静かな恋の物語 -2ページ目

静かな恋の物語

今日の「絶対」が明日の何になる?
 変わらないものがない この世界だから
  今この瞬間を忘れないように…。

わたしが久しぶりに連絡した日は

たまたまお客さんのところに携帯を忘れたんだって。

最近兄ちゃんも忙しいって。

chacoは落ち着いた?って。


特に変わらない様子で返信が来た。


拍子抜けと同時に

偶然で、こんなにも不安になるなんて。


それからは一日一通くらいのペースで

ゆるやかなやりとり。

ごはんに行きたいけど仕事終わりが遅くてなかなか誘えないって。

映画もまた行こうって。


兄ちゃんは気持ちはたぶん変わってなくて

追いかけることをしなくなっただけ。

落ち着いたんだろう。


だけど、わたしは。

落ち着いたんだけど、連絡とるのやめようなんて思わないけど、

でも、もう。
翌日になって朝も連絡なく。


もう忘れることにした。

その程度だったんだって。

忙しいのかもしれないけど

仕事の日に一晩中未読のまま無視されることはなかった。

スマホの画面をつけるたびに

LINEの通知を見つけるたびに

だんだん兄ちゃんかなって思わなくなって来た。



仕事中、休憩になってふとスマホを見ると

来てたLINEの通知は兄ちゃんからだった。
既読にならなかった。

そんなに遅い時間にLINEしたわけでもない。

しかもたまたま帰り道に兄ちゃんの職場の駐車場の前を通って

車があったのが見えたからその数分後に送った。

遅くまで仕事頑張ってるね〜って。

ストーカーみたいだな。

けど駐車場教えて来たのは兄ちゃんだし

わたしもよく使う道だから仕方ない。



寝てる?でもまだ仕事してるはず。

ブロックされた?でもタイムラインは見れる。

返す気になれない?飽きられた?


いろいろ考えてしまうあたり、

わたしもいなくなって焦るタイプなのは変わらない。



もういいよ、よくわかりました。


そういうニュアンスの文章を打ち始めて

手を止めて

消した。


一向に既読にならない画面を何度か見て眠った。
偶然兄ちゃんっぽい人を見かけた。

その人はトラックに乗ってて。

兄ちゃんは新しいトラックになるって言ってたから

どんなトラックに乗ってるかは知らない。

交差点ですれ違ったのも一瞬だから半信半疑で。


前だったら、今会ったねって電話が来たけど

もう来ない。わたしも掛けない。

もしかしたら見間違いだったかもしれないと思ったけど

それでもドキドキしていることに気がついた。


なんでだろう。

あれだけもう嫌だって思ったのに。



その日の夜、兄ちゃんに久しぶりにLINEをしてみた。
わたしが冷たい態度取り出してから

ちょこちょこLINEはしてたけど

他の男性の話を出したところで

ぱったり連絡が途絶えた。


このまま

連絡が来なくなればいい、という思いと

いつ来るかな、という思いが交錯する。


未来はないから、見切りはつけたから

無駄な時間を過ごしてるヒマはない。

仕事も頑張りたいし、辞めてやってみたいこともある。


兄ちゃんから誘われてた映画

もうそろそろ終わっちゃうからひとりで観に行こうかな。