ステージ4 抗がん剤...

職業柄がん告知の場面に同席したことは何度かありました。まさか自分が告知される側になるとは...あの頃は全く思ってもいませんでした。入院までの2週間ちょっと「自分はもう死ぬんだ。あの子達(鳥とネコ)を看取ることも出来ないんだ。」と1人で何度も泣きました。何度も最期の場面が頭をよぎって「死ぬことの怖さ」を感じていました。夫は「まだ決まったわけじゃないから今は手術することだけに集中しよう」と言ってくれます。確かに決まったわけではないけど...99.8%悪性で転移まであるわけだから、確定だよ。なんで自分なの?しかもなんでこんな希少な病気なの?

でも、手術すれば今のこの痛みからは解放される。多分鎮痛剤もいらなくなる。象さんみたいになった足も良くなるかも。そして、うつ伏せで眠れるようになる...と時間が経つにつれて段々と思えるようになってました。たとえそれがその時だけでも、どんな未来が待っていようと...

 

入院で必要なものをそろえ、仕事の引き継ぎもすませましたが、一番心配したのはネコと鳥のこと。

ネコはおとなしく穏やかで鳥は気が強く攻撃的、しかも翼に病気があるのでちょっとした刺激で出血してしまう。そして鳥は私にしか懐いてない!!ごはんや水の交換が夫にできるのか不安。夜、鳥が寝ている間なら大丈夫かと思い、実際夫に交換してもらうと...成功!!なんとか鳥を興奮させることもなく交換できました。良かった、本当に良かった。1週間から10日前後の入院と聞いていましたが、この子達は私のこと忘れちゃうんじゃないかとか、なんでいないの?と悲しい思いをさせるんじゃないかとか...いろいろ不安でしたが、とうとう入院の日が来てしまいました。

 

2回目の大学病院受診の続きです。

99.8%悪性 ステージ4 奈落の底に突き落とされながらも、「全身に転移と言っていましたがどこに転移しているんですか?」と冷静に質問する自分がいました。するとA先生は自分の右手で自分の左右の胸とお腹のあたりを「ポンポンポン」と言いながらまるで野球のブロックサインのように答えました。この間のCTで分かったんだろうけど「ポンポンポン」ってなんだ?せめて画像をみて説明してほしかった。でもこの時はなぜか「画像を見せて」と言えませんでした。結局、両肺と肝臓、腹部大動脈近くのリンパ節の合計4ヶ所に転移しているということでした。

4月に手術、その後5月くらいから抗がん剤治療と言われました。抗がん剤は病理診断が出てから何を使うか検討するとのこと。職場復帰について質問すると、少し怪訝そうな表情で「仕事?治療してみないとね」と。具体的な手術の説明は入院してからということで診察は終了。すぐ看護師さんに呼ばれ入院の手続きなど説明を受けました。

夫とまともに話ができたのはお会計が終わって病院の玄関を出たところでした。夫は「あなたもショックだろうけど、俺もショックだった。あなたは死ぬの?」うーん...それを本人に聞くか?99.8%と言っていたから肉腫なんだろう。5年生存率は確か...いや私の場合ステージ4だから5年なんて無理、1年くらいなんだろうか?

 

とにかくお昼食べようと夫を誘い、病院近くのラーメン屋さんへ。この時、夫は泣きながらラーメンを食べてました。

3/19 2回目の大学病院受診の日

10時30分の予約だったので10時頃婦人科の受付をしました。前回は5分くらいで呼ばれたから今回はどうなんだろう?って思いながら待合の椅子に夫と座って待ってました。その時ふと外来診察の医師名が書いてあるボードに先日診てもらった教授の名前がないことに気がつきました。あれっない?どういうことなんだろう?受付に行って確認すると「今日は教授は外来日ではないです。教授は初診だけでその後は別の医師に割り振られます。今日はA先生になりますのでお待ちください。」とのことでした。そうなんだ...言ってほしかったな。まぁそうだよね常識で考えたら教授が患者を担当するなんて、よっぽどVIPでない限りないよね。

1時間待ちました。夫が「忘れられてるんじゃないの」と言い始め、2時間がたつと「お昼食べに行ったんだ」と。そしてようやく13時前にA先生の診察室に呼ばれました。

40代後半くらいのがっしりした体格の男の先生でした。「初めましてよろしくお願いします」と挨拶をすませ着席。するとなんの前置きもなく「〇〇さん、あなたの病気は99.8%悪性と思われます。病気の進行はステージで表現しますが、1~4の4です。5が死というわけではなく進行状況の表現です。あなたは全身にかなり転移しています。早急に手術をして抗がん剤治療をする必要があります」と一気に話されました。私は最初、なんの話をしているんだろう?一体誰の話?ときょとんとしていたと思います。すると夫が「あの...彼女のことですか?」と質問。私と同じで誰か別の人の話じゃないかと夫も思ったようでした。というか、私のはずがないと思いたかったんだと思います。「〇〇さんのことです。非常に進行した状態です。」と。そこでようやく自分のことなんだ...と、これが現実なんだ...と、奈落の底に突き落とされた瞬間でした。