私の憧れは 祖母
母方の祖母
私の憧れであり 目標の人
スラっと背が高くて 着物が似合う
とても明るくて 高い声でよく笑う
料理上手で 綺麗好き
祖母の周りは いつも笑顔の花が咲いていた
祖母がいると 穏やかで和やかで賑やかだった
口は悪いけれど 嫌味がない
白黒はっきりつけたいところは
祖母譲りかもしれない
祖父のことが大好きで
いつでも祖父ファースト
祖父も 祖母のことが大好き
祖母の姿が見えなくなると
「おばあちゃんは?」が口癖だった
相思相愛の2人
母や叔母たちからは 厳格だったと聴くけれど
私にとっては 憧れの祖母で
理想の夫婦だった
私にとって 祖母は
母であり 姉であり 親友だった
誰にも言えないことも 祖母には言えた
私の話を絶対に否定しない
聴いていても そうでなくても
頷いてくれる
ただ それだけで良かった
〜〜
あなたが行きたい道を
行きたいように進めば良い
きっと大丈夫
〜〜
いつも私の背中を押してくれた
母と喧嘩した時
家族が嫌になった時
友達のこと 病気のこと
仕事のこと 恋愛のこと
何をどれだけ話しただろう
祖母にだけは 何でも言えた
ただただ 聴いてくれた
ただただ 笑い合った
他愛もない時間を 共有できる幸せ
ただ それだけで充分だった
小さい頃は
祖母の布団で寝るのが 日課だった
祖母の温もりを感じて ぐっすり眠れた
優しい祖母の温もりと香りは
今でもよく覚えている
夢だった保育士になって
初めての初任給
祖父母に ペアの湯呑みをプレゼントした
祖母は泣いていた
嬉しくて 使えない と
数年後
お茶目に 「割れちゃった」と聞いたことも
良い思い出
誰よりも早く起きて
掃除 洗濯 料理
朝ドラや大河ドラマ鑑賞
食後のデザート
一日をたっぷり楽しんで
21時には寝る祖母
そんな祖母に 言えなかった私の夢がある
「おばあちゃんに花嫁姿を見せること」
おばあちゃんの大好きな
藤色のカラードレスを着るのが夢だった
20代後半で お付き合いしていた人と
結婚を考え出した時
おばあちゃんは 病気になった
どんどん痩せて 小さくなって
私のことも分からなくなった
病院のベッドに横たわる おばあちゃんは
知っているおばあちゃんの姿 ではなかった
天井を見つめて 口を開けたり閉じたり
人の気配を感じると その方向を
じっと見つめる祖母の姿
でも
手の温もりと柔らかい匂いは
おばあちゃんだった
それから 数ヶ月
私の夢を知ることもなく
おばあちゃんは 星になった
その後 彼ともお別れした
藤色のカラードレスの夢は
まだ私の夢のまま
〜〜
ねぇ おばあちゃん
見えていますか? 聴こえていますか?
おばあちゃんに 言えなかった夢
もし 言えていたら
現実になっていたのかな
〜〜
「思いは 言葉にして
口に出すと 叶うんだよ」
そう教えてくれたよね
もし 思いを口に出していたら
私の夢は 叶っていたのかな
何回も後悔した
あの時 言えば良かった と
でも 今は
あの時 結婚を選ばなくて良かったと
思っている
〜〜
ねぇ おばあちゃん
ちょっとずつ 私も前に進んでるよ
あの頃の夢は 夢のままだけど
今 すごく 幸せだよ
〜〜
空を見上げるたびに
おばあちゃんの声が 聴こえてくる
ちゃこ って呼んでくれる声
幸せでいてね って語りかけてくれる
〜〜
おばあちゃん
この13年間 色んなことがあったんだよ
話せば長くなりすぎちゃうな(笑)
おばあちゃん
私の味方で居続けてくれて ありがとう
私を丸ごと愛してくれて ありがとう
〜〜
会いたくて 会いたくて
声が聴きたくて 温もりを感じたくて
ただ 頷いてほしかった
納骨から なかなかお墓参りに行けなくて
でも今年 やっと足が向いた
お墓に向かって たくさん話して帰った日
都会の空に 星が見えた
都会に見える 星はすごく輝いて見えた
〜〜
会えないけれど 見えてるよね
大好きなおばあちゃん
今はきっと おじいちゃんと肩を並べて
見守ってくれてるよね
〜〜
輝く星空を眺めて
空気を感じながら目を瞑ると
満点に輝く星が 全身に広がっていた
憧れの祖母は 私の中の星になって
今も 背中を押してくれている
そして 今も私の目標であり 目印だ
※数年前に行った 九州旅行で見た星空
