彼からの
思いもしなかった告白で
付き合うことになった私たち
お互いのことを
解り合うようことによって
彼に合う回数は次第に増えていった
「仕事と恋愛の両立」
私の中で
最大のテーマだった
彼と付き合うことで
もし私が仕事で何かの
失敗をしてしまったら
彼は自分を責め
私の前から
居なくなってしまうのではないかと
不安を抱えていた
それでも私は
彼に会いたくて仕方なかった
どんなに仕事で疲れていても
彼に会えば
そんなことは忘れていた
付き合いだして間もない頃
私は彼の妹さんの
お墓に連れて行ってもらった
彼の大切な場所…
その大切な場所の前で
彼は
妹さんに私を紹介し
報告した
あの時は本当に嬉しかったな…
「お前の姉ちゃんだ」
などと言いながら
墓前に手を合わせていた
付き合って間もないのに
「結婚するからな」
なんてことも言ってくれた
私は墓前に手を合わせながら
心の中で
「あなたとあなたのお兄ちゃんの家族になりたいです」
と
話しかけていた
まだ一カ月も経っていないのに
まるで結婚しているかのような…
私たちの関係はそのくらい親密だった
彼が私にくれたものは
愛や優しさだけじゃない
人と出逢うことの大切さ
人を敬うことの大切さ
人を尊ぶことの大切さ
人を信じることの大切さ
人の心を聴くということの大切さ
彼からもらったものは
計り知れないほど大きなものだった
今の私があるのは
今も私が経営者としていられるのは
彼と出逢うことが出来たから
本当に心からそう思う
当時まだ20歳だったけど
いつかは本当に結婚したい
彼はそう思える相手だった
そんな彼との幸せな毎日は
続いていく
ある日
大切なプレゼンを控えた前日に
ものすごい風邪をひいたことがあった
熱もかなり高かった
もともと扁桃腺が弱かった私は
風邪をひくと
喉がひどく傷み
声が出なくなってしまうくらい腫れていた
うがいを何度しても
声はガサガサ
私は
かなり具合も悪かったが
プレゼンの資料に目を通しながら
困り果てていた
どうしよう…
こんな声では
プレゼンは出来ない
その日の夜
彼が雑炊などを作りに来てくれた
彼にプレゼンのことを話すと
「ちょっと資料見せて」
と言い
真剣な表情をしながら見ていた
10分ぐらいは黙って見ていたかもしれない
「ふーん」
「明日おれがやるわ」
「えっ??」
「このプランなら誰がやっても通るよ」
彼は自信たっぷりに言った
あまりにも急な提案だったので
正直驚いたが
彼の顔を見ていると
なんだか大丈夫なような気がしてきた
プレゼン当日
朝から調子は悪かった
声はやはり出ない
プレゼンは午後から
彼は仕事を調整し
途中で駆けつけてくれた
会場に到着した
私は緊張していた
本当に大丈夫なのかな…
不安でいっぱいだったが
彼の表情を見ると
全く動じていない
いつもと同じだった
時間になり
彼は会場の中央に向かった
後ろに組んだ手は
余裕を表しているのか
ピースしていた
いよいよ始まった
彼はほとんど
資料に目をやることもなく
流暢に話を始めた
私は圧倒された
会場も同じような雰囲気だった
彼の話す内容は
私の企画を
最大限に表現してくれた
もし私がプレゼンされる側であれば
間違いなくサインアップしている
彼の才能を初めて知ることになった
本物だ
会場中が
彼の話に引き込まれていた
プレゼンは終わり
会場は拍手喝さい
見事なプレゼンだった
無事に企画は通り
私は新たな仕事に
取り組むことが出来た
「本当にありがとう」
「あれは企画が最高だったから」
彼は何食わぬ顔で言う
「あんな才能があったなんて知らなかった」
「だから企画が良かったんだって」
彼は謙遜するように言った
仕事の面も
プライベートも
彼には救われることが多々あった
そんな彼を心から尊敬し
愛していた
彼なくしては
生きていけない
それくらいの存在になっていった
今日はこの辺で…
有難うございました
よろしければポチっとお願いします![]()