みなさん、こんばんは。

 

ガーンジー島はただいま今、夜です。

 

今日はChain of Cranesのはじまりの話をしたいと思います。

 

私にはふたりの娘がいます。長女は6歳でダウン症をもって生まれました。診断は生まれてから6か月の時でした。

その一週間後、長女は白血病と診断され、小さなガーンジー島には長期の抗がん剤治療をする病院はないので、診断された10月の2週目の金曜日の3日後の月曜日に私とガーンジー島出身の夫と娘と私は急遽、6か月の緊急入院の為にサウスハンプトン病院に6か月分の荷物をまとめて飛びました。

 

今でもその時の事ははっきりと覚えています。本来なら、その週末は学生時代にお世話になったイギリスのホストファミリーに数年ぶりに家族みんなで会いに行く予定でした。とにかくその時は、飛行機の中で娘の命が助かる事しか頭にはありませんでした。ちょうど、ガーンジー島の生活にも、新しいお母さんという立場にもようやくなんとなく慣れてきたところでした。

 

それから、新しい生活が始まりました。はじめの2週間くらいは新しい生活の準備に忙しくしていました。お世話になる専門家の先生方や看護婦さん達の顔と名前を覚えたり、娘がこれから投与される薬に同意のサインをしたり、病院には一人しか泊まる事ができなかったのでイギリスの慈善団体から滞在場所の手配の手続きをしてもらったり、慣れない事ばかりでした。泣いたり、落ち込んだりする余裕はありませんでした。

 

2週間が過ぎ全く眠れてない事に気が付きました。慈善団体が用意してくれた慣れない静かな部屋でひとりきりで泊まるのは、とても変な感じでした。優しい夫も、大声を出してニコニコよく笑う長女もそこにはいなくて初めてひどい寂しさを感じました。日本の家族や友達に会いたいな、ガーンジーの友達や家族にも会いたい。その時、なぜ私の長女がこんな事になったんだろう、きっと私のせいだ。と自分を責めて初めて泣きました。

 

次の日、病室に行くと長女はご機嫌でベットに座っていました。

 

長女はお座りはまだできていなかったので、びっくりしました。長女は血液検査やいろんな検査も小さいながらとても頑張っていました。

その時、娘が頑張っているのに私が落ち込んでちゃいけないと思い、何か娘の為にできないかなと思ってあるときにふと思いついたのが千羽鶴でした。

 

友達や家族に千羽鶴を折りだしたと話すと、すぐに日本やガーンジーの友達や家族が一緒に折ろう!と声をかけてくれました。

それから、コツコツ折るようになると病院の私達宛にいろんな場所から心を込めて、折られた折り鶴が届き始めました。

私はその届いた折り鶴と私が作った折り鶴に糸を通して、娘のベットにかけました。娘は初めてみる折り鶴を珍しそうにみていたのを覚えています。それから、折り鶴を見る度にいろんな人の顔が浮かびました。 同時に、私は一人じゃないんだと勇気がでました。

 

それから、治療はまだ6か月の娘にはとても大変な経験でしたが無事にすべての抗がん剤治療を終えて、退院することができました。

 

私達のそばにはいつも折り鶴という姿で、沢山の人達が私達家族の側にいて見守ってくれていました。

 

ガーンジー島のロックダウンから一週間経とうしていた3月30日にイギリスの恩師と友人と千羽鶴の話をしていると、ふと病院で過ごした時の事を思い出しました。

 

あの時の沢山の人達から受け取った千羽鶴で私はとても勇気づけられたので、もしかするとコロナで今病院で家族と離れ、面談もできずに戦っている人たち、自宅で療養している人たち、コロナの不安と戦っている人たち、最前線でそれぞれの場所で地域の為に働いて、地域を守っている人たちを応援することならできるかもしれないと思いました。ふと、友人がChain of Cranesっていい響きだね!といったのがきっかけで、このグループをChain of Cranesと名付けました。

 

これがChain of Cranesのはじまりです。イギリス留学時代の友人と恩師は今も一緒にChain of Cranesのサポートをしてくれています。心強いふたりのファウンダー仲間に恵まれてとても幸運だと思っています。

 

今ではメンバーは200人以上になり、いろんな国から参加して頂いています。

Chain of Cranesの存在を知って頂き、少しでも沢山の人が千羽鶴プロジェクトに参加して日本や世界が元気になるように、今必死に地域を守ってくれている人たちのために、家族のために、時には頑張っているご自身のために応援として折り鶴を一緒に折ってもらえたらと思います。

 

心をひとつにすれば、きっと素敵な事が起こると信じています星おねがい

 

長文でしたが、最後までお付き合いいただき有難うございます。義理チョコ

 

では、おやすみなさい。