あれは



ももたの
お墓参りに
行く途中だったね









自転車で駅に
向かおうと
走りだした道






君が
私の前を横切った









その道で
数ヶ月前



ももたが
事故に遭って

亡くなった






ちび太郎も










以前から
そこを通る
猫チャンには

気を付けてネ

声をかけてた道だった











君は何処に
行こうとしてたの?






オレンジ色の
明るい毛色に
痩せっぽっちの体で




トコトコと

恐がる訳でもなく
悠々と道路を
横切り
歩く姿を見て






思わず危ないよ

声をかけてた











声をかけた
私を




君は
ジィっと
見てたね










見ない猫さんだね


最近来たの?



この道は
危ないから
気を付けてネ






もし
お腹が空いて
困ったら
家においで

直ぐそこだから


あそこに
見えてる
茶色の屋根の
お家だよ




きっとだよ
待ってるから











そういう私の顔を
君は
まるで言葉が
解ってるみたいに
聴き入って
見ていたね











それから
一ヵ月半位した
5月のある日






君は
本当に
我家の窓辺に現れた








いらっしゃい

やっと
諦めて来たね













旅猫さん
だった君が



我家の家族に
なった時だった








お外の自由は
楽しいもんね











でも



やっぱり
危ないよ







来てくれて
ありがとう







今日から
此処が
君のお家





もう旅には
出ないで
家の仔に
なりなよ







ももたの
お墓参りに
行く途中に
出会った仔だから



ももたが
逢わせてくれたんだね









君とは
何だか


縁を感じたんだ







私達は
それ以前にも


すれ違っていたよね











私には
思い当たる
出来事がある









一年越しの
出会いだったのかな







今度は
私の目の前に
現れてくれた







どうやって
生きてきたのか






どこで
生まれたのか








少しずつ
旅をして
移動して











私のとこまで
来てくれて







ありがとう

ちびた














にゃーニコニコ