アダムのルーツをたどって故郷サンディエゴへ


今日は今回の旅の中で唯一ライブがオフの日。

5泊7日の旅で4回同じ歌手のライブ。全く自分でもばかげていると思う。
アダムに出逢う前なら、もしそんな人がいることを聞いたら「その人大丈夫?」と言ったに違いない。だからもちろん、今自分がそう言われていることは自覚している(笑)。



オレンジカウンティは治安も良いと友人は言う。東京よりよほど安全だと。

その言葉に励まされて、今日も一人歩き。住んでみたい街として人気のニューポートビーチへ今日はバスに乗って行ってみる。

降りたい場所が近づいたらこのひもをひっぱる方式。おもしろいなー
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ニューポートビーチは驚くほど砂浜が広くて気持ちのいいビーチだ。
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ニースなら、海沿いは一流ホテルが並び、ホテルのプライベートビーチも多い。最も良い場所は特権階級のものという感じがする。

けれどここは、アットホームな感じのこぢんまりした借家が海沿いにたくさんある。

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日本の海の家はなんとなく雑然としていて私はどちらかというと苦手だが、ここはいろいろな施設も整然として開放的だけれどプライバシーも守られている感じがする。

海に入るには気温が低すぎるので、ビーチでくつろぐ人がほとんど。リタイアして1年くらいこんなところで過ごすのもいいなあ。




大学の試験が終わって合流する娘がLAX(ロサンゼルス国際空港)から到着するまでの間、ホテルの近くにあるスタバでWIFIを利用してネットチェック。

アメリカはフリーWIFI環境が進んでいる。今回の旅でも空港やホテルで独自のWIFIを展開しているところがたくさんあった。中でもスターバックスのWIFIは感度も良く使いやすい。

スタバは至る所に存在する。コスタメサは見るからに田舎町だが、私の宿泊したホテルから50mの所にスタバとサークルKのコンビニが並んであった。
そしてアメリカスタバは、お店によってメニューも価格も全く違う。コスタメサのスタバはサンディエゴの半分の価格で飲み物が買えた。WIFI環境のせいか、PCを持ち込んで長居している人も多い。



乗り合いバンのSuper Shuttleに乗って娘が到着。

サンディエゴまで約150kmの道のりを車で送ってくれるという友人の厚意に甘えて、車でコスタメサを後にする。
途中アメリカのリアリティショーの名前にもなっている「ラグーナビーチ」などを散策しながら、車は南へ。



「できればアダムの卒業した高校を見てみたいんだけど。」との私の願いを、教育行政も研究のテーマである友人は快諾してくれて、一路フリーウエイをナビに従いMount Carmel High Schoolをめざす。


アダムが2000年に卒業したMount Carmel High Schoolは、サンディエゴの繁華街から北へ25kmほど入った山中のRancho Penasquitos地区にある。
山中をかなり走って看板が見えた時には、去年のホームカミングデーを思い出して、胸が高鳴った。

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日本の高校からは考えられない広大な敷地にゆったりとした施設。
既に夕闇の迫る時刻となっていたが、施設開放しているのか、プールを利用する親子連れ。
大人のためのサマースクールも開校していて、おそらく英語の授業なのだろう、熱心に指導が行われているのが見えた。

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全米の優秀校の証であるブルーリボンの受賞は、友人によれば価値のあるものだという。

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そのほかにもさまざまな指定を受けていることが表示されていて、この学校が有数の優れた教育活動を行っていることをうかがわせる。
ただし、こちらには受験がないから優秀な生徒を集めているわけではない。その学校がどのような地区に所在しているかと学校自身の努力だけが学校の評価を左右する。


友人は仕事柄、南カリフォルニアのいろいろな学校を訪問しているそうだが、どこの学校でも生徒のdiscipline(規律)が行き届いているのに驚くそうだ。アメリカの学校といえば自由なイメージがあるが、日本よりも遥かに授業規律は厳しく、受験によらずモチベーションを維持させている。それがなぜできるのか、キャリア教育の問題なのか。


この学校で大切なスポーツの試合には必ず国歌を歌い、皆に知られていたというアダム。
音楽の先生がインタビューに答えて、「最も才能のある生徒だった」と称賛したアダム。
けれど友達が少なかったというアダム。そんなアダムを「大人になったら少し人と違うことに皆あこがれるようになるし、そういう人の方が人気があるものだ」と励ましたというパパ。





あのホームカミングデーでパレードしたフィールドを探すが、広すぎてなかなか見つからない。友人があきらめずに職員に聞いてくれて、ようやく斜面を上りたどり着いた。


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ここだ。


大勢の人々の熱狂と歓喜に包まれ、オープンカーでパレードし、レイラママが涙をぬぐった場所。
Black or Whiteを歌い「人と違うことなんか気にするな!」とメッセージを後輩に送ったアダム。
水着姿で飛びついた女性に「You Rock!!!」と笑ったアダム。母校の誇りとなったアダム。





今は静かにフィールドを走る数人の人影のみ。

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私は大きく息を吸った。


この場所から10年前、ストロベリーブロンドでちょっと太めだけど抜群に歌のうまいアダム・ランバートが、ブロードウエイで成功する夢を抱いて巣立っていったんだ。




アダムの体重が100kgを超えていたことは自らアメアイの公式質問で答えていたが、その体重はこちらではちっとも珍しいことではない。
TVでは、太りすぎに注意しようとのコマーシャルが頻繁に流されるそうだが、とにかく多くのアメリカ人は食べる。平均の摂取カロリーがおよそ日本人の1.5倍。私はこちらでは2回の食事で満腹。それもいつも残してしまう。日本では決して少食の方ではないのに。

セレブはジムに通って体を絞り、体重を維持する。レイラママは中年アメリカ女性としては例外的に細いが、足は筋肉質で、たぶん鍛えているんだろう。



サンディエゴのライブ会場であるSymphony Hallの名を冠したシェラトンホテルに到着したときには、すっかり日が暮れていた。


映画「トップガン」でトム・クルーズが食事をしたという名物レストラン「Kansas City Barbeque」でハンバーガーを食べて、友人とはここでお別れ。

ありがとう、本当にお世話になりました。大学院のプログラムがあるのに、毎日私につきあってくれて。
ライブのためにアダムの予習もしっかりしてくれた。



いよいよ明日はアダムが故郷に錦を飾るメモリアルデーだ。