葬儀と火葬を終え、ようやく実家に親族皆で戻ってきました。
心身の疲労で注意散漫になりそうな中、ずっと車を運転し続けていたので…
何事もなく実家に帰りつけた事で、本当にほっとしました。
みんなにお茶と茶菓子を出し…
一息ついたら、兄と、一人残された父の今後をどうしていくかについて話し合おうと思っていました。
父は骨にヒビが入って歩行が厳しくなっていたので、余計に…。
ところが戻って早々、兄はタクシーを呼んでいて
「もうタクシーが来るから帰るわ。後はよろしく」とだけ言って、
ひらひらと手を振りながら(この態度も本当に許せなかった)私の顔をまともに見る事もなく、義姉や子供達と一緒に玄関に向かいました。
「いやいや、後はよろしくって言われても!」
私も、さすがに声を上げました。
そんな私を振り返る事なく振り切るように、兄はさっさとタクシーに乗り込みました。
兄に続いてタクシーに乗り込む時の義姉は、本当に嬉しそうな笑顔で私に手を振りました。
あんな満面の笑顔の義姉を見るのは初めてかもしれない、と思いました。
義姉には「葬儀に出席してお疲れ様でした」と思うだけで、それ以外は特になんとも思いませんでした。
ただただ、兄にあきれ果てました。
父は私だけの父じゃない。
兄の父でもあるのに。
育ててもらった恩は同じなのに。
どうして「後はよろしく」の一言で、すべてを私に丸投げし押し付けて逃げられるのか?
怒りなのか、情けなさなのか…
こみ上げてくる、どうしようもなくやるせなくしんどい感情に押しつぶされそうでした。
しかし、ここまででもまだ序の口でした。