩せこけている…
 
倒れた時に頭を打っているかもしれないと、MRI検査、異常なし、軽く点滴を打たれ、帰宅し自宅安静となった…。
1号は、一体、何が起きたのか解らない様子であった。ボンヤリと天井を見つめている…。
 
後日、内視鏡検査とピロリ菌検査を受けるが、異常なし。
具体的な、鉄分不足の原因や対策などのアドバイスもなく、単なるストレスによるものと、片付けられてしまった。胃薬と腸整剤と胃腸除菌剤を処方される…
 
1号は、ポカンとしていた。腑に落ちていないのだ…。ストレスだけで、こんなになるはずない…?貧血は、ストレスによるものではないのでは?と…
 
私は、このままフリーズして強制終了した1号の姿を見て、放って置いては、再び、コンタクト不能になるだろうと判断し、わずかなヒントを与えた。
 
体調が回復すると、1号は、ヒントを元に、調べまわり、本屋に走り、ネット通販のボタンを押しまくり、ありとあらゆる書物を、集めだした。
 
そして、倒れる1週間前に食べた、インドカレーのナンを思い出したのだ。ナンは、小麦粉で出来ている…。食後に胃もたれと、逆流性食道炎を、起こしていた。
 
「もしかして…!?」
 
手にしたのは、小麦粉の本、塩の本、砂糖の本、MECの本、そして、塩の本と間違えてポチった、[塩爺]と言う愛称の政治家の本…通販会社から届いた品物達を見て、愕然としたのも無理はない、1号は、このような凡ミスを、多く、くり返してきたのだ。
 
その中の、1冊目に出てきたのは、小麦粉による、遅延性アレルギー、グルテン不耐性、残留農薬等の影響により、貧血が起きたり、胃腸の壁が壊され重症化、慢性化する項目に釘付けになっていた。
 
栄養分の吸収が阻害され、壊れた腸壁から有害物質まで取り込んでしまい、不調が起きる…。
うまく栄養が、取り込まれない事により、体内に貯めておいた養分が、減っていく。
 
ならば、鉄分の吸収も、阻害されているのでは…?と、
 
1号は、頭の中で、大きなスクリーンが浮かび、脳内シュミレーションと、逆算想像と記憶のさかのぼりを開始した。
 
脳内コンピューターが、弾き出したのは、現在の食生活は、タンパク質が、異常に少ないと言う情報…
 
1号は、元々、肉を食べる性質のテラビトだ。
幼少期から小学校辺りまで、かなりの量の肉料理を食べていたと言う。当時は、元気だった記憶がある。と…だが、思春期の頃、菓子パンやコンビニ弁当の常食をし始めていた。学校帰りには、中部地方では有名なラーメンチェーン店の常連と化していた。菓子パンも昼食として定番である。この辺りから、逆流性食道炎を発症し始め、体調を崩しがちで、気合いと気力で活動していた。と…
 
しかし、当時は、若かった事もあり、多少の暴飲暴食をしても、すぐに回復する事が多かった。だが、年を重ねるうちに、徐々に、体力が落ちていくのを感じていたようだ。
 
この、積もりに積もった悪循環の食生活のツケは、ある日を境に、牙を向いた。と、記憶している。1号が、体内に取り込んできた多くの化学物質達が、化学反応をおこし、大量のストーンブロックを生成していたのだ。
 
私達と、コンタクトが取れた頃には、かなりのストーンブロックが、蓄積され、いつ、人体崩壊が起きてもおかしくない状態であったのだ。
 
それ以前、元々、低血圧気味で、貧血持ちであったが、急に意識を失うほどの激しい事はなかった…
 
この異常な変化は、年齢を重ね、衰えてきた機能が、そうさせたのか?過去から積み重ねてきた食生活が、そうさせたのか…?カルカナルにとって、最適なエネルギー源となる条件を満たしていたと言える。
 
そして、1号は、手探りではあるが、食生活を変えた。
 
栄養を取り込む事が出来る胃腸機能修復と、逆流性食道炎改善、体を作る栄養素を取り込む事。ただし、細かくキッチリやらない。性格上、神経質に実行したところで失敗に終わる。
 
毎日ではないが、1日100グラム前後の動物性タンパク質摂取、肉、チーズ、卵で、血液と筋肉を作る材料として取り込み、適度な野菜。咀嚼を増やし、小麦粉食控えた。
 
1号は、心改め、このような内容で、2016年の4月より開始した。
 
結果はいかに!!
 
[つづく]
 
 (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。
 
物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。
 
そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)
 
2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。
 
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※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)
 
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