私は普通の人間ではない

この店では

一人前の キャストだが

私達に与えられる

お金は何もなく

忙しないあのジジイが

すべて持っていってしまう


私達は 人の目を引く特徴を持つ

人間ならざるものとして

親から見捨てられ

居場所は

ここしかない


ならばここでせいぜい

美味しくない飯を

分け与えられて

それでも 尊厳なんてものに

憧れや羨望の眼差しを向ける


ドレスを着て歩く淑女


私は手が4本あるから

誂われたこの服が

私のドレス


それでもまだ奇怪な

外見の者はここには多いから


それよりマシだ

何がマシなのだろう


ただ容姿を馬鹿にされ

時には不気味に思われ

恐れられ


そうして私は年を取る


人の外見

それは 目を引くもの

興味の関心として映るから

これはとても効率的に金が稼げる


幕が上がり


幾本の腕があるのを隠し


最後に4本の腕を出した時の人の顔

様々だ 見に来といて

その顔をするのか

面白い


人間とは見たいものはあるが

見たくないものも見たい

生き物のようだ


私もその中のひとりなのに


お前たちと 何も変わらない