葬儀後、兄一家は早々に実家を立ち去りました。
叔母達には、何度も
「父が心配で、気がかりなんです」的な発言をしていて。
父にも
「親父、これからは頻繁に連絡するから」
と、叔母達の前で言いました。
父は
「そうかそうか、気にしてくれて本当に有難う」
と頬を緩ませて、嬉しそうに繰り返しました。
その後ほぼ一年、頻繁どころか一度も、兄から父に連絡して来たことはありませんでした。
母の長い闘病生活の間も、自分から連絡してこなかった兄。
叔母達に対する体裁でそう言ってるだけだろうなと、私は思いましたが…。
兄自身の体裁の為のその場限りの言葉に期待して、来ない兄からの電話を待つ父が
不憫でした。