池松君とひとしきり遊び、そろそろ帰りましょう、とゆうことになった。

まだまだ日も高く、遊び足りない気もしたけど、池松君のおばちゃんが言うんで、帰ることにした。
 
「しまくん、一人で帰れるかな? ちょっとみんな手が離せなくて。それともおばちゃんが送ろうか? ちょっと遠いねんけど、真っ直ぐやねん、ずーと真っ直ぐ歩いてたら、家につくから。」
 
「わかった。おばちゃん大丈夫!」
少し不安はあったけど、行けるんじゃないか!? って思った。だって真っ直ぐ、というのなら、簡単じゃないか。
「バイバイ」
 
そう言ってスタスタ歩きだした。
真っ直ぐ、真っ直ぐ、
とゆう呪文を繰り返し、でも、どんどん歩いていても、見慣れた景色には全くならない。
 
路上駐車している車を人差し指でなぞりながら、でもひたすら真っ直ぐに。
でもー、知らない街に迷い込んだようだ。
工場のおじさんが僕をながめていた。
溶接のおじさんで、変なお面をもって、バチバチ火花を飛ばしていた。
 
えらいことになったと思った。ぼくはもう永遠に帰れないと思ったら、泣けてきた〜