​公立トップ校から国公立医学部

 

前回私立中高一貫進学は地方国公立医学部医学科への必須ではないと書きましたが有利であるとも書きました。

その意味を私が在住する九州地方の高校からの国公立大学医学部への進学実績から見てみたいと思います。 


今回は熊本県と大分県。

どちらも一番手の公立高校の合格実績が圧倒的なためそれぞれ熊本高校、大分上野丘高校で見たいと思います。(データは2024年)

 

 

◇ 国公立医学部医学科合格者数 

  熊本高校 44 

  大分上野丘高校 34

 

  これに現役合格者数を加味します。

  熊本高校 44(内現役17) 

  大分上野丘 34(内現役20)

 

  ここに卒業者数を付け加えます。

  熊本高校 44(内現役17)/401 

  大分上野丘 34(内現役20)/308

 

 医学部医学科にもレベル差があり、実力はあるものの上位大学にチャレンジし不合格となったケースもあると考えられますが、データに反映することも難しいのでここは考えないこととします。一方、東大、京大は単純比較はできないものの文系理系とも国公立医学部医学科と同等と考えて数字を書き足します。(京大は特色入試も含みます)

 

■ 熊本高校 44(内現役17)/401 

  東大14(内現役11)京大16(内現役8)

■ 大分上野丘 34(内現役20)/308 

  東大6(内現役5) 京大3(内現役3)

  

 他学部他学科との比較でレベル差が言われる京大医学部人間健康学科が熊本高校が現役1でしたので減じます。すると


■ 熊本高校

 17+11+8-1=35/401:8.7% 

■ 大分上野丘高校

 20+5+3=28/308:9.1%

  

 大阪大学はどうか、一橋大、東工大はどうかなど難しい因子はまだまだあり意見が分かれるところですが、この指標でいうと県立トップ校では上位10%に入っていなければ地方も含めた国公立医学部にはいけないという感覚になるかと思います。


 地域トップ高に入学したからバラ色ではない、厳しい現実です。


 一方、九州のトップ私立の数字はどうかというと(2校とも京大医学部人間健康学科は0)

  

■ 久留米大附設

 国公立医学部 73(内現役49)

 東大32(25)京大10(8)/203 

 :40.4%

■ ラ・サール 

 国公立医学部 71(内現役37) 

 東大37(24)京大6(3)/199 

 :32.2%

 

 必須ではないけれど有利と述べた背景はこの数字からの考察です。熊本大学医学部医学科は熊本高校が25名でトップ、大分大学医学部医学科も大分上野丘高校が19名でトップです

 が、現役率、卒業生の数やその他難関大学まで勘案すると私立中高一貫校が有利と言えそうです。