「薄水色のろば」 | 雨だれとガジュマル ~いのうえさとこ~

「薄水色のろば」


                     薄水色のろば


  「プラテーロとわたし」という詩集があります。

  スペインの ファン・ラモン・ヒメネス という詩人の書いた本で、

  私は父にすすめられて 読みました。

  詩 と言っても 童話のような感じで、

  変わり者の詩人が 町や人々 妻や実際に飼っていたロバのプラテーロのことを

  静かでやさしい 文体で綴ってあります。

  高校生のころ、この本を読んで

  灰色のやわらかいかわいいプラテーロに乗って美しいスペインの田舎や町をぶらつく

  詩人にとても憧れました。

  「こういう暮らしがしたい、ろばを飼う」というと、 家族は「やめて」と言っていました。
 
  そりゃ、そーだ。

  「おたくの娘さん最近ろばにのってうろついてますけど?」ってなりますもんね。

  上の絵はこの本の中の「月」という詩から うまれました。

  ちなみに この絵は売れてしまったので 私のプラテーロは今 手元にはおりません。

 

  「 月 」 (一部分)

  プラテーロは、裏庭の井戸で、星といっしょに水をふた桶も飲んでしまった。

  そして、高くのびたひまわりの間を通って、ゆっくりと、放心したように

  うまやに戻ってきた。私は、石灰を塗ったうまやのかまちにもたれ、ヘリオトロープの

  やわらかいかおりにつつまれて、彼を待っていた。

  九月のやわらかなしめりでぬれた、小さな屋根のはるかかなたには、田園がねむり、

  いきいきとした松の木の息づかいを送っていた。(以下略)


  
  世界中で翻訳されている 本なので機会があれば

  プラテーロに会ってみてください。

  そして 私と一緒にろばに乗って ぶらつきましょう。

  

  プラテーロ