2023.07.22 六代文枝一門会〜三弥追善公演〜(名張市 adsホール)
・三弥想い出トーク
(桂文枝、桂三歩、桂三ノ助、はやしや美紀、司会 桂三語)
・桂三実 「僕たちヒローキッズ」(三枝 作)
・桂三四郎「二転三転」
〜中入り〜
・大喜利
(桂三歩、桂三扇、桂三ノ助、桂三幸、桂三河、桂健枝郎、司会 桂三度)
・桂三語「義眼」
・桂文枝「文句の叫び」
名張市の落語会へ行ってきました
桂三弥さんの追善公演です。
三弥さんのお兄様が企画されたそうで
ホールには、
ギッシリのお客様が
集まっておられました
まずは、スクリーンに
生前の三弥さんが!
テレビ番組に出演された時の
映像のようです。
実は私
動く三弥さんを見るのは初めてです
優しそうだけど
落語に関しては、ストイックで
熱い方だったのかなという印象です
⚫︎三弥想い出トーク
(桂文枝、桂三歩、桂三ノ助、はやしや美紀、司会 桂三語)
真ん中の高座に
司会の三語さんが登場!
続いて、三弥さんとは同じ大学の
先輩、後輩である
三ノ助さんとみきさんが
上手側から順番にイスに座ります。
次に、兄弟子てありながら
三弥さんとは飲み友である三歩さんが
3番目のイスへ。
4番目イスには、なんと
文枝師匠がお座りになられました。
ええのん
師匠のお席
そちらでよろしいのんと思いながら
まさかの
師匠の登場に、無条件でニターッと
顔がほころびます
拍手に力が入ります
シンバルを持った
チンパンジーのおもちゃ並みに
手を叩きました
三語さんは司会者として
また三弥さんの
弟弟子という立場からの気配りと
そして、師匠をはじめ、
皆さんのお人柄によって
なごやかな雰囲気が
作り出されていました
肅々と故人を偲ぶというよりは
こんなんやったあんなんやったと
三弥さんのエピソードを
全員で、おもしろおかしく
語るという感じです
三弥さんってば
見た目の真面目そうな印象とは違って
ヤンチャもしてたみたいですね
1番興味深かったのは
師匠のお話しです
修行中
師匠が海外に行ってる間に
三弥さんは
勝手に師匠の高級車を乗り回し
女の子とデートしてたとか
スピード違反で警察から書類が届き
バレたみたいです!
よくおモテになった三弥さんでした
師匠曰く
酒を飲まなかったら
大人しくていいやつ。
(師匠が教えた)
「僕たちヒローキッズ」という落語は
本当に面白かったと
褒めていらっしゃいました
⚫︎三実さん「僕たちヒローキッズ」
師匠のお話にあった演目を
私は知らなかったのですが
この日
三実さんが聴かせくださいました。
三実さんの演じるお母さんが、
なかなか良い味を出してまして
口調は淡々としながらも
しっかりとしたトークで
説得力があります。
それがあまりにも自然体なので
時々、三実さんがエプロン姿のお母さんに見えちゃったりなんかして
主人公の男の子(ジュン君)は
お母さんから勉強なんかせんと
子供らしく
外で遊べー!と言われて
逆に戸惑います
公園に行ってみたものの
友達は、塾に行ってるので
同じ世代の
遊び相手がいません
たまたま
塾のテスト続きで
ヘロヘロになった友達と会います
栄養ドリンクを飲み
サロンパスを貼った小学生
ジュン君は公園で
腰を揉んであげます
別の友達は、勉強のし過ぎで
高血圧になってしまったとか
今時の子供は
ヒーローに憧れるのではなく
自らが〝疲労〟しているのですね
けれど中には
要領のいい、タフな子供もいまして
勉強しすぎてしんどいなーって時は
気持ちを切り替えて
カラオケにいき
ストレスを発散するというのです
遊ぶお金は、話のわかる大人(家庭教師)に頼んで競馬で儲けます
時々、女の子も誘ったりなんかして
子供が大人の真似をしているのか?
それとも
疲労と息抜きの狭間では
自然とおじさん化してしまうのか
そんな感じて
中村くんに
ジュン君も、カラオケに招待されます
(歌うのは、森のくまさんなのですが 笑)
帰りが遅いので
お母さんが、かなり心配していました
心配しすぎて
ジュン君に言います
明日からは、
帰ってきたら
家で勉強してと
子供を自由にさせ
見守るというのは
かなり労力のいる事なのではと
思います
親の心配も増えますしね
自由に子供らしく遊ぶのも
難しい時代のようです
体は疲労しているし
変におませというか
老けた子供達ですが
時々見せるあどけなさに
思わず笑っちゃう
そんなお噺でした
三実さん、楽しかったです。
ありがとうございました
⚫︎三四郎さん「二転三転」
なぜか岐阜を中心に引っ越しをしまくっていた転勤族のお噺です
大好きな地元大阪での
生活が続くと思った矢先
次は東京に転勤だと聞かされます。
家族からは、ブーイングの嵐
奥様は、東京は怖いところ
なんせ言葉が嫌
大阪と違って人情味がないと
コテコテの大阪弁で嘆きます
典型的ないちびりの息子はというと
東京には
おもろいやつが一人もおれへん!
僕は、よしもとの漫才師になる!と
大阪のお笑いを改めてリスペクトします
娘は、東京の男子の
ヒョロヒョロの細い足や
ヘアースタイルが気に入らないと言い
マクドナルドをマックというのも
腹立つみたいです
それぞれの思いがあるものの
家族揃って、東京へ行きます
なんだかんだいうて
3年もの月日が経ち
あれだけ嫌がってた
奥様は、東京弁を流暢に話し
息子は、ちゃらさ満開の東京ボーイに
娘は、横浜生まれの、母方の祖母が神戸という、おしゃれな港町生まれというキャラ設定で
そろぞれ東京に染まりまくっておりました
そこで
またまた大阪へ転勤の話しが出てきます
また、ブーイングの嵐です
奥様は、東京にいたら、大阪の嫌なところがわかったと。
まず言葉が嫌
映画「君の名は」も大阪では
「自分なんて呼ばれてんの?」になるし
(ここめっちゃ好きです)
漫才師にはならない、ジャニーズに勝手に応募されたからと息子。
娘も、東京男子はシュッとしてて良いけど、大阪はダメー。
完全に身も心も、東京に染まった家族の願いを聞き、父だけ大阪で単身赴任となります
しかし父は
やっぱり
家族は一緒にいないとダメだと
意を決して転職し
東京で仕事をするから
みんなで暮らそう!と
家族に報告します
えー
またまた家族からの大ブーイングです。
娘は(今までの嘘が周りにバレたので)
大阪の大学に合格し
偽帰国子女として
大阪に戻ることになっていました
(なぜか、言葉はカタコト
懲りないキャラ設定ですね)
ちなみに息子は、ジャニーズに落ちたらしい
父の思いと家族の思いは
完全にすれちがいます。
でも、なんやかんやいうて
憎めない人達です
最後は、ハッピーエンドかなーと
思いましたが
無情にも父に向けられた言葉は
東京で
「単身赴任したら?」という
涙も凍るような
家族からの、冷たい言葉でした
三四郎さんの演じる女性は
子供から大人まで
みんな癖が強くて面白い
女性あるあるの宝庫です
チャライ系男子もナイスでした
そんな中で
父の「普通」さが
良いエッセンスとなっていると思いました
またこの家族に会いたいです
⚫︎大喜利
司会 桂三度さん
•先輩チーム→三歩さん、三扇さん、三ノ助
•ヤングチーム→三幸さん、三河さん、健枝郎さん
先輩チームとヤングチームに分かれての大喜利対決です!
司会の三度さんも、盛り上げてくださいました
三歩兄さん、いきなり酔っ払いネタで
めちゃくちゃリアルですごかった
普段からべらぼうに飲んではるのは
こういう時の芸を磨くためやねんな
と感動したんですが
この日は
ホンマに酔っ払っていたそうでーす
(この後の三語さんがバラしてました)
歌しりとりで、
1番初めの曲を、客席から募集。
ヤングチーム、スタートは
メンズノンノの健枝郎さん
※メンズノンノ←シュッとした男前はこう呼ばれてます(多分)
客席からのスタート曲の
リクエストは
「柳ヶ瀬ブルース」
「ちゃっきり節」
知らんてっ!笑
健枝郎さん、困惑!
三度さんも、
あのーもっと若い曲をとの
まさかのお願いモード。
そこへ
「夕焼け小焼け」の
リクエストが入ります
健枝郎さん、それならわかりますと
意気揚々と歌い始めましたが
ゆうや〜けこやけ〜の
赤とんほ〜♪
あれれ?これは
師匠の名作「赤とんぼ」の歌ですぞ
正しくは
ゆ〜やけ こやけ〜で日が暮れて〜♪
でした
健枝郎さんの困った顔が
やっぱりメンズノンノでした
他にも
三幸さんの、王貞治の1本打ち打法の
ポーズで
お、おい。足1本どこ行った?とか
お気に入りのネタはたくさんありますが涙を呑んで割愛
この対決は、先輩チームの勝ち‼️
三歩さんの
圧倒的な酔っ払いの演技が
功を奏しました
いや、演じてはいないんですけどっ笑
飲み友達だった三弥さんも
こんな感じで
楽しくされていたのでしょうか
⚫︎三語さん「義眼」
このお噺の最近の傾向としまして
お医者様の前半の落ち着きっぷりと
後半のはじけっぷり
そのギャップが
見どころだと思っています
目を患った男の
オーダー目イドの義眼ができあがり
なかなかの出来に男も喜び
お医者様も
使用上の注意をしっかりと説明します
その落ち着いた感じが
好きだったのですが
最近では、
後半の腹中鏡を取り出して
お尻を覗く前の
パフォーマンス?が
イキってて楽しいです
3段階に伸び縮みする
最新型の腹中鏡
説明するところから
すでにイキってます
覗くときも
いちいちポーズをキメて
イキってます
嬉しそうですね
最新の腹中鏡だから
きっと
お尻の向こうから覗いてる目も
くっきりはっきり見えたのでしょうね
そりゃ、ギャーいうて
叫びますわな
三語さんの女性役も
相変わらず色っぽいし
酔っ払いのヘベレケっぷりも愉快で
チャーミングでした
だんだん可愛くなってきてますね
(酔っ払いの方が)
上手いこと
柳ヶ瀬ブルースも
放り込んできはりました
こういうのに目がありません。
(義眼だけに!)
三語さんの出囃子「お若いの」は
生前の三弥さんの出囃子です
この日聴くのは
やはり感慨深いものがありました
想いを残すもの
それを引き継ぐもの
目に見えない大切なもの
確かにそこにあります
忙しいと
見過ごしがちな事も
こうやって
時々、思い出す事は
とても大切な事だと思いました
三弥さん
前日に(飲みながら)
三語さんの初舞台のお稽古を
見てあげたそうですね
今日も
どちらかでご覧になっていましたか?
お酒でも飲みながら
⚫︎文枝師匠「文句の叫び」
マクラでは、
師匠が、病院へ行った時
お見かけしたというご夫婦
強い奥様と
か弱い旦那様
このエピソードだけでも
笑い疲れましたが
このお噺は
これからなのです
主人公の佐川君
小さい娘と強い奥様がいます
佐川君は、遅く帰ったら帰ったで
遅い!と叱られ
早く帰ったら帰ったで
早い!と怒られます
洗濯カゴも、2つに分けられて
一緒に入れるな!と厳しく
管理されております
カゴには
「ママとモモ」「その他」
パパとすら書いて貰えません
口ごたえもできません
そんな悩みを
会社の先輩に相談したところ
1度うちに遊びにおいでと
本来のあるべき夫の姿を
勉強しにおいでと
佐川くん、喜んでお邪魔をする事に!
でもね
先輩んちも
実は恐妻家だったのですね
奥様の見事なまでの
外面の良さを久しぶりに見たいと
なんとか、奥さんに頼み込んで
佐川君を呼ぶ許可を貰います
最初はうまくいってました
夫の威厳を
後輩にも見せる事ができました
内心ビクビクしながらですけど
ただ調子に乗って
飲み過ぎちゃったんですかねー
(料理はまだか?)
「はよせい!あほー」
あほーまで言っちゃいました。
無意識に
後輩からは、尊敬される事となりますが
おうちには怖くて
1人では帰りづらい状況の先輩なのでした
哀愁に満ちた哀しいお噺ですが
私共
お腹かかえて笑わせていただきました
師匠の大阪弁のセリフの心地よさは
すばらしい
リズムが美しい
五七五に通じるような
何か法則のようなものが
あるのでしょうか
か弱い夫の儚さも
師匠が演じると
途端にキュートになる不思議
強がりもかわいい
本日も
落語に魅了された
1日となりました
おまけ
お茶子をしていた貴文君。
だんだん、着物姿が
板についてきましたね
今日のお着物、似合ってました
同志のみんなー
名張駅ってこんなとこ!
駅前に交番があって
道も聞けるから
安心安心♪