芸大に居ると、天賦の才を目の当たりにすることがある。
私自身は天賦の才を持った天才ではなく、凡人だ。このことを痛感させられる。
今の芸大に入る前、私は別の芸術を少し齧っていた。そこでも、今と同じような思いをした。
芸術家特有の独特の世界観も、少し変わった気質も、芸術というフィールドを抜けた場では自分にあるものだと思っていた。だが、芸術の世界では違う。なにもかもが異質だ。私はどちらかといえば無個性な方なのかもしれないと思う。
大体目をかけられる子は、まず経験量が違う。場数を踏んでいる。そして、有無を言わせぬ才能がある。
纏っている空気がそもそも違う。場を凍らせない何かがある。
……私は、何を卑屈になっているのだろうか。