1話補足 | シャブリの気になったもの

シャブリの気になったもの

ご訪問感謝! 
ドラマ、音楽、Perfume、タモリ倶楽部、たけしのコマ大数学科を中心にレビュー。

「貴方に出会うために恋をする」
 
<メールのテロップ>
神様によってアタシと貴方の小指に結ばれた一本の赤い糸
この運命の糸は目には見えない
そして貴方への地図だってない
だからアタシは、貴方に出会うために恋をする
 
2000年2月29日。この日は芽衣(宮武美桜)の誕生日。
母・幸子(渡辺典子)とケーキを買いに来た。
幸子が店の外に出ている間、パティシエ(俵木藤汰)に作ってもらった
ケーキを持って表に出た芽衣は、ちょうど自転車で通りかかった
敦史(沢木ルカ)と鉢合わせ。倒れた拍子にケーキが崩れてしまう。
中から店員(田口寛子)が出てきて、ケーキを作り直してもらった芽衣は、
2月29日が自分の誕生日で、「珍しいんだよ。4年に1回しか来ないんだから。」
と敦史に言うと、「知ってるよ。僕も誕生日なんだ。」といわれる。
「奇跡だねわたしたち。じゃあ今日はどっちもお誕生会だね。」
と嬉しそうに言う芽衣に、「僕は分かんない。」と寂しげな表情を見せる敦史。
すると芽衣は、新しいケーキのチョコレートのプレートを敦史に渡した。
芽衣は幸子に呼ばれて敦史と別れるが、この時のバイバイした姿が、
この後、忘れられない記憶となる。
  
時は流れて芽衣(南沢奈央)は中学生2年生の新年度を迎える。
舞い落ちる桜の花びらを手のひらで受けながら登校している芽衣。
桜の花びらが地面に着く前に3枚取れたら願い事が叶う、という
おまじないを信じているのだった。願い事は幼馴染の悠哉(矢崎広)にも内緒。
「言ったら効き目なくなるから。」
拾った3枚の花びらは大事にハンカチの中に包んで微笑む芽衣だった。
 
そんななか、姉の春菜は今年から高校生になり、一緒に中学に行けなくなった
妹のナイト役を悠哉に言いつけるのであった。
 
一方神社では登校前の敦史(溝端淳平)が神社の掃除をしていると、
宮司・森崎(小木茂光)に時間だぞとせかされる。
「まあ確かにお前の母さんがしたことは、人として許されないことだとは思う。
 だがな、お前一人だけで背負いこむことではないと思うんだ。
 親子というのはだな…。」と森崎が言うと、
「分かってる。分かってます。ありがとうございます。」と言う敦史。
出かけに森崎は「お守りみたいなもんだろう。」とチョコを手渡す。
 
学校では新しいクラス分けが貼り出されている。
芽衣と同じクラスになった親友の優梨(鈴木かすみ)、美亜(岡本玲)からは
悠哉先輩との仲を冷やかされるが、芽衣はただの幼馴染と言い張っていた。
 
『人は生まれてから死ぬまでの間に
 およそ3万人の人と出会うといわれています。
 その中で学校や職場で知り合う人が3,000人。
 親しく言葉を交わす人が300人。
 そんな巡り合いの中に、
 生まれる前から神様が決めていた特別な出会いがあるそうです。
 でもそのたった1つの運命の絆は、誰の目にも見えません。
 まだ見ぬ運命の人とは、小指の先が赤い糸でつながっているはず。
 だからわたしは、あなたに出会うために恋をする。』
 
そんな中、遅刻してきた敦史は芽衣の隣りの席。
敦史の落としたチョコレートを隣りの芽衣が拾うのだった。
 
授業が終わると芽衣は友達の誘いを断ってさっさと家路。
実は姉の春菜が高校生になると色々あるということで、
芽衣と部屋分けるため引越し。その手伝いを悠哉とすることになっていた。
引越し作業中、1歳の芽衣の写真が出てくる。その写真には、隣りに男の子が。
「ねえ?この隣の子って誰?俺じゃない?
 こんな小さいころから一緒だったんだな。俺たち。
 これはもう運命としか言いようがないな。」(悠哉)
「どう?進んでる?」とやってきた母・幸子に、その写真を見せる春菜。
「あっお母さん。この写真の男の子って悠哉?」(春菜)
「うん?あっ。さあどうかしらね。分かんないわね。
 お茶冷めちゃうから早くいらっしゃい。」と、とぼけられた。
芽衣は「運命か。」と悠哉との関係にニヤニヤ。
 
翌日学校では、「それより先輩とはどうよ?」と、
芽衣は相変わらず美亜と優梨から悠哉とのことをしつこく聞かれる。
「どうして悠哉の話になんの?」
「そりゃなりますよ。だってもう好きになって10年でしょ。」
「10年!?10年も何してたの?
 ってかさ、10周年記念ってことで告ったら?
 告白っていうのはね、芽衣みたいにきっかけないと
 手もつなげない人のためにあるんだからさ。
 あっ!わたしが言ってあげる。先輩!」
と、美亜が叫ぶ先では、悠哉とコータ(山田ジルソン)がなにやら話をしている。
 
そんななか悠哉から放課後に駅前のバーガーショップに一人で来て欲しいと
メールで誘われる芽衣。「何だろ?これってデート?…じゃないよね。まさかね。」
すると、話があるんだ、パフェおごってやるよ。とメールが来たものだから
きっと告白されるんだと、屋上でウキウキしながらアタフタする芽衣。
「やった!1人で来いだって。どうするよ自分?冷静になれ自分・・なれない~」
大事に取っておいた桜の花びらを取り出して、
「きたきたきたきた!きてる!ありがとう!」と一人で盛り上がる芽衣。
そんな姿をたまたま屋上でチョコを食べていた敦史が見ていた。
「俺は何も聞いてないし、何も見てないから。」と立ち去る悠哉。
 
芽衣が待ち合わせの店に行くと、悠哉は、
「何ていうかさ…。うわー。すげえ言いにくい。
 こういうの芽衣の気持ち次第っていうか。
 嫌なら嫌って言えばいいから。俺の気持ちは気にしないで。あのさ、」
と言いかけたところで、コータとたかチャンこと陸(木村了)がやってくる。
「俺、芽衣ちゃんと仲良くしたいんだよね。芽衣ちゃんってさ彼氏いんの?」
つまり、コータと芽衣の仲介に協力したのだった。芽衣はショックを受けつつも
悠哉に意地をはって「わたしもコータさんの友達になりたいし。」と、
コータに携帯アドレスを赤外線で教えるのだった。
 
その帰りに悠哉が怒ってる。
「何で悠哉が怒ってんの?」(芽衣)
「何喜んで番号教えてんの?コータがどんなやつか見りゃ分かるだろ。」(悠哉)
悠哉は焼きもちを焼いている自分の気持ちに気付く。
「コータにさ、俺と芽衣が仲いいのうらやましがられてさ、紹介したけど
 でもやっぱ嫌な気持ちになったっていうか・・。ごめん。」
その言葉に安心する芽衣。
すると二人は、春菜が男の人といい感じでクレープ屋の前に居るところを発見。
でも悠哉は「行こう。」とぶっきらぼうにその場から立ち去るのだった。
  
家に帰った芽衣は、春菜にクレープ屋の事を聞くと、
中学校の生徒会で一緒だった高校の1コ上の先輩だという。
彼氏じゃないが、実は告られたんだと。
「まあ先輩としてしか見てなかったから、付き合うってことはないと思う。」
と、断ったようだった。
 
翌朝、芽衣は悠哉の心をとどめようと、
「お姉ちゃん、彼のこと中学のときから好きだったんだって。
 あの高校に入ったのもその人がいるからって。」
と、春菜は昨夜の彼と付き合ってると言ってしまう。
「そうなんだ…。」と凹む悠哉。
 
理科の授業中、悠哉に嘘をついたことを謝るメールを打っている芽衣。
「わたしたちの地球は、ほぼ24時間の周期で自転を繰り返しながら
 およそ1年をかけて太陽の周りを回っています。
 このことを地球の公転活動といいます。
 その周期はおよそ365日といわれていますが
 正確には365日と6時間かけて回っています。
 その6時間が4年分積み重なると、6時間掛ける4で24時間。
 そのため4年に一度訪れるうるう年には
 特別な1日が生まれるということになります。
 2月29日。
 つまりうるう年のときにだけ
 1年が366日になります。
 この2月29日はイギリスではLeap Dayと呼ばれていて
 その日に限って女性からプロポーズされた男性は
 それを断ってはいけないという風習があるそうです。
 4年に一度そんな日が巡ってくるなんて、すてきな国ですね。」
メールを打つのをやめて、2月29日に反応する芽衣と敦史。
「はい。じゃあ小テストします。」
「えっ!?」(生徒たち)
「えっ~、じゃない。ちゃんと聞いてた人は分かる!」
 (※先生は、紺野まひるさんが演じてます)
すると悠哉からメールで、放課後に神社に呼び出された。
 
「おう。急に、ごめんな。」(悠哉)
「ううん。わたしも話あって。あの・・今朝のことなんだけど…。」(芽衣)
「俺から話していい?」
「あっ。うん。」
「あのさ、芽衣は今、好きな人いるか?」
「えっ?えっと・・好きな友達はいるよ。」
「そういうんじゃなくて、本当に好きな人だよ。
 俺さ、いつも近くにいたから、このままでいいやって思ってたんだ。
 でもそれじゃ駄目なんだよな。気持ちはちゃんと伝えないと。
 俺、春菜が好きなんだ。」
「・・・」
「芽衣から彼氏のこと聞いて、
 初めて春菜のこと本気で好きなんだって気付いたんだ。
 遅いよな。
 でもあきらめるとか絶対無理。
 俺ちゃんと言おうと思う。自分の気持ち。
 でさ、芽衣、協力してくんないかな?頼む!」
「うん。」
「よかった。ありがとな。こんなこと、芽衣にしか言えないからさ。」
「うまくいくといいね。」
「ああ。」
「わたし、これから友達と用事あって。」
「そうか。あっ、でも、芽衣の話って?」
「大したことじゃないからいいや。わたし行くね。」
「おう。じゃあな。」
 
悠哉と別れた後、神社の境内で大事にしていた桜の花びらを風に飛ばす芽衣。
神社の大きな鈴を直そうと来ていた敦史は、芽衣に見つかって気まずい。
「西野君。何やってんの?」
「鈴、直そうと思って。」
脚立を立てて登った敦史の足元が危なっかしい。押さえに行く芽衣。
「サンキュー。」(敦史)
「何でそんなことしてんの?」
「俺、この神社に世話になってるから。
 ああ。中で引っ掛かってたんだ。
 よし。鳴らしてみて。」
「うん。」
直った鈴が鳴る。
「あっ。」
鈴の中から桜の花びらが3枚落ちてくる。1枚を手のひらで受ける芽衣。
「ねえ?神様が願い事かなえてくれる人って、どんな人なのかな?」(芽衣)
「えっ?」(敦史)
「お願いしても、かなう人とかなわない人いるから。」
「そうだな。きっとさ、神様は気まぐれなんだよ。
 だから、願い事がかなう人と、かなわない人に違いはないんじゃない。」
「そっか。そうだね。」
「じゃあ。」
立ち去る敦史。
「あのう。」(芽衣)
振り向く敦史。
「ありがとう。」(芽衣)
「いや。」(敦史)
「じゃあ、バイバイ。」
「ああ。」
手を振り合う二人。その姿が8歳のときにバイバイした姿と重なる。
 
2000年2月29日。8歳の芽衣と敦史が別れた後、
自転車を押していたた敦史が突然倒れる。
「大丈夫?」、ケーキ屋の店員が救急車を呼んだ。
 
病院に担ぎ込まれる敦史。
「血圧80の42。脈拍118。痙攣状態で意識レベル100です。
 患者さん入ります。」(救急隊員・足立学)
診察する太田医師(鈴木浩介)
「頻脈瞳孔拡散けいれん発熱あり。
 何か誤飲した可能性が高い。
 セロトニンの血中濃度が高過ぎるな。
 ドーパミンの量も多過ぎる。
 トライエージの結果は?」
「先生。アンフェタミンに反応が出ています。」(看護師・笠木泉)
「アンフェタミン?覚せい剤じゃないか。
 どうしてこんな子供から?」