現在、岐阜県美濃加茂市の中仙道会館への二人展に向けて準備中です。会期は7/29~8/10の二週間です。

中山道会館では、かわいらしい作品をメインに展示致します。ぬいぐるみ作家の、柴田里美さんとの展示です。

では、物語の続きをお楽しみ下さい。

画像は、昨年の東京個展発表作品
[ゴッド.マーマ花音(かのん)
[ルビィ医師]
[ドクター.ネコミヤ](こちらの猫達三作品のポストカードは、東京 高円寺 猫の額さんにて販売中です)

《猫会議①テラビトサンプル観察報告》

猫沢さん達は、寅次郎博士の事はアルハンゲル達に任せ、新たな行動を移す為、作者の自宅へと帰還しました。

作者の家の庭に停泊する宇宙船内のキッチンでは、花音(かおん)さんが、夕飯の支度をしていました。他の猫達も野菜を切ったり盛り付けたりして手伝っています。

船内の食堂では、次々と出来上がった料理が並びます。

賑やかな中、猫谷エンジニアは、捜査本部と猫伊博士達に、寅次郎博士(虎之助博士)を発見した事を報告し、猫沢さんは、画家のネコンサさんに、彼が夢の中で出会ったと言う、テラビトかどうか確認の報告していました。

二人は連絡を終えると、食堂に向かいます。

「しかし、寅次郎博士は猫沢にそっくりだったなぁ…ぷぷぷ」

思い出し笑いをする猫谷エンジニア、

「実物は、そんなに似てなかったと思うが…ほんの少しだけだろ?」

「いいや、そっくりだ!」

二人は、笑いながら食堂に到着すると、軽い段取りを決めました。

「食事がおわったら、会議に切り替えよう」

「OK」

皆が着席すると、総勢14人の大所帯になりました。猫達は昼間、個々に分かれ、テラビト調査をしているのです。そう、2014年の8月に、高円寺[猫の額]を臨時基地にした時に放ったナノマシン[カルカン]に反応した、テラビト達を探し出し、調査とコンタクトを計っていたのです。

毎晩、猫達は、食事の時、それらの成果や出来事を報告し合っているのです。

開口一番は、ルビィ医師、彼女は植物の香を使って治療する医師です。

「猫沢博士、今日初めてコンタクトを取ったテラビトは、二人の子供を持つ母親です。彼女は、下の子が何かの病気ではないか?と悩んでいました。その時、読んでいた本がきっかけで、私達と周波数が合ったようです」

ルビィ医師は、親子の画像を見せました。

「なるほど、貴女との遭遇の時、テラビトは、どんな反応でしたか?」

「母親は驚き、持っていた食器を落として割ってしまいましたが、側にいた子供が[ママ大丈夫?猫ちゃんも怪我はなかった?]と心配してくれました。そして母親に[この猫ちゃんは怖くないよ。僕の友達だよ]と言って、混乱する母親をなだめていました」

「その子は、どんな子供でしたか?」

猫沢さんは、すかさず質問します。

「年齢は三歳、外見上は普通と言われているテラビトの男の子ですが、周りの大人達からは、何もいない空間に話しかけたり、虫や花とお話している姿を見て、何か病気ではないのか?病院に行ってみたら?と心配され、母親はとても悩んでいました。通常の子供達よりも、遮断石の蓄積の少ない子です。その子は、私を歓迎し「来てくれてありがとう」と言いました」

「なるほど…しかし、周波数が合った母親の方は、この現象の理解に苦しんでいるのですね」

「はい、私とコミュニケーション取れるようになるには、時間がかかるように思えます…上の子は七歳ですが、私の姿は全く見えないようです。下の子とはコミュニケーション可能です」

「解りました。引き続き、下の子とコミュニケーションを計り調査を続けて下さい」

「わかりました」

ルビィ医師が、報告を終えると、次は、ドクター.ネコミヤ氏です。猫沢さんの唯一の一番弟子の周波数医師です。

「私が現在、コミュニケーションを取っているテラビト、サンプル5号ですが、変化が現れました。なんと!自炊を始めました!」

ドクター.ネコミヤ氏は、目を輝かせます。

「ほほう!」

「彼は、一人暮らしのテラビト男性。今まで、外食やコンビニ食を中心とした食生活を送っていましたが、健康診断と言うイベントでエラーを出し落ち込んでいました。以前は、私が漬物石(遮断石)の話をしても全く信じようとせず、馬鹿にしていましたが、エラーが出た事がきっかけで、私に質問してくるようになりました」

「なるほど、で、あなたは彼に何をアドバイスしたのですか」

「今まで、何十年と食べて来た、食品達の製造行程や材料の産地を徹底的に調べる事をすすめました」

「え!それだけなの!?」

二番目に若い、歌を得意とする少女猫ミッシェルが、驚きました。

すると猫沢さんが、

「サンプル5号は、追求型です。興味がある事に対してヒントを示せば、とことん調べ抜いて、答えを見つけ出す事を得意としています。ただやみくもに、手取り足取り教えるのは、彼の直感力や探究心を衰えさせるだけなんですよ」

「そうなんですか…私はてっきり、丁寧に伝える事ばかり考えていました…」

「テラビトの性質によりますよ。時には丁寧に優しく教える場面も必要でしょう。ネコミヤ君、引き続き、サンプル5号とのコミュニケーションを頼みます」

「はい」

猫達は、一人一人報告を終えると、雑談しながら楽しく食事をしていました。

現在、猫の星カンタスカラーナの中央エネルギー供給システム[イクサフィーゴ]は、テラビトが体内や意識に、大量に蓄積させた謎の物体、漬物石(遮断石)の影響でシステムダウンし、東西南北にあった分配供給システム[ミニイクサフィーゴ]四体は一体を除き、何故か、テラで行方不明中で謎だらけ。

猫沢さん達は、ひとつひとつ謎を解明していきます。

現在、ダウンした中央イクサフィーゴは、猫達とテラビト達の力により、緩やかな回復の道のりを歩んでいるのです。

猫達が食事を終える頃、猫沢さんは、

「本日、重大な報告があります。このあと会議を始めますので、テーブルを片付けてください」

すると猫達は、テキパキと食器を片付け始め、すっかり綺麗になると、全員、席に着きました。

「では、報告と会議を始めます」

[つづく]

(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。

物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。

そんな楽しい猫の星の世界観第二弾を、今年も東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表。2015年6月5日~17日に開催いたしました(^O^)
来年の6月も、幻想の魚の秘密.第三弾を展示決定しました!既に準備は始まっています。お楽しみです。

猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)

※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)

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