気温の差が激しいですね。体調管理に気を付けてお過ごしください。
 
では、お楽しみください。
 
画像は、カンタスカラーナにいる、イクサフィーゴ(養殖)です。カルカナル復活の危機に直面中、再び侵略されないよう、頑張っています。
 
ちなみに寅次郎博士が、連れているイクサフィーゴ達は、天然です。
 
 
《第8章⑯ ナーダの谷底》
 
屋敷を後にした、猫沢さん達は、母船に急いで帰還し、食堂のテーブルに資料を広げました。
 
休憩中の、猫庭博士が、何事か?と眺めていると、猫沢さん達は、何やら調べ始めています。
 
「慌てて、どうしたんですか?」
 
「最後のイクサフィーゴが、見つかるかもしれない。皆を呼んできてくれませんか?」
 
「はい!」
 
猫庭博士は、すぐに通信機に向かいました。
 
作者の部屋で、ゴロゴロくつろいでいる、メンバー達が、 耳をピンと立ててます。
 
「どうしたんですか?」 
スケッチブックを、片手に持った作者が、猫達の動きに、驚いています。
 
「何かあったようです」
 
猫達は、ニャンタープライズ号に駆け込んでいきました。
 
外で調査していた猫達も、続々と戻ってきます。
 
食堂に、集まった、メンバー達は、猫沢さんの顔を、ジッと見つめます。
 
「全員、揃ったようですね」
 
猫達は、何事かと神妙な面持ちです。
 
「皆さん聞いてください。いくら探しても見つからなかった、イクサヒィーゴが、見つかるかもしれません」
 
猫達が、どよめきました。
 
一体目は、猫沢さんが地球に到着してすぐに発見され、一度、猫の星に送られ、再び地球に戻ってきました。二体目と三体目は、寅次郎博士と出会って、すぐに発見され、最後の四体目は、どこをどう探しても見つからない。
猫達は、ほとほと疲れていたのです。
 
中には、四体目は、地球上にはなくて、別の星に不時着したのでは?と、考える者までいるくらい、全く見つからないのです…
 
「それは…テラにあるのですか?」
 
「まだ分かりません。目撃情報によると、探知機が感知できない場所に、あるかもしれないとの事です…」
 
猫沢さんは、千寿氏から、預かった資料を広げました。
 
「!!」
 
猫達は、一斉に覗き込みみます。
 
海面にボンヤリと漂う、魚の形…イクサフィーゴとよく似ています。
 
幼い頃からイクサフィーゴ達と親交があったチャット博士が、食い入るように見つめています。
 
「どうですか?チャット博士?」
 
「この形…もしかしたら、もしかしたらです…」
 
チャット博士は、目を輝かせました。
 
「しかし、なぜ?テラの海域なら、見つける事が出来たはずなのに…?」
 
猫達は、首をかしげました。
 
「これはバミューダ海域と言う場所です。テラにも、時空の歪んだ場所が点在し、この場所は、磁場変動が多く、物質の存在が曖昧になるのです。カンタスカラーナで言うと…ナーダの谷底のような…そんな場所です」
 
「ナーダの谷底…なるほど…」
 
猫達は、表情を曇らせました。ナーダの谷底は、猫達を近づけない秘境と言われています。
 
「調査には、細心の注意が必要です…」
 
すると、猫庭博士が、
 
「ナーダの谷底は、安全です。[シェルター深き森]への侵入を防ぐ為に造られた、人工物です」
 
「なんだって󾬆あの谷底は人工物だって?」
 
猫沢さんは、ビックリしました。
 
幼い頃、猫沢さんは、猫庭少年達と、よく、谷底付近を秘密基地にして遊んでいました。ですが、谷底の中は、怖くて、絶対近寄らなかったのです。入ったら戻れないと、猫庭博士の祖父、猫庭十三郎博士に言われていたのですから…
 
「はい、詳しくはお話出来ませんが、過去に、私達の祖先は、カルカナルから身を守るために造りました。星に還っても、その事は、内緒にしてくださいね」
 
何故か、にこやかに話す、猫庭博士に驚きを隠せません。
 
「テラに存在する、この場所、私も一度、単独調査へ行きましたが、イクサフィーゴは見つかりませんでした。もしかしたら、時空のトンネルに潜んでいるのかもしれませんね」
 
時空が歪んでいる事は、本当のようです。
 
猫庭博士は、不思議と笑顔。彼にとって、この場所は、他の猫達とは全く違う反応なのです。
 
ナーダの谷底と、バミューダ海域…彼は、そこで何かに気づいているのでしょう。
 
「猫庭博士、いつの間に?」
 
「この場所は、安全です。早速、イクサフィーゴを探しに行きましょう!」
 
魔の三角地帯、バミューダトライアングル…
 
謎は、深まるばかりです。
 
[つづく]
 
 (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。
 
物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。
 
そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)
 
2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。
 
猫沢さん作品の挿絵のポストカードは猫の額さんでも購入出来ますよ(^O^)
 
※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)
 
(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)     

 

 

 


via 個展連動SF猫物語[幻想の魚の秘密]シリーズ
Your own website,
Ameba Ownd