とある私鉄沿線に
その駅名はあります。

春の陽射しのせいで
うたた寝をはじめたとき
瞼の奥が桜の蕾のように
濃厚なピンク色になりかけて
薄眼を開けると
その電車は速度を落として
ゆっくりとホームに近づいていきます。
春色なのは車掌さんのアナウンスも同じです。

駅の名前は
「アジマン学園前」

この駅は
急行も止まるのだけど
天気のいい日と
これといって急がなくていいときは
もうかれこれ6年間、僕は各停の電車の
一番後ろの車両に乗ることにしている。
次の駅に向かうために
過ぎ行く駅のホームをしっかりと確実なポーズで
突き出す白い手袋の人差し指は
僕の視界の隅っこで
「人生だって指差し確認!オ~ライ」と
自分自身に言い聞かせているようで
僕はどことなくさりげなく勝手に共感しています。

という理由で
この「人生だって指差し確認」がたくさん演じられる
各停電車が好きなのです。

はて?おや?
今日は何をするために僕は学園に行くのであろうか?

決まりのポーズが決まった車掌さんに
小さな拍手を送りながら
駅前で申し訳なさそうにティッシュを頂き、
若きストリートミュージシャンが
本日の自分だけのステージになるであろうエリアに
指差し確認をしている。
彼の指の先に素敵な未来が見えていたのを僕は見逃さなかった。
「ギターだって指差し確認!オーライ!」って
先程の車掌さんの声色で心の中でつぶやいてみるが、
若者の未来は見えても、
やはり本日の僕の主語が見当たらないのです。

まぁ~学園に行けば
みんながいるから
なんとかなるでしょう。と、生まれつきのこの性格に
戸惑うことなく丘の上にある学園のある坂道を歩き出す。

他愛もない日々の中で
ここの学園の生徒さんと
微笑みあって、頷きあって、
時には悲しみを喜びに変換しあったりもしましたね。

日々の重ねで
六年間もこの坂道を上り下りしながら
みなさんと繋がることができました。

よし!今日は何をしに来たか、もうすっかり忘れてしまったので、
先ほどの「人生指差し確認」を学園内で出会う人、出会う人に
伝授していこう。


たとえそれが、最終的には
「アッチ向いてホイっ!」に
なってしまっても、それはそれで、
ココロがほのかに甘くなっていいじゃないか!












坂の途中にある桜並木を眺めていると・・
あっ!!思い出した!


七年目もよろしく!だった。


追伸

この六年間のBlogの中で、
「思い出せなくても、忘れられそうな
学園長のお言葉とか行動とかが
ありましたら、ライト感覚でサラッと
答えてください。
よいか?サラッとラッぷぷぷでお願いします。」