NHK 総合テレビ 2009/11/12(木) 22:00~
NHK「ブラタモリ」公式サイト
今回は三田・麻布。
久保田アナは、慶応大学出身なので、このあたりを良く歩いていたそうです。
冒頭で歩いていたときに通った『麻布ラーメン』もよく食べに来たみたい。
慶応大学東門が見えるあたりで、タモリが、
「この右側の坂があるんだけど、その辺り一帯は別世界でいいよ」
って言うと、久保田アナはそこには行ったことがない様子。
彼女はにぎやかな場所しか行ってなかったのね~。
ここ三田・麻布には日本にある大使館の3割が集中してるってことで、
国際的なエリア。また、江戸の風情が残っている場所でもあるという。
網坂の変わらぬ風景が今と江戸時代の写真で紹介され、
浮世絵の「麻布一本松の図」と同じ場所に今も松が立っていることが紹介された。
ということで、三田・麻布で江戸情緒を堪能するという企画。
陣内秀信さんの著書:
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★イタリア大使館にお邪魔する
タモリと久保田アナがイタリア大使館に向かう途中、
レストラン「CHEVALIER」の前で立ち止まり、
タモリが、ここはイタリア大使館を意識していると言い出したが、
ここはフランス料理の店。(笑)
この先で今回の案内人、法政大学教授・イタリア建築史家である
陣内秀信さんと合流。タモリと同じ福岡の出身だそうです。
ということで、陣内先生がイタリア大使館の門の鉄格子ごしに
マリオブラザーズのマリオみたいなイタリア人大使館警護官と
イタリア語で取材に来たものだと説明。門を開けてもらって中に入った。
大使館の建物の玄関で一行を迎えてくれたのは、
駐日イタリア大使のウィンチェンツォ・ペトローネさんと通訳の上浪えりかさん。
奥に案内されると、ロビーから見える立派な日本庭園!
じつはイタリア大使館のある場所というのは、
江戸時代は伊予松山藩・松平隠岐守の屋敷。
ここがイタリア大使館になることで、松山藩の大名庭園がそのまま残された。
一行はエスプレッソをいただきながら、大使のお話をうかがいます。
この庭は18世紀の日本文学の世界そのもので、夢のようだと話していました。
戦争中は建物の被害はあったが、庭は戦火を逃れたようです。
ここは回遊式庭園なので、一行は大使と庭の池の周りを歩いてみる。
大使も考え事をするときに池の周りを歩くそうです。
途中には人が一人しか通れない幅の赤い欄干のカワイイ橋があって、
ここを超えると、雑木林の山を上ってゆく。このままの姿を維持するため、
庭には手入れ以外には手を加えていないそうです。
その奥には赤穂浪士の石碑がある。
ここは堀部安兵衛ら10人が切腹した地であり、
赤穂浪士の話を聞いた大使が石碑をたてたのだという。
イタリアでは赤穂浪士の話は有名だそうで、
大使のペトローネさんは、この公邸に日本の英雄である赤穂浪士の石碑が
あることをとても光栄なことだと語っていた。
山を抜けて公邸が見える広い芝生に出たところで、
大使の愛犬・リリーが登場。どうやらこの庭は
リリーのお気に入りの遊び場にもなっているようです。
タモリいわく、明治に入ってからこの辺りにあった大名庭園が激減し、
ここはその点で非常に貴重だと。
イタリア大使館になったことで残されたことに感激していたようです。
陣内先生いわく、江戸は戦争や時代の変化で建物は変わったけれど、
土地の形や姿は残って受け継がれているという。
タモリいわく「土地の記憶」が残っているということでありました。
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★一行が次の場所にいく間の歩きながらの話
博多の言葉はイタリア語に似ていて、
東北のほうにいくと、フランス語に似ているということで
タモリが物まねを披露していました。
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★陣内先生おすすめの迷宮空間へ
「高低差がないと街は面白くない」とタモリ一行が向かったのが、
港区三田1丁目のオーストラリア大使館の北の一画。
先生いわく、東京はちょっと歩くと全然違う風景になるのがおもしろいという。
一行は首都高2号線の下から常祐山圓徳寺へ入ってゆく。
寺の境内をずんずん進み、墓までやってくる。
タモリは墓巡りもしていたそうな。
墓の先に裏木戸があり、一行は寺を抜けるかたちで
「三田清風ガーデン」の裏の路地をゆく。
ここから先がまったく違う風景になると嬉しそうな先生。
戦前の建物が並ぶ「静山荘」あたりから、道の曲がり方、
この先が行き止まりかもしれないという楽しみ方であります。
銭湯「小山湯」の脇を抜けて、途中シケインになっている階段を上がる。
ここはタモリが何度も写真を撮ったところだと言う。
上に上がったところから、今来た銭湯を望む。
先生いわく、寺と銭湯は町のシンボルだと。
そこにあった街灯の柱に
「歩きながらタバコをすうのは やめてください」という標語。
でも、銭湯方向を見ると、「やめてください」しか見えず、笑いだす一行。
大使館もいいけど、こういう風景もワクワクして落ち着くと言うのは久保田アナ。
彼女もすこし楽しみ方が見えてきたようです。
あたりにも超高層ビルがあるが、目を違うほうに向けると古い住宅地の一角。
これが東京のいいところで、いい都市って言うのは、
この二つが同時に混在していると先生は言う。
階段を下りて、再び住宅街へ。
この路地には、家の前にプランターや植木鉢の花が各家で並べられている。
日本では良く見かける風景です。
先生いわく、日本は大名も庶民もみんな庭の文化を持っていた。
しかし西洋では、庭は貴族だけ自分の庭を持っていて、
庶民は庭を持てなかったのだという。
西洋は道ギリギリに緑を置いてはいけないのだそうです。
たしかに、ミラノの町並みとか、道ギリギリまで家の壁だものなぁ。
一行は麻布十番駅に向かう昔ながらの商店街を歩き、
タバコ屋の「三立商店」のおばあちゃんにちょっとお話を聞く。
昔から住んでいるひとは変わらないそうで、
今日も井戸端会議だったそうです。おばあちゃんの話では、
この辺りもあと5,6年先になると開発されてしまうらしい。
ちょっと寂しい気がします。
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★ブラタモ写真館
赤い靴の女の子「きみちゃんの像」
麻布十番にある。
麻布十番商店街サイト
タモリの友人は、「♪偉人さんに連れられて・・」を、
「♪ひい爺さんに連れられて・・」と歌っていたらしい。
幼少の私もそう思っていたから、人事ではないですわ。
タモリはこのころの童謡は大人の物悲しさを歌っていて、
子供が悲観的になってしまうと苦言を吐いていました。
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★麻布十番にやってきた
三田1丁目の迷宮を抜けて、一行は一の橋交差点からすこし南に下がり、
麻布十番2丁目あたりに入ってゆく。
ここは「タモリ倶楽部」の製作会社があって、タモリがちょくちょく来る場所。
NHKなので某長寿番組と言っていた。(笑)
※株式会社ハウフルスのことね。
ハウフルスHP
ということで、麻布十番商店街 へ。
ここは昔から商人の町として栄えていたそうです。
老舗で紹介されたのは、そば屋「総本家更科堀井 」。
そのほか、カットだけで出てきたのは、
下駄、傘、草履の「だいこくや」 とおでんの「福島屋」
松尾写真館 前では、タモリ一行が外国人夫が侍姿で写っている記念写真を
楽しんでいました。
ここは江戸っ子と外国人が共に楽しむ人気の商店街と戸田さんの語り。
創業140年の「コバヤシ玩具店 」では、
ご主人から「一番尊敬しているのはマッカーサー元帥夫人」という話!
当時、マッカーサー夫人が昭和25年くらいによく訪れてくれたそうです。
一行が次に向かったのは「十番稲荷神社 」。
目的は麻布の伝説を調べるため。タモリも内容をよく知らないらしい。
タモリが神社で2礼2拍1礼していました。正式なやり方で感心しました。
お守りを買うと、伝説が分かるということで・・「上之字御守」というものを購入。
なかに「ガマ池伝説」を記したものが入っていた。
ここからは、戸田さんが昔話風に読んでくれる。
「むかしむかし、江戸時代。
ここ麻布には山崎主税助(たかしのすけ)さんという旗本のお屋敷があった。
そのお庭にとても大きなガマガエルが住んでいたそうじゃ。
ある晩、山崎さんの家来がお屋敷の夜回りをしていたときのこと。
なんと家来をパックリ食べてしまった。
たいそう怒った山崎さんは、大ガマを退治しようと決意した。
するとその晩、夢枕にあの大ガマが現れ、自分の罪を深く詫びた上、
今後、山崎家をしかと守ると誓ったそうな。
それは恐ろしい夜じゃッたと聞いておる。
麻布一帯は大火事に見舞われ、
山崎さんのお屋敷にも火の手が迫ってきよった。
そのときじゃ。あの大ガマが突如現れ、
おお~池の水を拭きかけ、約束どおり、お屋敷を守ったんじゃ。
あたり一帯は火の海になったが、山崎家だけが難を逃れたそうな。」
これが麻布に伝わる「ガマ池伝説」。
ここで意外にも久保田アナがガマガエルを知らないという事実!
タモリと先生から大きさを聞いて、おどろいておりました。
※神社の階段脇には、大ガマの石像があるのね!
「行ってみますか?ガマ池」
ということで、一行は山崎家屋敷跡の池を探しに向かう。
まずは場所を古地図で確認。
ここでタモリが探し方のポイント。
坂道は江戸時代からまったく変わっていないから、
それを目指してゆけば、必ず行き着ける。
山崎家のある場所は、暗闇坂から1本松坂を南に下り、
氷川神社の前にある西側の区画。
(アルゼンチン大使館や西町インターナショナルスクール、
その西の一角も含まれる、元麻布2丁目10番と14番あたり。)
ご近所の人にガマ池を知っているか聞きながら歩いてきたが、
話を知っている人は一人居たが、その場所を知っている人がいない。
氷川神社辺りにやってきたが、なにせ山崎家の敷地は広いから大変。
そこで「麻布氷川神社」の社務所の巫女さん(あばあちゃん)に聞いてみた。
すると、昔は西町インターナショナルスクールの角を入ってゆくと
池があったっが、今はマンションができて池(庭)が小さくなったそうで、
今はどうなっているかよく分からないという。
昔はこの辺りはガマガエルの泣き声でにぎやかだったそうです。
一行は麻布氷川神社から西町インターナショナルスクールを
くるっと回るかんじで角をまがって南に向かう。
すると、この辺りだろうと見ていたマンションの脇の向こうに、
うっそうと茂る木々が。怪しいと奥に行ってみるが、柵で立ち入れない。
池そのものを見たかったが、タモリは見れないんじゃないかと
ちょっとあきらめ気味・・。
と、このマンションの表の入り口にきてみると、
なんと、入り口にガマの焼き物。
しかもマンションの名前が『THE HOUSE GAMA IKE』!!
(元麻布2丁目10番)
これは伝説と関係ありそうということで、ここの大家さんに連絡。
すると池を見せてくれるという。
やってきたのはマンション持ち主の五味澄子さん。
池はマンションで囲まれているので外から見えないのだと言う。
一行が案内されたのは3Fに住むアメリカ人の
マイク・スティブンソンと妻キャシーさんのお宅。
部屋に通され、ベランダに出ると、眼下に大きなガマ池!
感動しながら池を見つめるタモリ一行。
この池はコンコンと湧き出る湧き水でできている池。
上から見ても、池の中央で沸いているのが良く分かる。
マイクさんはこの場所がとても気に入っているそうで、
春になると、池の周りのサクラが咲き、池に花びらが一面に浮かんで
とてもきれいなんだそうです。(写真が出ましたが、美しい!)
キャシーさんは、このすばらしい景色を、アメリカの友人にも話しているそうで、
都会の中にこんなにすばらしい池が残されていることに感銘を受けていました。
彼女はここに住めて「Very lukky」って言って嬉しそう。
五味さんが大正時代のガマ池の写真を見せてくれました。
いまより広くて、池にボートを浮かべて楽しんでいる人までいました。
しかし、この池に昭和46年ごろ、埋め立ててマンション建設計画が持ち上がり
そのとき反対運動の中心だったのが地元の外国人。
その結果、今のガマ池がかろうじて残されたそうです。
(昭和46年9月9日・朝日新聞記事が紹介された)
※「かえるクラブレポート」 がま池 に、この記事と詳細がレポートされています。
ということで、タモリたちがベランダからガマ池を望む姿で今回はおしまい。
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次回は「秋葉原」です。
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★出演
メイン: タモリさん 久保田裕佳アナ
案内: 法政大学教授・イタリア建築史家・陣内秀信さん
語り: 戸田恵子
★スタッフ
テーマ曲:井上陽水「MAP」(リリース未定)
タイトルCG…鈴木哲
再現CG……高羽和行(1,5) 蒲地高志(2) 高羽央幸(3) 福田将士(4)
地図提供…人文社 ゼンリン
取材協力…イタリア大使館 麻布十番商店街振興組合
撮影………高山直也(1) 井ノ口輝憲(2)
…小早川康(4) 吉野耕作(5)
技術………中村徹(3)
音声………雄谷元一(1,2,5) 小才和彦(3,4)
照明………丸山幸雄(1,2,3) 具志堅明(4) 岸本廣(5)
音響効果…五十嵐浩暢(1) 海老原正倫(2,5)
…井貝信太郎(3) 神山勉(4)
編集………行徳美津子※(1) 渦波亜朱佳(2)
…三宮和明(4) 中島康(5)
リサーチャー・牛久保明子※(1,2,3) 阿部直子(4,5)
取材…………林幹雄※(1,2,4,5) 河添有祐(1,2,4)
…川口忠継(3) 竹下健一郎(5)
ディレクター…小林諭※(1,3) 相部任宏※(2)
…林幹雄※(3) 竹下健一郎(4) 高橋麻緒(5)
制作統括……尾関憲一※
制作・著作……NHK
(※パイロット版のスタッフ)
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★記事リンク
「番組たまご」放送時
第1回 第2回 第3回 第4回
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タモリの著書を紹介。
これを読んで散策するのも良いのではないでしょうか。
また、こんな本もあります。
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江戸東京散歩/竹條 創
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