高校の人脈は役立つのか

 

慶応義塾大学の三田会などOBのつながりが強い大学はよく聞きますが、高校の同窓会人脈は役に立つのでしょうか…

私の経験からは「役立つ」と言えます。進学校に通うといいことは単に進学に有利、いい教育が受けられるというだけではありません。

 

 

私は関西の中高一貫校を卒業しています。

現在医師をしておりますが、高校のネットワークは役立っています。関西とは離れた九州で働いていますが出身地を言うと出身校の話題となり、高校の先輩や後輩が気付いてくれてネットワークが広がります。また高校同窓会にて医師の集まりがあり、情報交換などもできます。自身が所属していた大学病院では、高校の出身者が入学してくれば声をかけて飲み会をするなどもしていました。出身大学が同じよりもより同じ高校の出身のほうが小さな集団で帰属愛が強いと言いますか、高校が同じだったときの親近感はかなりのものがあります。

 文系の同級生などにも話を聞きますが、たとえば官庁勤務の高校出身者はネットワークがあり仕事に役立っているようですし、銀行勤務の人たちはみなそれぞれ仕事の話のやり取りをしているようです。伝統校、名門校、進学校といわれる高校を卒業することは長期的視野で見ても有用であると言えると自身の経験から思います。

 

  しかしメリットばかりではない

 

いいことづくめのようなことを書きましたが、マイナス面もあると思っています。自身が社会に出て様々な人たちに接するたびに思うことは「中高は温室だった」ということです。私の高校の同級生の親は医師や弁護士、大学教授、在外公館の大使、有名企業の取締役、会社経営者など普通ではないのです。社会における貧困などとは縁遠い世界でした。世の中には才能は有れどもチャンスすら与えてもらえないこどもがたくさんいること、頑張れど頑張れど貧困から抜け出す糸口すら見つけられない人などがたくさんいることに社会に出てから気づきました。我が家は両親は高卒、普通のサラリーマン家庭でしたが、その普通すら普通でないこどもたちと接する機会が中高生の時期になかった…

このことは大人になって社会的にリーダー的役割を果たす際に障壁となるのではないかと、年齢を重ねた今思っています。