使える和紙展
めっきり 秋も深まってもはや冬。

満月だー。なんて眺めたのはいったい何週前かしら。
今日は割れそうに薄い薄い三日月です。
なんだか もの思いの秋で
悪くはないけど もやもやした日々です。
先週までの バイト中一人きりの時間が長いので
客が来ない間 岡本太郎や小林多喜二、椎名誠、サキ、
なだいなだ 横溝正史 等
家の片付けで出て来た本を脈絡無く
片っ端から読んだせいかもしれません。
本は すごい。
開いたら その世界のど真ん中で
閉じたら 誰にも気付かれずに
素知らぬ顔で 受け付けなんてできてしまう。
閉じる直前まで 岡本太郎が
「人生を生きている人間と、
単に世渡りをしている人間がいるんだ!!」
なんてあの手つきで叫んでいたのに。
そんな バイト(いえ ちゃんと仕事もしてましたよ)
の一つ下の階でやっていた
展覧会
「使える和紙展」
紙の博物館2階。

名産といいながらも 一般には
常用されていない和紙の使い道を
若手紙すき職人さんと高知のデザイナーさん達が組んで
探るという試み。
かばんや財布など 和紙の丈夫さと 使い込める味わいを
いかしたものがいろいろありました。
私は一筆箋を買いました。
紹介が遅くてごめんなさい 会期は11/20(明日!)まで
まだ 間に合う!
私は制作によく和紙を使います。
(機会漉きのも多いですが)
柔らかくて丈夫。やさしい色合い。
絵本の表紙 中 切り絵の素材。
いろんな時に とても便利。
和紙は 小さいはぎれでもきれいなので
ちょっと残ったのは
こんなふうに使ったりもします。

障子の破れ目の修復。
(え?やぶれすぎですか?
すみません いろんなものを ひっかけてやぶくもので)
破れ目に貼るので 意図的に貼るより
なんか味わい深い気がする。
朝起きて 日が差し込んでくると
とりどりに透けてきれいなのです これが。(私的には)
大町桂月
今月も展覧会で受け付けしてます。
場所と展示内容のため お客さんの年齢層が高い。
おば様や おばあ樣方に
「結婚されてる?」
「結婚しなさいやー。」
「結婚は?」
と、展覧会がはじまってから
もう年の数くらい「結婚」と言われました。
仕方ないので基本 薄笑いです。
さて タイトルの大町桂月。
みなさんこの方知ってました?
物知りな方、ご年配の方には常識らしいですが
私はよく知りませんでした。
先月のバイトで 受け付けに来たおじさんに
突然「大町桂月は知ってるか?」と言われました。
あまりの脈絡の無さにバイト全員キョトン。
(ちなみに桂月はまったく関係ない展覧会でした)
「桂月も知らんがか!」となんだか
あきれながら ご立腹のご様子。
・・ 聞いたことはある気がする
「蔦(つた)温泉は?」
とおじさまからはさらに不思議な質問が続く。
結局、
「こいつらは話にならん!」
みたいな感じで去っていかれました。
「答え教えてもらえんかったね・・・」
と、みんなでちょっと悲しかったので
大町桂月の名は耳に残りました。
高知県立文学館に「一枚絵の世界」
を見に行った時に
併設の高知ゆかりの人物コーナーで
少し正体を知りました。

酒と旅と自然を愛した文人。(パンフ購入)
桂月の名前の由来は 「桂浜の月」
おお、きれい。
桂浜にある
「見よや見よ みな月のみのかつら浜
海のおもよりいづる月かげ」
という 歌碑は桂月の碑文。
なんとなくしかわかりませんが いい。
ちなみに「蔦温泉」は 桂月が愛した青森の温泉でした。
購入した桂月の冊子を見てみると、
桂月は現高知市永国寺町出身、
11歳くらいで母について上京。
50歳くらいで高知に帰郷したとき、
「連日連夜の地酒の歓待で体調を壊し
帰京後一ヶ月入院。断酒を誓う」と書いてある。
病院送りにするとは どんだけ飲ませたんだ 当時の高知人。
おまけに
その二年後 再び高知を訪れた桂月
「飲酒復活」
と書いてある。
また、飲ませたのか、高知人。
そして案の定、体調を壊した桂月は
その後高知を訪れることはなかったらしい。
・・・高知ゆかりにしていただいていいんでしょうか?
先日たまたま入った
石の展示会(ちょっぴり「無能の人・つげ義春」の世界でした。)
の会の名前も「桂月会」でした。
会員のおじいさんに聞くと
「みんな酒飲みだから」
と言ってました。
酒飲み達の神さまなのか。
「桂月の事をもっと知りたい」
そんな気分です。
芥川龍之介も絶賛している、桂月の文章をぜひ読んでみたい。
(ここまで知ったふうに書いたのに 文章は読んでない。)
現代かな使いになってて読みやすいのないかな。
桂月が自分の子供のために書いた短冊のひとつ。
「ぐずぐずが 運の来るのを待つとても
運の来るのも やはり ぐずぐず」
・・・、そのとおりでございます。
アップタウンシアター
とある宴会におじゃました。
いつも楽しそうな催しものをしているグループだと
伝え聞いていたので、楽しみに出掛けた。
その日のメインテーマはアルコールありの上映会。
上映会の名前はアップタウンシアター。
(上町だからだったのだ・・・とたった今気がつきました。)
ちゃんと 招待状をいただく。

イラストレーターのキミさん作。
閉じると、またかわいい。
誘ってくれたキミさん以外は全くの初対面、
内弁慶な私はやや緊張して行った。
暗くなってから着いたそのお宅は
黄色い明かりが庭にこぼれるやさしい古いおうち。
みんなが森の動物達のように
ぽつぽつお酒や料理をもって集まってくる。
いろんな人がいて、私以外にも初参加の人もいるようだ。
みんなの持ち寄りの料理やパンやチーズが異様においしい!

次々に開いていくビールの缶にワインの瓶。
私はとてもお酒に弱いので
オチョコのようなコップでチョビチョビいただくが、
それでも次第になめらかな感じになってくる。
そして、食事も続けつつ 上映会スタート。
映画はローリングストーンズ主演の「シャイン・ア・ライト」
「とにかく、かっこいいで!」
映画を持ち込んだ人が繰り返し力説していたとおり、
ローリングストーンズはとてもかっこよかった。
監督が大ファンだというだけに
当時の人々の熱狂も彼らのクールな発言も
スキャンダルも「くー。かっこいい!!」
という目線で撮られていて
ローリングストーンズを名前しか知らなかった私にも
その ドキドキ感が十分伝わりました。
ライブステージを見ているような映画で、
カッコイイ大人(現在六十くらいらしい)をみて 一同うっとり。
集まった人達は年齢も職業もさまざま。
そんな大人達がさらに大人に憧れる、
生きて歳をとることの幸せを
カッコイイという説明不要な形で見せてくれた
ストーンズとマーティン・スコセッシ監督に乾杯。
なんとなく時々憂鬱だった、
高校生の頃の自分や、
先生をしていた時しんどそうだった女子生徒に
この光景を見せてあげたい気がする。